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具体的でキャッチーな本ではないけれど

    具体的でキャッチーなタイトルの本が、手に取られやすいのはわかっています。それなのに新刊には「湿っぽいエッセイも書きたい」という、よくわからないタイトルをつけました。

    ▼ 最近作った本。文フリ東京41で初売りします


    それは、前作「暗くないエッセイが読みたい」とのつながりという面もあるのですが…
    わかりやすい本だけがすべてじゃない という静かな抵抗でもあります。


    ◆


    昨年の秋にしんどい経験をしました。今作ではその出来事もエッセイにしています。
    その経験をここではRと呼びましょう。

    告知のときにRをもっと押し出したら、もっと手に取る人が増えるはずです。Rを経験した人にも届きやすいはずですし、なによりRは刺激がある話なので。

    でも、私はRについて考えたこともない人にこそ、話を届けたい。だからよくわからないタイトルの本に、37編のエッセイを詰め込みました。


    ◆

    おそらく商業出版だったら、「もっとインパクトのある、刺さるタイトルにしよう」とか、「Rのことを押し出した販促をしよう」とか言われるはずです。そりゃそうです。正直、「湿っぽいエッセイも書きたい」なんてタイトルの本は、とてつもなく売りにくいですから。


    でも、得体の知れないタイトルにこそ宿るものがあると、私は心の片隅で思い続けています。


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