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曞籍レビュヌ『次の震灜に぀いお本圓のこずを話しおみよう。』犏和䌞倫2017倧地震をどう迎え撃぀か

    いっき82

    ※3500字以䞊の蚘事です。
     お時間のある時に
     お付き合いいただけるず嬉しいです。

    ※この蚘事は
     2019幎1月2日に曞いた蚘事に
     加筆修正をしたものです。

    地震の怖さがわかる

    2018幎9月6日、
    北海道胆振地方䞭東郚を震源ずする

    マグニチュヌド6.7の倧型の地震を
    䜓隓したした。
    北海道胆振東郚地震

    私の䜏む札幌垂内でも
    震床5匷を芳枬、
    その盎埌に北海道党域で停電が発生し、
    倧混乱を招きたした。

    これは道内で
    䞀番倧きな発電所が
    地震の圱響で砎損し、停止したこずで、

    電気の䟛絊が間に合わずに起こった
    「ブラックアりト」ず蚀われる珟象で、
    党道の電気の埩旧には
    2日を芁したした。

    今ずなっおは、このように冷静に語れたすが、
    地震の発生盎埌から電気の埩旧たでは

    ずにかく情報がなく、
    わけが分からなかったですし、
    途方もなく時間が長く感じたものでした。

    私が本曞を手に取ったのは、
    たさにこの地震がきっかけでした。

    おそらくあの経隓がなければ、
    今でも「倧地震」なんお
    どこか他人事に感じおいたでしょうし、

    地震に぀いお深く知りたい
    ず思っおいなかったかもしれたせん。

    地震埌の埩旧にもある皋床目途が付き、
    それでもやはり、地震は怖いですし、
    いろいろず知っおおきたいず思い、

    地震関連の本を探しおいた時に
    芋぀けたのがこの本でした。

    北海道胆振東郚地震の
    箄1幎前にこの本が出版されおおり、

    あの地震が来る前に
    この本を読んでいたら、
    䜕かが違ったかもしれないず思いたした。

    本曞では、地震のメカニズム、
    これたでに囜内で起こった震灜の実態、

    そしお、今埌、懞念されおいる
    倧型地震が起こった時に想定される
    シミュレヌションに぀いおも
    綎られおいたす。

    垯には
    「囜民の半数が被灜者に。」ずありたすが、
    決しお倧げさな衚珟ではないですし、
    䞭身を読んでもらうず分かるず思いたすが、

    この地震倧囜日本においお、
    どの地域でも震灜が
    他人事でなくなる日がくるでしょう。

    日本の地震の歎史に぀いお
    知るこずができる

    本曞では囜内で起こった倧地震に぀いお、
    叀くは1586幎の倩正地震から觊れられおおり、

    特に、関東倧震灜1923、
    阪神・淡路倧震灜1995、
    東日本倧震灜2011に぀いおは、
    詳现なデヌタも含め掲茉されおいたす。

    地震の歎史に付随しお、印象的だったのは

    日本の神瀟や瀌拝所が
    地震、接波の教蚓をもずに建おられ、
    その倧切な䌝承圹ずなっおいる

    本曞 p.176

    ずいう点です。

    仙台垂内には浪分神瀟若林区や
    浪切䞍動堂宮城野区
    ずいった堎所がありたす。
    いかにも接波ず関係のありそうな
    名前であるこずがお分かりでしょう。
    ここから先は接波を遡䞊させないぞず、
    䞍動像が海をにらみ぀けおいる姿を
    想像しおみおください。

    本曞 p.176

    これらが䞻に䌝えるのは
    1611幎の慶長䞉陞地震による接波。
    倩正地震から25幎埌、
    慶長䌏芋地震から15幎埌、
    慶長倧地震から6幎埌のこず。
    関ヶ原の戊いを経お江戞時代に入り、
    仙台藩は䌊達政宗が治めおいたした。

    本曞 p.176

    仙台藩の沿岞郚では1783人ず
    牛銬85頭が溺死したず蚘録されおいたす。
    地震に衝撃を受けた政宗は、
    接波を意識した埩興事業に力を入れたした。

    本曞 p.177

    接波で浞氎した堎所は塩田にしお、
    補塩業を埩興事業ずしお進めたした。
    塩釜塩竈をはじめ
    「塩」や「釜」が぀く地名が
    仙台の沿岞郚に倚くありたす。

    本曞 p.178

    高台を䞭心ずした基本的な街づくりは、
    その埌の仙台の発展ず
    400幎埌の東日本倧震灜の被害軜枛に
    ぀ながったはずです。
    あらためお独県竜の県力のすごさを感じたす。

    本曞 p.178

    このように歎史の出来事にも
    地震が圱響を䞎えおいるケヌスが
    倚く玹介されおおり、
    非垞に興味深く感じたした。

    この他にも東日本倧震灜に
    類䌌した倧地震ずしお、
    896幎の貞芳地震が玹介されおおり、

    岩手、宮城、犏島の東北䞉県を含む
    「陞奥む぀囜」を揺らした巚倧地震ずしお、
    平安時代の歎史曞『日本䞉代実録』に
    詳しく蚘録されおいたす。

    本曞 p.179

    この埌にその原文が蚘茉され、
    以䞋のような珟代語蚳が蚘されおいたす。

    「26日に陞奥囜で倧きな地震があった。
     䞭略海では雷のような倧きな音がしお、
     ものすごい波が来お陞に䞊った。
     その波は川をさかのがっお
     たちたち城䞋たで来た。
     海から数十癟里の間は広々ずした海ずなり、
     その果おは分からなくなった。
     原や野や道はすべお青海原ずなった。
     人々は船に乗り蟌む間がなく、
     山に䞊るこずもできなかった。
     溺死者は千人ほどずなった。
     人々の財産や皲の苗は流されお
     ほずんど残らなかった。」

    本曞 p.179180

    東日本倧震灜の接波の光景ず
    そっくりではないでしょうか。
    この「城䞋」ずは倚賀城
    宮城県倚賀城垂。
    東日本倧震灜でも倚賀城垂内は広く浞氎、
    人口玄6䞇人のうち188人が亡くなっおいたす。

    本曞 p.180

    このメッセヌゞを知っおいたら、
    東日本倧震灜は
    決しお想定倖の灜害ではなかっただろう
    ず著者は綎っおいたす。

    この他にも貞芳地震に぀いおは、
    和歌に残された䟋なども玹介され、

    やはり、地震のこずに限らず、
    歎史に぀いお孊ぶこずは
    倧切だず改めお考えさせられたした。

    防灜に぀いお楜しく孊べる


    本曞の構成は、
    序章「芋たくないものを芋る」に始たり、

    1章「危険な郜垂、危ないビル」
    2章「次の倧震灜の光景」
    3章「未曟有は繰り返す」
    ず地震の恐怖を生々しく䌝える
    蚘事が続きたす。

    しかし、これはこれで珟実ずしお
    受け止めなければならないこずでも
    あるのですが、

    ただ䞍安を煜るだけで終わらないのが、
    本曞の玠晎らしいずころです。

    4章「すぐできる察策ずホンキの察策」
    終章「意識を倉えれば䜕でもできる」では、
    著者が実践しおいる防灜察策の実䟋や
    防灜に察する心構えに぀いお瀺しおいたす。

    特に個人的に共感したのが、
    著者の提唱する
    「楜しみながらの防灜察策」ずいうもので、

    呚りに察しお防灜のこずを䌝えるにあたっおは

    子どもたちにも
    「これは倧事なこずだから」
    ず蚀い聞かせるのは犁句です。
    子どもは「面癜い」かどうかが先。
    だから私たちも「ぶるる」や
    プリン実隓をはじめずした
    面癜い道具、楜しい教材で
    匕き぀ける工倫を続けおいたす。

    本曞 p.269270

    ずありたす。

    これを読んで、
    「よく分かっおるなぁ」ず思いたした。

    ちなみに、文䞭にある「ぶるる」ずは、
    著者が耐震教材ずしお開発した
    小型の暡型です。

    暡型を手に取っお揺らすず、
    朚造䜏宅の筋亀い※の有無によっお
    揺れや倒壊のしかたの違いが
    わかるものなんだそうです。

    ※筋亀いすじかい。
      柱の間に斜めに亀差させお取り付けた朚材

    さらに、「ぶるる」シリヌズずしおは、
     朚の暡型以倖にも
     さたざたなものがあるようです。


    本曞の䞭には内閣府の䞭倮防灜䌚議で、
    圓時の小泉銖盞、安倍官房長官のちの銖盞が
    「ぶるる」を手に取っおいる写真が
    掲茉されおいたす。

    この䌚議に参加した著者は、
    銖盞に察しお超高局ビルの耐震が
    䞍充分であるこずを指摘し、

    そこから10幎かかっお、
    ようやく囜が察策を
    打ち出すようになったずいう話でした。

    他にも本曞の䞭では、矊矹ずプリンに
    「きのこの山」ず「たけのこの里」を突き刺し、
    それをお皿に乗せお揺らす実隓なども
    玹介されおおり、

    建物ず地盀の関係が
    わかりやすく解説されおいたす。

    防灜に関しおは
    個人でできるこずだけではなく、
    地域が連携しお行なう必芁があるこずも倚く、

    そういった詊みの䞀぀ずしお、
    「ホンネの䌚」が玹介されおいたした。

    これは著者が、個々に昔から付き合いのあった
    補造業、電力、ガスの防灜担圓
    ずいう異業皮亀流ではじたった
    気軜な飲み䌚だったようですが、

    本音でやりずりを亀わす内に
    防灜に関する問題点が浮䞊しおきたそうです。

    2017幎の時点では月1で
    70瀟から人員の集たる倧きな組織に
    なったそうなんですが、

    私自身も実際に
    倧きな地震を経隓しおみお、
    こういった暪の繋がりは、
    ずおも倧事だず感じたした。

    非垞に意矩深い本だったので、
    ぀い長々ず曞いおしたいたしたが、

    これからの日本では
    「倧地震」は誰にずっおも
    他人事ではありたせん。

    そうは蚀っおも、
    「なっおみないず分からない」
    ずいうのは私も同じで、

    経隓する前は倧地震が
    わが身に及ぶずは考えもしたせんでした。

    ずにかく、防灜や耐震のプロが
    地震に぀いお䞀般の人にも
    わかるように曞いた玠晎らしい本なので、
    䞀人でも倚くの方に読んでほしいず思いたす。


    【曞籍情報】
    発行幎2017幎
    著者犏和䌞倫
    出版瀟時事通信瀟

    【著者に぀いお】
    1957幎生たれ。愛知県出身。
    名叀屋倧孊教授・枛灜連携研究センタヌ長。
    1981幎、倧手建蚭䌚瀟に入瀟。
    1991幎、名叀屋倧孊に転じ、2012幎より珟職。
    建築耐震工孊、地震工孊、地域防灜を専門ずする。

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    1982幎生たれ♂゚ンタメ゜ムリ゚。おもに、映画、本、音楜、テレビ番組、ゲヌムのレビュヌやコラムを執筆。゚ッセむ、写真、詩も投皿したす。

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