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お前を殺す

    びていこつ

    目標が出来ました。

    僕はお前を殺す。

    お前だけじゃない。
    お前もお前もお前もお前も、ついでにお前も。
    全員まとめて殺す。

    勿論"殺す"と言っても、肉体的な殺害がしたいわけじゃない。
    もしお前のその柔らかい腹にナイフを突き刺して抜いて、また突き刺して抜いて、そして噴き出してきた真っ赤な血を全身に浴びたところで何が満ち足りるんだ。

    そうじゃない。

    僕は魂の殺人がしたいんだ。
    肉体的な死ではなく、魂を殺す。
    僕の書く文章で、お前を殺す。

    お前の魂をぐちゃぐちゃに犯して、完膚なきまでに叩きのめしたい。
    「もうコイツには敵わない」とお前の魂を屈服させたい。
    お前の心を敗北感で満たしたい。

    そして僕を崇め奉らせる。
    神と呼ばせる。錯覚させる。

    そのために、僕はお前を殺さなければならない。

    理由は、お前の書く文章のせいで僕は殺されそうになっているから。
    これは正当防衛だ。
    僕の生存本能が「殺される前にあいつを殺せ!」と訴えかけてくる。
    だから僕はお前を殺す。

    繰り返すが、これは正当防衛だ。


    以上のとおり、僕はお前を殺さなくちゃいけなくなった。

    今なら、ジョジョ4部の川尻早人の気持ちがわかる。
    「どうか神様、このぼくに人殺しをさせてください」だ。
    マジに神様にでも祈りたい気分。

    一体全体、どうやったら文章でお前を殺せるんだろう。
    お前みたいな頭のおかしい異常者の殺し方なんてちっとも思いつかない。

    ここ数年、一つの悩みもない植物みたいな生活を送っていたというのに、お前のせいで今の僕の脳内は悩みだらけだ。

    昨日までの僕にとってnoteってのは、日記代わりに書き連ねて数年後読み返した時に「バカだなー」とニコニコ出来ればそれで良かったのに。

    それなのに、僕は僕の文章で人を殺したいと思ってしまった。
    思ったならやらなくちゃならない。
    人を殺すと決めたのなら今までとは訳が違う。
    変わらないといけない。

    今までみたいに気ままなジョギングじゃダメなんだ。
    拳をグッと握りしめて、足先で地面を掴んで、般若の面で走り出さなきゃならねえだろうが。

    いいんか?
    僕が走り出しても。
    僕、走り出したら止まらないけど。
    大丈夫?
    困らない?

    まぁ、困るやつなんていないわな。

    だって僕はゾウじゃない。
    僕なんか虫だ。
    ゾウが走れば地響きする。
    そうしたら多少は影響も出るだろう。
    でも僕が走ったところで「虫さんトコトコで草」って言われて終わり。

    ああ、悔しいなあ。
    絶対殺してやる。
    首洗って正座して待ってろ。
    ボケカス。


    ここまで散々書いてきたけど、まるでイキってる中学生みたいだ。

    分かるんだよ。

    僕は自己分析と客観視だけが特技で、パンパンに膨れ上がった自尊心を無理やり押し殺しながら生きてきただけのボンクラ。

    だから、こんな記事投稿したらどう思われるかなんて簡単に分かるんだよ。

    今の僕、イキってる中学生みたいだろ?
    これで殺せるのは背筋を伸ばして大人になった自分だけだ。
    もっと強くなるよ。
    いずれお前を殺すために。
    だから頼むよ。
    僕に殺されてくれ。


    「殺す」と呟くと心臓が激しく動き出し、腹の底がじんわり熱を帯び始め、今まで停滞していた時間がまとめて動き出すようなそんな感覚に襲われる。

    思い返せば学生の頃からそうだった。

    僕は運動部に所属していたので、大会なんかに行けば試合がある。
    試合の時、僕は対戦相手の目を見てゆっくりと自分に言い聞かせるように「殺す」と呟くのが好きだった。

    当然これは実際に口に出すのではなくて心の中で唱えるだけだったけど、僕は「殺す」と呟くと元気になる。
    中二病ではなくて、ホントに試合相手を殺せてしまうんじゃないかと錯覚するほど、力が滾り集中力も増して正に超人の気分だ。

    部活を引退してもう何年もあの戦いの場から離れて過ごす内に、この感覚のことをすっかり忘れてしまっていたみたい。

    それをやっと今日、思い出した。
    あの頃の殺意と情熱を。

    だから失った時を取り戻すように、僕は繰り返す。

    殺す。
    殺す。
    殺す。

    これは宣戦布告であり、所信表明であり、祈りであり、子守唄である。

    素敵なおまじないのおかげで今夜はよく眠れそうだ。

    おやすみなさい。

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