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酒と仕事と大体オカメ

    馴れ合って13年

    オカメインコと暮らし始めて13年。
    2度目の離婚をしたのは、オカメがちょうど
    1歳になった頃のことでした。

    この頃すでに夫婦の仲は、ピンと弾けば簡単に切れてしまいそうな、カラッカラに乾燥した、もろく細い、灰色の糸でかろうじて繋がっていたように思います。
    そんなところにやって来た、自由気ままな奔放天使。
    なんだかどんよりしていた毎日が、嘘のように明るくなったのを覚えています。

    オカメインコは口笛をマネするのが得意と知って、ミッキーマウスマーチや笑点、ドッキリのタッタラ~など、毎日毎日聞かせていました。

    初めて口笛を真似してくれた時は「ママって言った?ママって言ったよね!」みたいな感覚と、「クララが立ったー」みたいな感動を、子供もクララもいない私に与えてくれました。

    若い頃は覚えが早い。
    「行ってきます」と言ったら「行ってきます」と答えてくれる。
    テレビで流れるオーケストラも真似するし、タッタラ~も覚えた。
    笑点だって危ういけれど、それっぽく歌えるようになりました。
    当時のTwitterの通知音なんて完コピで、何度だまされスマホを開いて見たことか。
    とにかく一時、楽しく幸せな時間を過ごさせてくれました。

    天使のおかげで持ちこたえていた糸は、間もなくプツリと切れてしまった。

    離婚の話が具体的に持ち上がり、私たちが
    「もうほんまに無理やね」と今後のことを話していると、
    鳥カゴの中から「タッタラ〜♪」

    ウソみたいなホントの話。
    離婚話の最中さえも、明るい笑いに変えてくれました。

    笑いは起きてもドッキリではないので離婚はします。

    私がオカメと家を出て、現在の家に越してきました。

    そんなこんなで始まった、私とオカメの共同生活。

    今やオカメは13歳。
    人間でいう還暦間近のおじさんです。

    そのおじさんは私にとって大切な、唯一無二の存在なのです。

    あなたがいて私がいる。
    あなたのために生きる幸せ。
    あなたもきっと100%そうだね。



    お酒は飲んだら呑まれます

    お酒は飲みます。毎日飲みます。
    強いわけではありません。
    飲まないとやってられないというわけでもない。
    だけど仕事終わりにまず飲むビールは、この世の何より一番おいしい。
    いや、休みの日、朝から飲むビールも格別です。
    いやいや、心許せる友人と、飲めるお酒もたまらない。

    そう。お酒は大体いつ、どこで飲んでもおいしいものです。

    飲みに出かけては呑まれて帰る。
    そんな頃もありました。
    過去の話。若かった頃。コロナ禍前。若くはないか。

    外で飲むとついつい楽しくはしゃいで飲み過ぎるんです。
    結果記憶がなくなっている。
    思い出そうにも思い出せない。
    記憶がないほど恐ろしいことはない。
    何かやらかしたという妙な自信。
    怖い。
    一緒に飲んだ誰かに聞くのもだいぶ怖い。
    でも気になる。

    恐る恐る聞いてみる。
    「大丈夫やったで〜」
    それだけ?
    本当に?
    絶対?
    そんなはずはない。
    なぜなら私の腰のあたりには、強い痛みと大きな濃いめのアザがある。
    もうちょっとだけ聞いてみる。
    「楽しそうに踊ってた」
    踊る?なぜ?沖縄?
    それ以上は聞くのをやめる。
    どうせ踊って転んで腰を強く打ったのだろう。
    それでもきっと私はケラケラと笑っていたのだろう。
    想像がつく。

    翌日に動画を送られ、転がってケラケラ笑っている自分を見て、顔が真っ赤になったことがある。

    翌日といえば、知らない人からLINEが入ることもよくあった。
    一緒に楽しく飲んだのだろう。
    なんで?沖縄?
    記憶にない人たち。
    「なんかすみませんでしたー。えへ。」と返してそっと消す。

    お酒は飲んでも吞まれるな。
    もしも呑まれてしまったら、
    どうか無かったことにしてください。

    今はもっぱら家で飲みます。
    オカメを見ながら癒し飲み。
    安心なのですぐ寝ます。

    そして気づけば2時間寝落ち。

    起きたら酷いことになってます。
    足の爪はガッタガタ。
    まつ毛は噛みちぎられて、おかしな顔になっている。

    だけどここにあるのは無償の愛。

    あなただから許せます。
    いつも愛してくれてありがとう。
    短髪まつ毛は2人の愛の証だね。


    仕事の価値観

    仕事観は若かった頃と比べると、すっかり随分180度変わりました。
    新卒で仕事を始めた頃は、なんてったってやり甲斐重視。
    残業上等。
    バリバリ働く女性に憧れていた。

    一度目の結婚をしてからは、好きな事や面白そうなど、
    興味重視に変わってた。
    写真や植物、好きなもの。
    パートは楽しく学べる有意義な時間になりました。

    今はというと、できる事なら働きたくない。
    定時ピッタリ帰りたい。
    職場は極力ゆるめがいい。
    そしてオカメとゆったり過ごす、時間が多めに取れたらいい。

    こんなんだから、家を出るなり「帰りたい」と思ってしまう。
    いや、ドアを開けるなり、いや本当は起きた瞬間「帰りたい」。

    かといって仕事が嫌いなわけではない。
    人との縁もありますし、
    成果が出ればやっぱり嬉しい。

    それでもオカメが一人で待っていると思うと、どうしてもすぐに帰りたい。

    家に帰れば癒しの天使が羽を広げて私をいつも迎えてくれる。
    それだけで幸せなのです。

    あなたがいればそれで十分。
    だからいつも帰りたい。
    お金はいるから帰りません。


    2人で過ごす幸せの時間

    料理をしてても、掃除をしてても
    私の肩にはいつもオカメが乗っている。

    毎朝ご飯を食べて、化粧をする。
    そばにはオカメがいてくれるのです。

    毎朝同じルーティンなので、オカメが前を行くこともよくあります。
    分かってくれてるんやねと、キュンとなる50歳。

    2度目の離婚をしてからは、もう結婚はしないと決めました。
    オカメと2人で生きていくことを、天と心と親に誓った。

    自分のことは自分でできる。
    身の回りのことはもちろん、力仕事だって。
    欲しいものを諦めることも、身の丈をわきまえることもできるようになった。
    時に心が折れたって、自分で立て直せるようになったと思う。
    若い頃より強くなった。

    それでもどうしてもつらく苦しい夜もある。
    そんな時はオカメにこう話すのです。
    「いつもいてくれてありがとう。まだまだずっと一緒にいてね。」

    ピョコピョコと揺れるトサカ、
    ポワンと真っ赤なほっぺ、そして
    ツルンとした無垢な黒い目を持つこの鳥に、
    何度救われてきたことだろう。

    私の毎日は、酒と仕事と大体いつもオカメのことでいっぱいです。

    色々あった人生だけど、幸せだった?
    と聞かれたら「幸せだよ」と答えます。
    いつも、あなたがそばにいてくれるから。

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    シアワセダネ









     
     
    2度の離婚を経て今は独身。 ひとりでいる不安もあるけど、案外毎日笑ってオカメインコと暮らしてます。 心と体のゆらぎを、お茶するみたいに書いてます。 読んでくださる方の、小さな休憩所になれたらとても嬉しいです。

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