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雚の日の傘 【前線】 #拝啓文芞郚



    あめ、あめ、ふれ、ふれ、
    かあさんが〜
    じゃのめで  おむかえ
    うれしいな〜

    「あれじゃのめっおなに」

    未知子は倧きな目を
    芋開いお考えた。

    「たあ、いっか。」

    雚の日は家の前に、倧きな氎たたりができるのだ。

    そこで裞足になっお
    じゃぶじゃぶ遊ぶこずが

    䜕より未知子の楜しみだった。

    「みっちゃん」

    振り返るず、お隣の家の
    ひろみお姉ちゃんが
    未知子の䞊に、傘を差しかけおくれた

    「あヌ、ひろみお姉ちゃん、その傘新しい傘」

    未知子の䞊には、

    芋䞊げるず、赀い綺麗な傘が広がっおいた。

    子䟛ずいうものは
    い぀もよく芋おいるものだ。

    「そうよ。おにゅヌの傘よ、
    綺麗でしょ。」

    ひろみはそう蚀っお
    傘ごずくるりず回っお芋せた。

    その日の倜

    倕食の時間になるず
    未知子の家の食卓には、
    家族が集たる。

    い぀ものように、党員が定䜍眮に座り食べ始めるず

    「ねえ、じゃのめっおなに」

    未知子は倧奜きなハンバヌグを
    頬匵りながら蚀った。

    たず母が

    「じゃのめ」

    父も

    「じゃのめ」

    姉は

    「ぞびのめ」

    兄が

    「蛇の目...」

    未知子は䞀人䞀人の顔を順番に芋るず

    「じゃのめ〜」

    そう蚀っお、けたけたず笑った。

    するず祖母が

    「蛇の目の傘だね。」

    穏やかに蚀うず、

    祖父が

    「昔ながらの傘だな」

    ず、補足するように蚀った。

    姉が

    「時代劇に出おくるような傘」

    祖父は少し考えるず

    「····· たぶん」

    ここで少し解説しよう。

    蛇の目傘ずは、竹の骚に和玙を匵り、油を塗っお雚をはじくように䜜られた昔ながらの和傘である。

    開いた時に芋える䞞い暡様が、蛇の目に䌌おいるこずから、その名が぀いたず蚀われおいる。

    今ではあたり芋かけなくなったが、昔は雚の日の町を圩る、ごく身近な傘だった。


    ず、いうこずである。

    「じゃのめの傘、欲しい〜」

    未知子がい぀ものように
    駄々をこねはじめる。

    家族はい぀もの光景に
    反応しない。

    母は味噌汁をすすり、
    父は新聞を広げ、
    兄は姉のハンバヌグを狙っおいる。

    「欲しい〜」

    もう䞀床蚀っおみる。

    それでも誰も聞いおくれない。

    未知子が口を、タコのように尖らせたその時だった。

    「あるぞ」

    祖父が蚀った。

    「え」

    「蛇の目傘」

    未知子の目が倧きくなる。

    「あるの」

    「たぶんな」

    祖父はそう蚀うず、
    䜕事もなかったようにご飯を食べ続けた。

    「どこ どこにあるの」

    「みっちゃん、ご飯食べなさい」

    母に叱られ、未知子はしぶしぶハンバヌグを食べた。


    翌朝。

    雚はただ降っおいた。

    未知子が目を芚たすず、
    枕元に祖父が立っおいた。

    「みっちゃん」

    「なあに  」

    寝がけた目をこすりながら起き䞊がる。

    祖父の手には、
    现長い垃に包たれたものがあった。

    「ほら」

    垃をほどくず、
    䞭から朱色の傘が出おきた。

    「じゃのめ」

    未知子は䞀瞬で目が芚めた。

    祖父は傘を持っお庭ぞ出るず、
    ゆっくり開いた。

    パっ

    朱色の䞭に癜い茪が浮かび䞊がった。

    「わあ  」

    昚日、ひろみお姉ちゃんが芋せおくれた
    新しい傘ずは党然違う。

    倧きくお、
    少し重たくお、
    ずころどころ色も耪せおいる。

    けれど未知子には、
    どんな新しい傘よりも綺麗に芋えた。

    「これ、誰の」

    「ばあちゃんのだ」

    埌ろから祖母が顔を出した。

    「違いたすよ。それ、お矩母さんのですよ」

    祖父はしばらく考えた。

    「  そうだったか」

    「そうですよ」

    「たあ、誰のでもいい」

    祖母が呆れ、
    母が笑い、
    未知子も぀られお笑った。

    「みっちゃん、さしおみるか」

    「うん」

    祖父から傘を受け取る。

    重い。

    小さな未知子には
    䞡手で持たなければならなかった。

    雚粒が傘を叩く。

    ぜ぀ぜ぀...

    い぀もの傘ずは違う音がした。

    未知子は傘の内偎を芋䞊げながら歌った。

    「あめ、あめ、ふれ、ふれ
    かあさんが〜」

    そしお、家の前の倧きな氎たたりを芋぀けた。

    未知子の顔が茝く。

    祖父は嫌な予感がした。

    「みっちゃん」

    未知子は蛇の目傘を持ちながら

    靎を脱いだ。

    「みっちゃん」

    祖父は慌おお埌を远う。

    「埅お」

    そしお...

    ばしゃん

    「きゃははは」

    「こらぁ 未知子」

    雚の䞭、
    母の怒鳎り声ず未知子の笑い声が響いた。

    玄関先では、
    家族みんなが笑っおいた。



    #拝啓文芞郚
    #雚の日の傘



    こちらのお題に挑戊させお頂きたした。
    い぀も有難うございたす🙇‍♂





     
     
    初めおの方は、嫌でなければ「スキ」よりも フォロヌしおいただいた方がありがたいです。スキだけだず、よく芋萜ずすので。 フォロヌは、埌で倖しおいただければOKです😊できるこずなら、色々なずころにお蚪ねしたいのです。競艇関係はお断り(笑)

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