
パズルメイクゲーム「Cyclick」を作った
ゲームマーケット2026春で、運と思考のパズルメイクゲーム「Cyclick(サイクリック)」を発売します。このnoteは制作記録です。

公園でできたパズル

2026年のお正月休み。息子(7)と甥(23)と姪(16)と、近所の公園に遊びに行った。バドミントンと、縄跳びと、フリスビーと、モルックを持って。ひとりっ子の息子にとって、従兄弟たちは兄弟みたいな存在で、ありがたいことだ。
モルックで遊んだ後に、息子がモルックの棒で遊び始めた。子どもは、同じおもちゃで色々な遊びをする天才なのだ。そして……(下記参照)

そう、その場で、新しい論理パズルゲームができたのだ。すごいすごい、こんなシンプルなのに考え甲斐があって、面白い!12本を、3回入れ替えて、半分オープンするだけ、だ。面白くなって何回かやったけど、この時場所をあてられたのはたまたまだった。3回入れ替えて半分オープンだけでは全然わからないこともあった。
もっとミニマムな構成に
公園から家に帰って、トランプを広げる。もっと枚数を減らして、ミニマムな構成にできないか。考えていくうちに、12枚ではなく7枚で十分同じパズルができることがわかった。3回入れ替えなら、触るのは最大6枚だし。
それで、7枚を3回入れ替えて、4枚オープンするというルールにすると、論理的に必ず場所が絞れる時と、1箇所には絞れない時があることがわかった。ちなみに、5枚オープンして残りが2枚になると、必ず場所がわかる。

でもこの時点では、これがゲームになる!みたいな確信はなかった。実は今もないけど(笑)
数学の面白さの入り口
そんなふうにトランプで色々試していると、東大大学院数学科のM1である甥が、横で色々と考察を始めた。「3回入れ替えると、入れ替わりのパターンは4枚、5枚、6枚しかなくて……サイクリックな置換の個数が決まってくるから……あー、だから、3回入れ替えるから偶奇がきまって……」
え?なになに???なんて?????(笑)
私は、頭のいい人が、私には理解できないことを話しているというシチュエーションが好きだ(特殊な好みかも)。その相手が、赤ちゃんの頃から見ている甥なのだから、なおさら感慨深い。我が子もいつか、私には理解できないことを話し始めるのかもしれない、なんて思って胸が熱くなる。でもそこで満足しないのが私のいいところである。(??)
何を言っているのか、甥に丁寧に解説してもらう。理解する。楽しい!数学って楽しい!となる。最高の瞬間だ。実を言うと甥は、大学受験塾で数学の塾講師バイトをしている、数学を教えるプロだ。さすがすぎる。
公園でモルックを使った遊びから、ミニマムなパズルができ、こんな面白い数学への入り口になるんだ!という感動があった。これは……やっぱりゲームにして、人にもこの感動を伝えなければいけない。ちなみにこの時の説明の「サイクリック」という言葉がかっこよかったのでそれがタイトルになっている。
発見したパズルをゲームにする
この体験をゲームとして商品にするにあたり、やったことは下記の4つだ。
①ルールを作る
パズルを作って解く、という遊びなので、パズルの出題者と解答者がいて、当てられれば得点、というのはなんとなく決まっていた。初めは、一人一人が考えて、分かった人から得点(早く答えるほど得点が高い)、としていたけど、これは考えることを楽しむゲームなので、みんなで相談とかして欲しいなと思い、解答者は協力するルールにした。
細かい部分にいくつか課題があった。例えば、最初は出題者が4枚オモテにして「1」の場所を当てる、というルールにしていたけど、それだと意図的に「論理的に当てられない」パズルを作ることができてしまう。そこで、オモテにするのは回答者にして、当てるのはウラになっている中で一番小さな数、ということにして解決した。
また、最初に当てられなかった場合、ウラになっているのはあと2枚になるのだけど、実はこの状態では絶対にわかるようになっている。最初はルールに「わかるので考えてみましょう」と書くだけにしていたけど、やはり必ず考えて当てたいというモチベーションを作りたかったので、「2枚目で当てられなかったら出題者の得点」とした。

②コンポーネント設計
ゲームになるかな?と思った懸念点の一つとして、このゲーム、トランプでも遊べてしまう…ということだった。でも同人ボードゲームなんてそんなものか!ルールさえあればトランプでも遊べてしまうゲームを、わざわざパッケージとして買う体験、それをみんな楽しんでいるんだから。と思うことにした。
でも作るからにはこのゲームに最適化されたコンポーネントにしたい。机に並べてひっくり返すゲームなので、カードじゃなく、めくりやすい厚みのあるタイルにしたい。それで、萬印堂さんで選べるタイルのオプションの中から選んだ。これまで同人ゲームでタイルやチップを作ったことはなかったので、ちょっとワクワクした。

③数学的な解説
私の感動を伝えるために、これは絶対入れたかった。口頭では理解しきれなかったものも含め、東大数学科の甥に、解説文を依頼した。とはいえ、私は彼の講師としての実力を知らないので、実を言うと、もしかしたらすごく難解な文章がくるかもしれない…そしたらどう易しく書き直そうかな…と思っていた。
でも、送られてきた解説文、めちゃくちゃ分かりやすくてすごかった!!!さすが〜!!
攻略法&数学的解説の記事は、「サイクリックな置換はいくつ?」「置換の『偶奇』は決まっている。」の2本立て。読みやすい文章なのに興味深くて、数学の面白さへの旅に連れて行ってくれる。ぜひ味わってほしい!!
④パッケージ
単価を下げるため、チャック袋のパッケージを考えていた。チャック袋に説明書とタイルをつめて、それがそのまま外装になるスタイルだ。
Alibabaで、ファスナー(?)で閉めるタイプの袋を購入した。ただ、かなり不良率が高く、セット作業中の現在も不良品がかなり出てるので、もしかしたら普通のチャック袋に詰めることになるかもしれない…

またボードゲームらしくないボードゲームを作ってしまった。
トランプでも遊べるし、パズルゲームを作って解くだけのゲームだし、売れるかわからない。でも、それが同人活動の醍醐味かもしれない。
また息子にルール説明動画の声を入れてもらった。かわいい。
タイルが印刷されてきて届いてから、息子に出題したら、なんと、当てられた!!すごい!!
ちなみにゲームマーケット2026春は日曜に出展予定なのだけど、なんと、息子の運動会、土曜日が雨なら日曜日にあることがわかった。ゲムマの申込後にわかったので、もうどうしようもない…。
もしそのケースには、運動会が終わった後に幕張に移動し、15:00ごろから販売する。お客さんは残っているのだろうか…?