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地味な恋愛|会話の翻訳ー上海③ー


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    師範大学の大食堂
    バイキングの長蛇に並びながら

    本科の学生はすぐに見分けがついた。
    ひしめき合いながら
    食事もそこそこに
    英字新聞を睨んでいる一群。

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    昼休みに半裸でサッカーをしている
    イタリア人学生を眺めながら

    カップの底に溜まったタピオカを噛む。

    イタリア人はボールを蹴りながら
    女性器の北京語を叫んでいた。

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    朱さんから教わった
    バスの乗り継ぎが面倒で
    こっそりバイクタクシーで帰っていた。

    湿気の混じる砂埃。
    自転車専用の道路には電気スクーターが溢れかえっていた。

    音のないスクーターが横切る。
    野次馬の輪を通り過ぎる。

    帰るとジンジンが学校をサボっていて
    別棟のマンションに僕を引っ張る。

    悪友とのトランプゲームの輪に混ざる。

    勝ち分を帽子に溜め込み
    羊肉串の店を連れ回された。

    肌身離さないコーラのボトル。

    ジンジンはペプシ(百事)しか
    認めていなかった。

    呟くように「ワォ」
    と答える。

    眉をひそめるか
    そうでないか。

    ジンジンの温度は変わらない。
    抑揚のない会話。

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    教室では、
    カラスと狐のイソップ寓話を
    中国語でなぞっていた。

    クラスは日増しに賑やかになり
    いつもの顔がいつもの場所にいる。

    学校が終わると
    僕はインインの家に向かった。

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    変わりつつある市内の一角。
    古い民家や低層のアパートが
    ひしめき合う。

    付近の民家は取り壊しが進み
    半壊と整地された一角が混在して
    妙な気持ち悪さを覚えた。

    瓦礫があちこちに積もり
    むせるほどの粉が舞う中

    一階の鉄格子の先、
    インインが扉を開けるのを待った。

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    彼女の部屋で勉強を始めると
    母のセンスーはすぐに
    気配を消して
    帰るまで出てこなかった。

    僕は彼女に
    好きな中国語の曲を教えてもらい、
    歌詞を覚えることにした。

    歌詞を書く。
    彼女の説明する
    歌詞の意味に耳を傾ける。

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    リーハイ(凄い)

    高音で冷ややか。

    気づけばいくつもの楽曲を
    一緒になぞっていた。

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    老鼠愛大米
    我們的故事
    唯一

    一曲を持ち帰っては
    家で復習し、披露する。

    歌えるようになると
    カラオケにも行った。

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    インインに単語を放つと
    前後に簡単な言葉をそっと忍ばせて
    文章として僕に繰り返させた。

    上海に来て2ヶ月。



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