
【硝子の味方】連載予告 ― 湾岸の夜景と、奪われた勲章 ―
「社長賞を手にした夜、私は組織という名の巨大な怪物に、その未来を捧げられた。」
これは、奪われた言葉を取り戻すための、静かな聖戦の記録。
【あらすじ】
湾岸にそびえるガラスの城。 全面の窓に広がる夜景は、宝石をちりばめたように美しく、成功者の特権だと信じて疑わなかった。 日系大手の広報リーダーとして、誰よりも会社を愛し、誰よりも「人の味方」であることを誇りにしてきた栞(しおり)。
けれど、栄光の絶頂で待っていたのは、賞賛ではなく、仕組まれた「転落」だった。 信頼していた師に背中を突かれ、孤独の穴に落とされた彼女。
「ようこそ、硝子の城の外側へ」
絶望の淵でその手を掴んだのは、冷たい林檎を剥くような静かな孤独を纏った、一人の弁護士だった。 手にあるのは、声を失った女性から託された、一本の青い万年筆。
これは、すべてを奪われた一人の女性が、自らの「言葉」と「知略」を武器に、自分を取り戻すまでの聖戦。 嘘に塗り固められた組織の壁を、二人の孤独が静かに、そして苛烈に穿(うが)っていく。
【主要人物】
一ノ瀬 栞(Shiori Ichinose): 社長賞を剥奪された元エース広報。裏切りによって全てを失うが、朝比奈茜の「蒼い万年筆」を胸に、孤独な戦いを開始する。
佐伯 和也(Kazuya Saeki): 過去の罪を背負う弁護士。ある事件で真実を葬った「折れた芯」を抱え、栞と共に壊れた世界の修復に挑む。
朝比奈 茜(Akane Asahina): 四年前の事件で声を奪われた女性。彼女が遺した「青いインク」の記憶が、止まった時間を動かし始める。
河野 美鈴(Misuzu Kono): 栞の失脚によって、その後任に据えられた後輩。手に入れた「宝石の檻」の中で、組織の嘘と恩人への思いの狭間に揺れ動く。
門脇 正悟(Shogo Kadowaki): 栞の師であり、彼女を奈落へ突き落とした広報部長。引き出しの奥に「良心の死体」を隠し、保身の檻に囚われている。
徳田 義彦(Yoshihiko Tokuda): 組織を盤面として操る常務取締役。感情をバグと切り捨てる、冷徹な「硝子の城」の支配者。
【著者より】
はじめまして、一綾(いちあ)と申します。
日常の中に潜む、言葉にならない感情の「綾」を物語にしています。
普段は分析や論理の世界に身を置いていますが、この場所では、数字では割り切れない「心の機微」を大切に編み上げていきたいと考えています。
この『硝子の味方』は、私が執筆しながら何度も涙を流し、魂を削るようにして書き進めている物語です。
理不尽な社会で「自分の味方はどこにもいない」と感じている、
すべての孤独な魂へ届くことを願っています。
硝子の檻の向こう側にいるあなたへ。
孤独を温める、蒼いインクの物語を捧げます。
一綾
今夜のBGM
この物語を包み込む、残酷なまでに美しい星夜の旋律を。 蒼いインクが滲むように、静かな夜景とともに耳を澄ませて。
Vincent (Starry Starry Night) / Don McLean
Starry, starry night Paint your palette blue and gray (星降る夜、あなたのパレットを青と灰色に染めて)
※YouTubeのフリー音源を使用しています。クリックしてお楽しみください
この物語が、あなたの夜に一滴の蒼を添えられたでしょうか。もし、心のどこかが微かに震えたなら、その共鳴を『スキ』という形で預けていただけたら嬉しいです。それは、私たちが繋がっている唯一の証になるから。
記録の集積地
物語の全容、および設定資料は以下の目録にアーカイブされています。