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ゲームに出てくるアイテムを、薬剤師が考えてみた#11「こおりなおし」

    何日か前に関東にも雪が積もったりと、寒さが目立つ時期ですよね。
    今回の題材は、そんな時期にぴったり?なこのアイテムで行きます。

    ゲームの世界では、
    氷漬けにされても「こおりなおし」を使えば一瞬で復活。

    便利。
    即効性ありすぎ。
    そして、現実世界の薬剤師から見ると――
    **「それ、ちょっと万能すぎない?」**と思ってしまうアイテムでもあります。

    今回はそんな「こおりなおし」を、
    薬剤師の視点で本気で考えてみます。


    ■ そもそも「こおり状態」って何?

    ゲームにおける「こおり状態」は、

    • 完全に動けない

    • 行動不能

    • 放置すると不利になる

    という、かなり凶悪な状態異常。

    見た目は「凍ってる」けど、
    実際に現実に置き換えるとどうでしょう?


    ■ 現実で考えると「凍っている状態」は1種類じゃない

    薬剤師目線で分解すると、
    「こおり状態」に相当しそうなものは実は複数あります。

    ・低体温症

    体温が下がり、意識障害・動作低下が起こる状態。

    ・寒冷による末梢血流低下

    手足がかじかみ、動きにくくなる。

    ・冷却による一時的な感覚麻痺

    感覚が鈍くなり、力が入りにくい。

    どれも共通点はありますが、
    原因も対処法もまったく違うんです。


    ■ じゃあ「こおりなおし」は何をしている薬?

    ゲームでは一瞬で治りますが、
    現実でそんな薬があったら正直こう思います。

    「それ、薬だけでどうにかなる話じゃない」

    低体温症なら、

    • 保温

    • 環境調整

    • 場合によっては医療介入

    が必要で、
    飲み薬や塗り薬で即回復、はありえません。


    ■ もし薬剤師が「こおりなおし」を作るなら?

    それでも無理やり現実寄りに考えるなら、
    こんなコンセプトになります。

    ✔ 直接“凍り”を治す薬ではない

    ✔ 「回復を助けるサポート役」

    具体的には、

    • 血流改善をサポートする成分

    • 代謝を落とさないための栄養補助

    • 温感を促す外用剤(貼付剤など)

    =主役は環境調整、薬は補助

    これが現実的な落としどころです。


    ■ 「すぐ効く」ものほど注意が必要

    ゲームだと
    「すぐ治る=正義」ですが、
    現実の医療では違います。

    急激に体を温めると、

    • 体への負担

    • 逆に症状悪化

    につながることもあります。

    だからこそ薬剤師は、

    「何が原因か」
    「どの段階か」

    をめちゃくちゃ気にします。


    ■ こおりなおしが教えてくれること

    このアイテムから見える教訓はこれ。

    状態異常は“名前”じゃなく“中身”を見るべき

    眠気も、麻痺も、凍結も、
    一見同じように見えて原因はバラバラ。

    だから現実では
    万能な1本より、正しい判断が一番の回復アイテムです。


    ■ まとめ

    • 「こおりなおし」はゲームだから成立する万能薬

    • 現実では原因ごとに対処が全く違う

    • 薬は魔法ではなく、回復の“補助役”

    • 強そう=正解、ではない

    このシリーズもここまで来ましたが、
    改めて思うのは、

    ゲームのアイテムは、現実の医療を考える入口としてめちゃくちゃ優秀ということ。

    「こおりなおし」が現実にあって、仮に身体を暖めるものだった場合は、
    この時期の朝、ベットから起き上がる時の需要がすごーく高そうですよね。
    私なら常用します😊

     
     
     
    🔬薬局薬剤師|🏅スポーツファーマシスト|🌿漢方・生薬認定薬剤師 『薬剤師の悪ふざけ』で「ゲーム世界健康診断」連載中。ゲーム×薬学で、笑って少し健康になれる記事を書いています。 たまに現実の時事も。同業の方も、そうでない方も、気軽にどうぞ。

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