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Photo bytomekantyou1

私の人生、水に浸かったことなどない

    いい気分だった。

    わたしは心地よい風に吹かれながら青空を見上げていた。

    すずめが空を行き交い、
    蝶がひらひらと彩るその景色の中。

    突然、腹から一刀両断されたのだ。

    不思議と痛みは感じなかった。

    しかし最悪の気分になったのは間違いない。

    その後、ビニール袋に詰められ、
    蒸し返った車に押し込められた。

    行き先など知らない。

    渇く喉とは裏腹に、
    ビニール袋の中はサウナ状態。

    当然、体は衰弱していく。

    薄れゆく意識の中、
    今度は水につけられた。

    水!?

    私の人生、
    水に浸かったことなどない。

    私は水など少量で十分だと思っていた。

    だが、まるで風呂のように水につけられているうちに、
    不覚にも

    「これはこれで悪くない」

    と思い始めていた。

    何より新しい家は広かった。

    足も伸ばせるし、
    つま先まで見える。

    自分の体をこんなにしっかり見たのは初めてだ。

    いつもは土の中。

    胸から下など見たこともなかったから。

    だが、
    いつまでここにいるのだろう。

    また土に戻れる日は来るのだろうか。

    そんなことを考えていると、

    向こうから声が聞こえてきた。

    「ママ、また観葉植物増やしたの〜?」

    「違うわよ」

    彼女は少し得意げに答えた。

    「さつまいもなの!」

    私は衝撃を受けた。

    そうか。

    私は観葉植物ではなかったのか。

     
     

    yumika

     
     
    自分が何者かはまだわからない。でも、愛と言葉の探求を通して、私が私らしく、あなたがあなたらしく生き生きと在ることを応援したい人。刺繍とハンドメイドと、書くことが好き。書いて書いて書いていったら、何か見えてくると思っている。

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