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日本で解雇できないのはなぜ?無能な正社員をクビにできないのはおかしい!

    日本では「無能な正社員をクビにできない」という声が、経営者だけでなく真面目に働く社員からも上がっています。

    実際、日本の労働法制は正社員の解雇を極めて難しくしており、能力不足や勤務態度に問題がある社員であっても、簡単には解雇できない仕組みになっています。

    とんでもないホラーだけどこれは笑い事ではない。こういう人は社会に実在する。パワハラを肯定などしないが、仕事できない人をサクッとクビにできない法律が様々な不幸を生みだしている要因になっていると言わざるを得ない。

    新人にパワハラしていた先輩を通報した結果 https://t.co/gFEt66ZZoU

    — 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) August 31, 2023

    ちゃんと仕事しない人に対しても優しすぎるからその分のしわ寄せが他の人にもきちゃうんですよね。クビにしやすくするというとサラリーマンは反発する人多いけど、クビにできないということは、ダメな人のしわ寄せを知らないうちに理不尽に自分が受けているということでもあるんですよ。 https://t.co/xalQyFFa8c

    — 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) December 19, 2019

    この状況は明らかに不合理です。

    グローバル化が進み、企業間競争が激化する現代において、日本だけが「一度雇ったら定年まで雇い続けなければならない」という前時代的な制度を維持しているのは、国際競争力を著しく損なう要因となっています。

    本記事では、なぜ日本で解雇が難しいのか、その歴史的背景と現状の問題点、そして今後あるべき雇用制度の姿について、初心者にもわかりやすく解説していきます。


    なぜ日本では正社員を解雇できないのか?

    法律による厳格な解雇規制

    日本で正社員の解雇が難しい最大の理由は、労働関係法令による厳格な規制にあります。具体的には以下のような法的制約が存在します。

    労働契約法第16条による解雇権濫用の禁止

    労働契約法第16条は、解雇について「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定めています。この条文により、企業は単に「能力不足」「態度が悪い」というだけでは社員を解雇できません。

    この規定は、裁判所の判例によって形成されてきた「解雇権濫用法理」を明文化したものです。つまり、法律が制定される以前から、日本の裁判所は一貫して労働者保護の立場を取り、企業による解雇を厳しく制限してきたのです。

    労働基準法による解雇予告義務

    労働基準法第20条では、企業が労働者を解雇する際には、少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないと定めています。この規定により、企業は「今日限りでクビ」という即時解雇ができません。

    さらに、業務上の疾病や怪我で療養している期間およびその後30日間、産前産後の休業期間およびその後30日間については、解雇そのものが原則として禁止されています。これらの期間中に解雇を強行した場合、その解雇は無効となり、企業は損害賠償責任を負う可能性があります。

    男女雇用機会均等法や育児・介護休業法による保護

    女性労働者については、妊娠・出産・産前産後休業の取得を理由とする解雇が男女雇用機会均等法によって明確に禁止されています。また、育児休業や介護休業を取得したことを理由とする解雇も、育児・介護休業法によって禁止されています。

    これらの法律は、女性の社会進出を支援し、仕事と家庭の両立を可能にするという重要な目的を持っています。しかし同時に、企業側から見れば「さらに解雇が難しくなる要因」として機能していることも事実です。

    就業規則への明記義務

    企業が社員を解雇するためには、就業規則に解雇事由を明確に記載しておく必要があります。就業規則に記載のない理由での解雇は、労働契約法第16条違反として無効と判断される可能性が高くなります。

    ただし、就業規則に「能力不足」「勤務態度不良」といった解雇事由を記載していても、それだけでは不十分です。実際に解雇が有効と認められるためには、具体的な証拠の積み重ねや、改善指導の実施、配置転換の検討など、企業側の丁寧な対応が求められます。

    整理解雇の4要件という高いハードル

    経営不振を理由とする人員削減(整理解雇・リストラ)については、さらに厳格な基準が適用されます。判例によって確立された「整理解雇の4要件(または4要素)」と呼ばれる基準です。

    第一要件:人員削減の必要性

    企業が倒産の危機に瀕しているなど、客観的に見て人員削減がやむを得ない状況であることが必要です。単に「業績が少し悪化した」「利益率を改善したい」という程度では、この要件を満たしません。

    第二要件:解雇回避努力義務の履行

    解雇以外の方法(役員報酬の削減、新規採用の停止、残業規制、希望退職の募集、配置転換など)によって人員削減を回避する努力を尽くしたことが必要です。これらの努力を怠って、いきなり解雇に踏み切ることは認められません。

    第三要件:被解雇者選定の合理性

    誰を解雇対象とするかについて、合理的で公平な基準を設定し、それに基づいて選定したことが必要です。恣意的な選定や、組合活動家を狙い撃ちするような選定は無効とされます。

    第四要件:手続の妥当性

    労働組合や労働者に対して、事前に十分な説明を行い、誠意をもって協議したことが必要です。一方的な通告による解雇は、手続の妥当性を欠くとして無効と判断される可能性があります。

    これら4つの要件すべてを満たさなければ、整理解雇は無効となります。この基準の厳格さが、日本企業が「正社員は解雇できない」と感じる大きな理由となっています。

    終身雇用という日本独自の雇用慣行

    日本の解雇規制を理解するには、「終身雇用」という独特の雇用慣行の歴史を知る必要があります。

    終身雇用とは、労働者が新卒で企業に入社してから定年退職するまで、同じ企業で働き続けることを前提とした雇用システムです。この制度は、年功序列賃金(勤続年数に応じて給与が上がる仕組み)や企業別労働組合と並んで、日本的経営の「三種の神器」と呼ばれてきました。

    終身雇用の起源

    一般的には、終身雇用は日本の伝統的な雇用慣行だと思われがちですが、実はそうではありません。終身雇用が広く定着したのは、第二次世界大戦後の高度経済成長期(1950年代~1970年代)のことです。

    戦前の日本では、むしろ労働移動が活発でした。しかし戦時体制下で労働力の統制が強化され、戦後の労働運動の高まりの中で、企業は優秀な人材の流出を防ぐために長期雇用を保障するようになりました。高度経済成長期には、企業が継続的に成長し続けることが見込まれたため、長期雇用を前提とした人材育成が合理的だったのです。

    終身雇用のメリット

    終身雇用には確かにメリットもありました。企業は長期的な視点で社員を育成でき、社員も安心して技能を磨くことができます。また、企業への忠誠心が高まり、組織の一体感が生まれやすいという効果もありました。

    高度経済成長期には、この制度が日本企業の競争力の源泉となり、「Japan as Number One」と称賛される時代もありました。

    終身雇用の限界

    しかし、1990年代のバブル崩壊以降、日本経済は長期停滞に陥ります。企業の成長が止まり、グローバル競争が激化する中で、終身雇用の維持が困難になってきました。それでも法制度と雇用慣行の硬直性により、正社員の解雇は依然として難しいままです。

    この結果、企業は正社員採用を抑制し、代わりに派遣社員や契約社員といった非正規雇用を増やすという対応を取りました。これが現在の「雇用の二極化」問題につながっています。

    訴訟リスクへの企業の恐れ

    日本で解雇が難しいもう一つの重要な理由は、解雇を巡る訴訟リスクの高さです。

    労働者が解雇を不当だと考えた場合、労働審判や裁判を起こすことができます。日本の裁判所は伝統的に労働者保護の立場を取っており、企業側が敗訴するケースが少なくありません。

    敗訴した場合、企業は解雇を撤回して労働者を職場に復帰させなければならないだけでなく、解雇期間中の賃金(バックペイ)を支払う必要があります。また、和解金や慰謝料の支払いを命じられることもあります。

    さらに、訴訟対応には弁護士費用や人事担当者の時間コストがかかります。仮に企業が勝訴したとしても、これらのコストは企業にとって大きな負担となります。

    このような訴訟リスクとコストを考えると、企業は「怪しい解雇は避けよう」という慎重な姿勢になります。その結果、本来は解雇すべき問題社員であっても、「訴訟リスクを避けるために雇い続ける」という判断をしてしまうのです。

    労働組合の影響力

    日本の労働組合は、欧米のような産業別組合ではなく、企業別組合が主流です。企業別組合は、その企業の正社員のみを組合員とし、企業の枠を超えた連帯は弱いという特徴があります。

    企業別組合は、賃上げよりも雇用の安定を重視する傾向があります。このため、組合は解雇に対して強く反対し、企業側も組合との関係悪化を避けるために、解雇を控える傾向があります。

    大企業では、解雇を実施する前に労働組合と十分な協議を行うことが慣行となっており、組合の同意なしに解雇を強行することは事実上困難です。


    「解雇規制」という巨悪がもたらす深刻な問題

    優秀な人材が報われない不公平

    解雇規制の弊害として最も深刻なのは、「頑張っても頑張らなくても同じ」という不公平感が職場に蔓延することです。

    能力が高く、業績に貢献している社員がいる一方で、最低限の仕事すらしない、あるいはミスばかりで周囲に迷惑をかける社員がいたとします。しかし解雇規制があるため、企業は後者の問題社員を簡単には解雇できません。

    結果として、優秀な社員は「自分が頑張っても、あの人と給料がほとんど変わらない」と感じるようになります。このような不公平感は、優秀な社員のモチベーションを著しく低下させます。

    さらに深刻なのは、優秀な人材が「この会社にいても報われない」と判断し、より成果主義的な評価制度を持つ外資系企業や海外企業に転職してしまうことです。日本企業は、本来引き留めるべき優秀層を失い、解雇できない問題社員だけが残るという悪循環に陥ります。

    企業の生産性と競争力の低下

    OECD(経済協力開発機構)のデータによれば、日本の労働生産性は先進国の中で最低水準にあります。2023年のデータでは、日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟38カ国中30位という低さです。

    この低生産性の一因が、解雇規制による人材配置の硬直性にあることは間違いありません。能力不足の社員を解雇できないため、その社員に適した仕事を探して配置転換せざるを得ず、結果として非効率な人員配置が固定化されます。

    また、新しい事業分野に進出する際にも、既存社員の雇用を維持しなければならないため、その分野に適した人材を外部から採用することが難しくなります。この柔軟性の欠如が、企業の革新性や競争力を損なっています。

    グローバル企業は、常に最適な人材配置を実現するために、採用と解雇を柔軟に行っています。能力に応じて昇進・昇給があり、成果を出せなければ降格や解雇もある。このようなメリハリのある人事制度が、企業の競争力を支えているのです。

    日本企業が国際市場で苦戦している背景には、このような人材マネジメントの硬直性があります。

    正社員採用の抑制と雇用の二極化

    「一度雇ったら解雇できない」という制約があるため、企業は正社員採用に極めて慎重になります。特に景気の先行きが不透明な場合、企業は正社員採用を控え、派遣社員や契約社員といった非正規雇用で対応しようとします。

    厚生労働省の労働力調査によれば、非正規雇用労働者の割合は1990年代以降、一貫して増加し続けています。2023年時点で、雇用者全体の約37%が非正規雇用という状況です。

    この雇用の二極化は、若年層に特に深刻な影響を及ぼしています。新卒一括採用のタイミングを逃した若者や、就職氷河期に社会に出た世代は、正社員になる機会を得られず、非正規雇用を転々とする「不安定な人生」を余儀なくされています。

    皮肉なことに、「労働者を守るため」の解雇規制が、結果的に多くの労働者を不安定な雇用に追いやっているのです。これは明らかに本末転倒です。

    「追い出し部屋」という陰湿な手法

    解雇規制が厳しいため、企業は問題社員を直接解雇する代わりに、自主退職に追い込む陰湿な手法を使うことがあります。その代表例が「追い出し部屋」です。

    追い出し部屋とは、企業が退職させたい社員を集めて、何の意味もない単純作業や、誰も読まない報告書の作成などをさせる部署のことです。こうした部署に配属された社員は、やりがいのない仕事に従事させられ、同僚からも孤立し、精神的に追い詰められて自ら退職していきます。

    2010年代には、大手電機メーカーや金融機関で追い出し部屋の存在が社会問題となりました。法律上は解雇できないため、このような陰湿な手法で事実上の解雇を実現しようとするのです。

    また、一部の企業では、退職勧奨と称して上司が執拗に退職を迫ったり、不当な人事評価によって給与を大幅に引き下げたりする例も報告されています。

    このような手法は、社員の尊厳を傷つけ、時にはうつ病などの精神疾患や自殺にまで追い込む深刻な問題です。もし適切な解雇ルールが整備されていれば、このような陰湿な手法は必要なくなるはずです。

    若手社員の海外流出

    近年、優秀な若手社員が日本企業を見限り、外資系企業や海外企業に転職する動きが加速しています。

    日本企業の年功序列賃金では、若手のうちは能力に関わらず低賃金に抑えられ、中高年になってから回収する仕組みになっています。しかし、終身雇用が崩壊しつつある現代では、この「将来の高賃金」が保証されなくなっています。

    一方、外資系企業や海外企業は、年齢に関係なく能力と成果に応じた報酬を支払います。優秀な若手にとっては、こちらの方がはるかに魅力的です。

    さらに、日本企業特有の非効率な働き方(無意味な会議、形式的な報告書作成、長時間労働など)に嫌気がさし、より効率的で合理的な環境を求めて海外に出る若者も増えています。

    このような人材流出は、日本経済全体にとって大きな損失です。優秀な人材が国内企業で活躍できない社会構造そのものを、見直す必要があります。


    日本は早急に終身雇用を廃止し、雇用流動化を実現すべき

    成果主義・能力主義への転換が急務

    日本が国際競争力を取り戻すためには、「年功序列・終身雇用」から「成果主義・能力主義」への大胆な転換が不可欠です。

    成果主義とは、年齢や勤続年数ではなく、実際の業績や成果によって評価・報酬を決定する制度です。能力主義とは、その人が持つスキルや専門性に応じて処遇を決定する制度です。

    これらの制度を導入することで、以下のような効果が期待できます。

    〇適材適所の人材配置

    解雇規制を緩和し、能力に応じた採用・配置転換・解雇が可能になれば、企業は常に最適な人材を適切なポジションに配置できます。これにより、組織全体の生産性が大幅に向上します。

    〇優秀な人材のモチベーション向上

    成果を上げた社員が正当に評価され、高い報酬やポジションを得られる仕組みがあれば、社員のモチベーションは大きく向上します。また、「頑張れば報われる」という公平感が職場に生まれ、健全な競争意識が育ちます。

    〇企業の国際競争力強化

    グローバル市場で戦うためには、世界標準の人事制度が必要です。成果主義・能力主義により、日本企業も世界の優秀な人材を引きつけ、活用できるようになります。

    〇イノベーションの促進

    人材の流動性が高まることで、異なる企業や業界での経験を持つ多様な人材が集まり、新しいアイデアやイノベーションが生まれやすくなります。

    解雇規制緩和の具体的な方策

    解雇規制を緩和するためには、以下のような法改正や制度改革が必要です。

    〇金銭解決制度の導入

    欧米諸国では、不当解雇の場合でも、一定の金銭(解雇補償金)を支払うことで雇用関係を終了できる「金銭解決制度」が一般的です。日本でもこの制度を導入すれば、企業は解雇のコストを明確に予測でき、より積極的な人材マネジメントが可能になります。

    解雇の金銭解決制度については、政府の規制改革推進会議などでも議論されていますが、労働組合の反対が強く、実現には至っていません。しかし、雇用流動化のためには不可欠な改革です。

    〇整理解雇の要件緩和

    現在の整理解雇4要件は厳格すぎます。経営判断の自由度を高めるため、要件を緩和し、企業が経営状況に応じて柔軟に人員調整できるようにすべきです。

    〇解雇理由の明確化

    就業規則に記載すべき解雇理由を法律でより明確に定め、企業と労働者双方が予見可能性を持てるようにすべきです。「どのような場合に解雇されるか」が明確であれば、労働者も心構えができますし、不当解雇も減少するでしょう。

    〇試用期間の柔軟化

    現在でも試用期間(通常3~6ヶ月)中は比較的解雇が容易ですが、この期間を延長したり、柔軟化したりすることで、企業はより慎重に人材を見極めることができます。

    セーフティネットの整備も必要

    ただし、解雇規制の緩和だけでは不十分です。労働者が安心して転職やキャリアチェンジができるよう、以下のようなセーフティネットの整備も同時に進める必要があります。

    〇失業保険の充実

    解雇された労働者が次の仕事を見つけるまでの生活を支えるため、失業保険の給付水準を引き上げ、給付期間を延長することが必要です。北欧諸国のような手厚い失業保険制度があれば、労働者も安心して転職に挑戦できます。

    〇職業訓練・リスキリング支援

    産業構造の変化に対応するため、政府や企業は労働者の職業訓練やリスキリング(学び直し)を積極的に支援すべきです。AIやデジタル技術など、需要の高い分野のスキルを習得できる機会を提供することで、労働者の再就職を支援できます。

    〇転職市場の活性化

    日本では、転職は「キャリアの傷」と見なされがちですが、欧米では転職は「キャリアアップの機会」として肯定的に捉えられています。日本でも、転職に対する社会的な偏見をなくし、年齢に関係なく転職しやすい環境を整備する必要があります。

    〇同一労働同一賃金の徹底

    正社員と非正規社員の不合理な待遇格差をなくすため、同一労働同一賃金の原則を徹底すべきです。これにより、雇用形態に関わらず公平な処遇が実現され、労働市場全体の流動性が高まります。

    国際比較で見る日本の特異性

    OECD(経済協力開発機構)が各国の雇用保護法制(EPL: Employment Protection Legislation)を数値化して比較したデータがあります。このデータによれば、日本の正社員に対する解雇規制は、OECD諸国の中で確かに厳格な部類に入りますが、「最も厳しい」というわけではありません。

    むしろ注目すべきは、正社員と非正規社員の保護のギャップです。日本では、正社員は手厚く保護される一方、非正規社員はほとんど保護されていません。このギャップの大きさが、OECD諸国の中でも際立っています。

    多くの先進国では、雇用形態に関わらず労働者を一定レベルで保護しつつ、解雇についても合理的なルールを設けています。つまり、「正社員だけ過保護、非正規は無保護」という日本のような極端な二極化は珍しいのです。

    この点からも、日本の雇用制度が国際的に見て異常であり、改革が必要であることは明らかです。

    デジタル時代に求められる人材の流動性

    AI(人工知能)やデジタル技術の急速な発展により、産業構造は劇的に変化しています。今後10年で、現在存在する仕事の多くが自動化され、新しい仕事が生まれると予測されています。

    生成AI時代では、特定の企業で特定のスキルを磨き続ける終身雇用モデルは機能しません。

    労働者は、変化に応じて新しいスキルを習得し、必要に応じて業種や職種を変える「キャリアの柔軟性」が求められます。

    企業側も、デジタル人材やAI人材といった新しいスキルを持つ人材を迅速に獲得する必要があります。既存社員だけでは対応できない技術革新に対して、外部から専門人材を採用し、必要がなくなれば柔軟に人員を調整する。このようなダイナミックな人材マネジメントが、デジタル時代の競争力の源泉となります。

    終身雇用という硬直的なシステムは、このような時代の要請に全く対応できません。日本がデジタル時代に取り残されないためにも、雇用制度の抜本的改革が急務なのです。

    少子高齢化と労働力不足への対応

    日本は世界に類を見ない少子高齢化社会に突入しており、労働力人口は減少の一途をたどっています。この状況下で経済成長を維持するためには、一人当たりの労働生産性を大幅に向上させる必要があります。

    労働生産性を高めるためには、適材適所の人材配置が不可欠です。能力の高い人材を重要なポジションに配置し、能力不足の人材は別の適した仕事に配置する。このような柔軟な人材マネジメントを実現するには、雇用流動化が必要です。

    また、女性や高齢者、外国人労働者といった多様な人材を活用することも重要です。しかし現状では、正社員の既得権益を守るために、これらの人材の多くが非正規雇用に留め置かれています。

    雇用制度を改革し、雇用形態に関わらず能力に応じた処遇を実現すれば、多様な人材が活躍できる社会が実現します。これこそが、少子高齢化時代の日本に求められる人材戦略です。

    起業・イノベーションを阻害する終身雇用

    終身雇用は、起業やイノベーションを阻害する要因ともなっています。

    大企業の正社員は、安定した雇用と将来の高賃金が約束されているため、リスクを取って起業する動機が生まれにくくなります。一方、一度大企業を辞めてしまうと、再び正社員として戻ることが困難なため、失敗を恐れて挑戦を躊躇してしまいます。

    アメリカのシリコンバレーでは、転職や起業が当たり前であり、失敗してもまたチャンスがあるという文化が、イノベーションを生み出す土壌となっています。日本でも同様の環境を整備するためには、「一度レールを外れたら終わり」という現在の雇用システムを根本から変える必要があります。

    また、大企業内でのイノベーションも、終身雇用によって阻害されています。新しいプロジェクトを立ち上げようとしても、既存事業部門の社員の雇用を守る必要があるため、大胆な組織改編や資源配分の変更ができません。

    雇用流動化が実現すれば、企業は既存事業の縮小と新規事業への投資を躊躇なく進められ、結果としてイノベーションが促進されます。

    反対論への反論

    解雇規制の緩和に対しては、一部の層から強い反対があります。彼らの主張と、それに対する反論を示します。

    〇「解雇が自由になれば労働者が不安定になる」

    確かに、セーフティネットなしで解雇を自由化すれば、労働者は不安定になります。しかし、先に述べたように、失業保険の充実や職業訓練の強化といったセーフティネットを同時に整備すれば、この問題は解決できます。

    むしろ現状の方が、正社員と非正規社員の格差が大きく、多くの労働者が不安定な状況に置かれています。

    SNSなどで解雇規制緩和に反対している者は「自分が解雇されるのが怖い」という極めて個人的でエゴな理由で反対している痴れ者であることが多いです。社会全体の利益を無視してエゴを押し通そうとするクズであるといえるでしょう。

    あなたは自分が食いっぱぐれなければ、社会が悪くなってもよいというのでしょうか?しかも、社会が悪くなれば、まわりまわって自分にも返ってくることになるのですが、そういったリスクすら予見できていないのでしょう。

    未来を見ずに目先の利益しか見ない馬鹿が解雇規制緩和に反対しているのです。

    〇「日本の雇用慣行は文化であり変えるべきでない」

    終身雇用は、前述のとおり戦後に形成された比較的新しい慣行であり、「伝統的な日本文化」ではありません。時代に合わない制度は変えるべきです。

    また、現役世代の多くは、終身雇用よりも成果主義的な評価や働き方の柔軟性を求めています。「文化だから変えられない」という思考停止こそが、日本の停滞を招いています。

    文化やら伝統やらを理由に上げる者の本音は、「変化するのが怖い」「今までやり方に慣れてるのに変えていくのが億劫」「リスキリングとか面倒」という”老害思考”です。

    つまり、柔軟性に欠け”臨機応変”が苦手な老害や、”変わるのが面倒”と考える怠惰な馬鹿者ほど解雇規制緩和に反対しがちなのです。


    結論。日本の未来のために今こそ改革を

    日本で「正社員を解雇できない」という現状は、労働契約法や労働基準法による厳格な規制、判例によって確立された解雇権濫用法理、そして戦後に形成された終身雇用という雇用慣行が複合的に作用した結果です。

    この制度は、高度経済成長期には企業と労働者の双方にメリットをもたらしました。しかし、経済が成熟し、グローバル競争が激化し、技術革新のスピードが加速する現代においては、明らかに時代遅れとなっています。

    解雇規制が厳しいことによって、優秀な人材が報われず、企業の生産性と競争力が低下し、正社員採用が抑制されて雇用の二極化が進行しています。

    さらに、追い出し部屋のような陰湿な手法による事実上の解雇が横行し、労働者の尊厳が傷つけられています。

    日本が再び活力ある経済と社会を取り戻すためには、解雇規制を緩和し、成果主義・能力主義に基づく雇用流動化を実現することが不可欠です。同時に、失業保険の充実、職業訓練の強化、転職市場の活性化といったセーフティネットを整備し、労働者が安心してキャリアチェンジできる環境を作る必要があります。

    終身雇用という「幻想」を捨て、自らの能力とスキルで勝負する、真に自立した労働者が活躍できる社会。企業が能力に応じて適切に人材を配置し、イノベーションを生み出し続けられる社会。そのような社会こそが、日本の未来を切り開くのです。

    今こそ、日本は雇用制度の抜本的改革に踏み出すべきです。改革なくして、日本の未来はありません。


     
     
     
    就職氷河期世代のおじさんです。非正規底辺職低年収で生活は辛い上に妻とは離婚になりました。孤独死まっしぐら弱者男性です。 ロスジェネを代表し社会と公益のために発信してます。SNSの他責思考や衆愚政治を問題視してます。 https://hyogakioji.xxxxxxxx.jp/

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