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幼馴染はじめました、毎週ショートショートnote、410字

    氷堂出雲



    三歳の時に前世の記憶が蘇った。
    恋愛経験ゼロ。彼女いない歴イコール享年。

    死ぬ間際に神様から「人生でやり残したことは?」と聞かれ、迷わず彼女を作ることだったと答えた。

    神様に頑張れと言われた。
    理想の彼女は決まっている。幼馴染だ。朝は「早く起きなさいよ」と二階の窓から起こしに来る。
    「べ、別にあんたのためじゃないんだから」と顔を赤くする。

    保育園で幼馴染を見つければ勝ちは決まる。
    僕の条件は厳しい。かわいい。性格がいい。運動神経がいい。料理ができそう。将来ツンデレになる可能性あり。

    毎日、園児を観察した。
    「うわあーん!」
    泣いている。

    「せんせー! あの子がー!」
    告げ口している。

    「うんち出た!」
    漏らしている。

    そもそも幼児とは話が合わない。四十年の人生経験を持つ僕が、三歳児と価値観を合わせるのは思った以上に難しかった。

    それでも僕は幼馴染はじめました。保育園の先生と。
    それが、恋愛経験ゼロにつながることを、僕はまだ気づいていなかった。

     
     
     
    ・ソニー・ミュージックエンタテインメントのドラマ原案コンテストにてグランプリ受賞。ドラマ化。 ・第20回Yomeba!で優秀作 ・エブリスタ超・妄想コンテスト年間選出数11位(2021年) ・島根県文芸公募 金賞 その他はプロフィールページで

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