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Photo bymirecat

ときめきトゥーシューズ、毎週ショートショートnote、410字

    氷堂出雲


    初めてバレエを観たのは、インターネットで。
    ふわりと布が揺れ、つま先が床から離れるたびに、息を呑んだ。
    あれほど美しい「立つ」という動作が、この世にあるなんて。

    終演後、思った。
    自分でも踊ってみたい、と。

    調べると、初心者でも通える教室があるという。
    フォームに名前と連絡先を入れて、送信ボタンを押したとき、胸がドキドキした。

    踊るなら、ちゃんと準備をしたい。
    衣装もいるし、トゥーシューズも必要だ。
    鏡の前でくるりと回る自分を想像したら、顔が熱くなった。

    なんでも作れる機械を持ってるからデータを入れた。
    バレエに必要なものが出てきた。

    白いチュチュは光の加減で青く見える。
    ずらりと並んだトゥーシューズを見て、ときめきを隠せない。

    最初は不安だった。
    私は異星人。
    背が10メートルあるし、足は20本あるし、つま先立ちしたら天井を突き破るかもしれない。
    なのに『どんな方でも歓迎します』と書いてあった。

    きっと、ものすごく大きな部屋が用意されている。

     
     
     
    ・ソニー・ミュージックエンタテインメントのドラマ原案コンテストにてグランプリ受賞。ドラマ化。 ・第20回Yomeba!で優秀作 ・エブリスタ超・妄想コンテスト年間選出数11位(2021年) ・島根県文芸公募 金賞 その他はプロフィールページで

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