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置換撲滅、毎週ショートショートnote、447字

    氷堂出雲


    自他共に認める絶世の美女。それが私。
    私の悩みは、いつも同じだった。

    お互いが好きになり、付き合いだす。最初は普通なのに、必ず途中で入れ替わる。

    好きが、執着に。

    連絡の頻度が増え、誰と会っているかを聞かれ、帰宅時間が遅いと不機嫌になる。
    制限が、少しずつ生活を狭めていく。

    他の男に取られまいとしているのだと、分かる。
    耐えられなくなり、別れる。
    それで終わらないのが、いつものパターン。

    待ち伏せ、偶然を装った遭遇、SNSの監視。好きだった頃の面影は消え、残るのは所有欲だけ。

    だから今回は、決めていた。

    今度の彼では、失敗しない。好きが執着に置換されないようにする。置換撲滅。

    私のことを好きすぎないクールな男を彼にした。

    彼は穏やかで、距離を保ってくれた。監視もしないし、干渉もしない。お互いに独立した心。

    成功だと思った。

    しばらくして、彼が言った。
    「君って、僕がいなくても、何も困らないよね」

    その言葉で、ようやく気づいた。
    私は、恋人を、友人に置換していた。
    撲滅したはずの置換は、いつの間にか、私の側で起きていた。

     
     
     
    ・ソニー・ミュージックエンタテインメントのドラマ原案コンテストにてグランプリ受賞。ドラマ化。 ・第20回Yomeba!で優秀作 ・エブリスタ超・妄想コンテスト年間選出数11位(2021年) ・島根県文芸公募 金賞 その他はプロフィールページで

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