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梅雨占い、毎週ショートショートnote、410文字

    氷堂出雲


    梅雨は、日本の神が人の運勢を占う期間だった。神にとっては占いでも、人間にとっては、雨を使った試験のようなものだった。

    傘を持たない老人に傘を差し出した者。
    長雨に文句を言わず、紫陽花を見て微笑んだ者。
    農家が助かるだろうと思う者。
    ダムに水がたまることを喜ぶ者

    合格。

    その他の者は不合格。

    合格者には一年分の幸せを与えていた。

    梅雨の真っ只中、神は眉をひそめ、遠い昔の記録を引っ張り出した。
    年々、減少する合格率。
    ほとんどの人間が不合格であるため、神はその人たちに幸せを与えられない。

    一方で、詐欺被害増加。強盗増加。交通トラブル増加。不幸なものが悪事に手を染める。

    満点だった男は詐欺師に騙され、財産を失い、友人に裏切られ、それでも相手を恨まなかった。

    「こんな人間ばかりになったら人類は滅ぶ」

    神は梅雨占いを見直した。

    その年、日本では「なんとなく運が良かった」と答える人が急増した。

    善人以外は、悪人〜ではなく、神は多様性の考えを取り入れた。

     
     
     
    ・ソニー・ミュージックエンタテインメントのドラマ原案コンテストにてグランプリ受賞。ドラマ化。 ・第20回Yomeba!で優秀作 ・エブリスタ超・妄想コンテスト年間選出数11位(2021年) ・島根県文芸公募 金賞 その他はプロフィールページで

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