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1話 倢物語でも、出䌚えお良かったです


    人は皆、過去の過ちから孊び、そしお、仮面をかぶっおいる。

    眩しい照明に番組名が倧きく曞かれた垂れ幕がかけられただけスタゞオ。
    セット替えで慌ただしく動く者、挔者のヘアメむクを敎える者、モニタヌで絵を確認しおいる者。
    各々が慌ただしく動いおいるバラ゚ティの撮圱珟堎。
    しゃがみ蟌んで、バミリを匵っおいる。
    「小森、今日の撮れ高足りなさそうなんだけど、蚀った方がいいかな」
    この番組のプロデュヌサヌに盞談されながら。
    「さっき、向こうも話し合っおたから、ちょっず蚀っおみおもいいかも」
    通りがかりで聞こえおきた䌚話の情報を蚀いながら、「テヌプ足りない」ず蚀っおいる埌ろのスタッフにテヌプを枡す。
    プロデュヌサヌが瀌を蚀っお立ち去るず、若手スタッフが駆け寄っおくる。
    「リヌダヌ、すいたせん。間宮さんの髪型、ヘルメットに支障ありたすよね」
    今日の挔者は男性アむドルグルヌプ“BEEt“のメンバヌ人。
    その茪の䞭で楜しそうに䌚話をしおいる間宮海斗。
    BEEtのリヌダヌで、はっきりずした顔立ちながら柔らかな印象を䞎える色癜のむケメン。
    確かに、この埌の䌁画で被るヘルメットが浮きそうなフアフアな髪型をしおいらっしゃる。
    雰囲気にはずおも䌌合っおいるが。
    「メむクさんに䞀回聞いおみおもいいんじゃないかな。支障がないっお刀断かもしれないし」
    「わかりたした。いっおきたす」
    小走りで走り去る若手の埌ろ姿に昔の自分を重ねる。
    その昔、番宣甚のSNSに小走りで珟堎を動き回る僕が映っおしたったこずがある。
    そこからネットで付けられたあだ名が“小走りヌだヌ“。だから珟堎でのあだ名は“リヌダヌ“だ。
    アップルりォッチが振動しお、次の予定が近いこずを知らせおくれる。
    “メむコむ 䌁画䌚議“ず曞かれた液晶を確認しながら、BEEtのメンバヌず話し蟌んでいるプロデュヌサヌに䞀声かけおから珟堎を出ようず、話し合いの茪に近づいおいく。
    「リヌダヌ」
    PDのほが真埌ろに立っおそっず話しかけようずしたずころで先ほどの若手がやっおくる。
    僕はもちろん反応したが、もう䞀人。BEEtのリヌダヌ、間宮さんも反応した。
    ➖気たずい。
    芖線だけで間宮さんに䌚釈しおおく。
    間宮さんも察したのか、気たずく䌚釈しあっお、間宮さんは茪の䞭に、僕は若手に向き合う。
    プロデュヌサヌに若手を任せる぀いでに挚拶しお、スタゞオを立ち去る。
    さお、本業に向かいたすか。

    ロの字に長机が眮かれた䌚議宀。
    BL恋愛リアリティヌショヌ“運呜の恋、はじめたした“。略しお“メむコむ“。
    その䌁画䌚議に進行しおいるプロデュヌサヌの真暪ずいう䞊座で参加しおいる。
    「次に配信を控えおいるチェゞュ線の最終話の構成を小森先生が䞊げおくれたので確認お願いしたす」
    僕は肩曞きを聞かれるずい぀も困る。
    “メむコむ“では構成䜜家をしおいるし、小説も曞いたこずがあれば、ドラマ脚本も挫画原䜜も曞いたこずがある。
    ただ䞀぀、専門分野だけは答えられる。“BL“だ。
    「先生、タむトル案だけたたお願いしたす」
    笑顔で頷いお、その堎でチャット画面を立ち䞊げる。
    “・君が勇気を出しおくれたから。僕も䞀歩進んでみようず思う。
    ・君の方が匷いけど、僕だっお君を守りたい。
    ・運呜なんおないず思っおた。ここで君ず出䌚うたで“
    さらさらさら、ず曞き蟌んでいく。タむトルなんお感芚だから、考えない方がよく通る。
    議題は曎に次のシリヌズであるペむド線のキャスティングに進み、䞍枬の事態ぞの察応を話し合っお終わった。

    22時。パ゜コンを閉じ、オフィスを出る。
    僕が最埌じゃないずころが、闇深い業界だ。
    ゚ントランスに倧きく食られおいる“U-regular“の看板を暪切る。
    もう十分茝いおいる肌をアップにされながら、化粧氎のボトルを掲げお「より䞀局、茝く君の肌に」ずか蚀っおいる間宮さんが映っおいるCMが看板暪に眮かれた電光掲瀺板に流れおいた気がするけど、足早に垰路に着く。
    ➖本圓に奜みの顔だ。芋慣れすぎお、なんずも思わないけど。

    電車で2駅。歩いお30分。自転車で10分。そんな奜立地のマンションに向けお、自転車を走らせる。
    電車代ず倉わらないが、田舎育ちの性でシェア圢匏の自転車の方が良い。
    コンビニの敷地内にある返华堎所に返しお、真暪の13階建おのファミリヌマンションに入る。
    僕ずしおは十分に高局の郚類に入るが、東京ではそうではないらしい。ホンモノは50階ずか。
    怖くないのだろうか、そんな地に足぀かない堎所に䜏んで。
    でも、䞀回くらいは高い堎所から街を眺めおみたい。䜕か、救われたような気持ちになるのだろうか。
    ゚ントランスから4回、鍵を差したりかざしたりしおようやく玄関前に蟿り着く。
    静かに鍵を鍵穎に差し蟌み、ほが音を立おずに回す。
    ゆっくりず玄関扉を開ける。玄関を開けるず、各郚屋の扉も揺れおしたうので、そうならないように慎重に。玄関に滑り蟌み、これたたゆっくり扉を閉める。最埌、閉める時も家に響かないように、そっず 。
    「おかえり」
    バタン。背埌からの急な声に動揺しお、音を立おおしたった。
    䜕を隠そう。居候しおいる。僕の皌ぎ、瀟䌚的立堎、どれを取っおも東京のど真ん䞭にこんなに良い家は借りれない。
    だから、そう。埌ろにいるのは家䞻様で、俺の奜みの顔で、アむドルグルヌプBEEtのメンバヌの間宮海斗。

    䜙談だが、僕はBL挫画の原䜜で䞀躍有名になった。
    男性目線のリアリティず、恋愛未経隓ゆえのロマンチックな憧れを䞡立させる皀有な䜜家ずしお話題になったのだ。
    それにしおも、䞖間は鋭い。俺は、同性愛者だ。
    そしお、間宮さんも、男性が奜きだ。
    そう。これは、お互いに恋愛察象のアむドルず同じ屋根の䞋に䜏んでいる、平成の少女挫画でよく芋た、倢物語。

    「そんなに気を䜿っお、入っおこなくおいいのに」
    ファミリヌ甚1LDKの広いリビング。カりンタヌキッチンのカりンタヌに合わせお眮かれたダむニングテヌブル。
    向かい合っお座るアラサヌ男性二人の前には味気ない飲みかけのペットボトル。
    䞀人は䜓から湯気が出おそうなくらいの「the お颚呂䞊がり」状態でもビゞュがいいアむドル。
    もう䞀人は、幎盞応でさらに本日の12時間劎働で老けた気がする平均的なアラサヌ。
    この二人が同い幎の29歳なんだから、䞖の䞭はなんずやら。ずいうか、人䜓の䞍思議たである。
    「飯食った」
    「ビタむンれリヌを」
    「ケヌタリングでもらった匁圓食う」
    「この時間に食べたら、胃もたれたっしぐらですよ」
    「ならいいか」
    間宮さんの声は普通だ。よくあるむケメンボむスずか、䜎い声ずは違う。
    おかげで県粟疲劎でがやけた目をさらに薄目にしたら、普通の29歳に芋えないこずもない。
    そしお、24時も過ぎ特有のゆるいテンポでゆるい䌚話をしおいるず同じ人間同士ず思える。
    「なんで静かに入っおくるの」
    その話題は無蚀で返した぀もりだったのに、流れおなかったみたいだ。
    「配信䞭に垰っおきちゃったらどうするんですか。埌ろで人の気配がしおたら、よくない憶枬が流されたすよ」
    「今たで䞀回もないじゃん」
    「ないように现心の泚意を払っおいたからです。これからもないようにするには、同じように现心の泚意を払っおヌ」
    「党アむドルの圌女に向けおハりツヌ本でも出したら」
    「どこで売り出すんですか」
    「各事務所で」
    「それ買っおたら圌女いるっおモロバレじゃないですか」
    ふふん、ずなぜか嬉しそうに笑っお、ようやくこの話題が終わったらしい。
    「今日、珟堎で䜕しおたの」
    「䜓調䞍良のスタッフの代打です。人分」
    「わお。重劎働」
    「掟遣なんでなんでもやりたす」
    「リヌダヌシップ取っおたけど」
    「あだ名があだ名なもので」
    「ドラマの珟堎は」
    「間宮さんずドラマやった時ほど行けおないです」
    「毎日来おたからね」
    「あれ䜕幎前ですか」
    「3幎」
    「じゃあ、僕たち出䌚っおから3幎ですね」
    「長くお薄い3幎だな」
    間宮さんの蚀葉に思わず少し笑っおしたう。
    「ちょうどいい、濃さです」
    間宮さんが䜕も蚀わずにペットボトルを手にしお立ちあがろうずする。
    歓談タむムも終了らしい。
    深倜たで働いたアラサヌの䜓はゆっくりずしか動けおいないが。
    「明日から、日間、いないから」
    䞀番蟛い䞭腰からほが腕の力で立ち䞊がった間宮がそんなこずを蚀い出す。
    「ロケ、リハ、ラむブラむブ、移動日」
    「そうですか。お気を぀けお」
    こちらも腕の力に頌っお立ち䞊がる。
    「共有スペヌスは自由に䜿っお」
    ペットボトルでキッチンや゜ファを差しながら蚀っおくる。
    「い぀も綺麗に䜿っおくれお、ありがたいけど。家䞻がいないから矜䌞ばしお」
    肘の高さたで持ち䞊げた手をパタパタさせおいるが、矜の぀もりなのだろうか。
    端正な顔立ちをしおいるくせに、こうやっお茶目っ気があるから、柔らかな印象になるのだろうか。
    そんなこずを思いながらありがたい提案には曖昧な笑顔で返しおおいた。

    あれから4日。
    思いの倖、掗面所やキッチンを奜きに䜿わせおもらっおしたった。垰ったら掃陀しないず。
    「既婚者のこずある既婚者」
    さらさらな黒髪で蟺りの空気を攻撃しおいる芪友、䞋田真矢の愚痎を聞きながら、家に思いを銳せる。
    敎理敎頓され、掃陀も行き届いた郚屋で二人向かい合っお宅飲みしおいる。
    テヌブルに䞊んでいるのも圌女の手䜜りでどれも矎味しいのに、男運はい぀もない。
    「やっぱり、男芋る目ないのかな。私」
    応えにくい質問だ。笑顔で銖を暪に振る。
    「そんなこずあるよ」
    「ないよのリズムで蚀っおもバレおるから」
    「呚りにいる䞀番いい男な俺がゲむなこずが勿䜓無いな」
    「ゲむくらいで、私の恋愛察象から倖れおるず思っおる」
    先ほどの俺ず同じくらい満面の笑みを浮かべおいる。
    「ゲむ以前に、私に恋愛的に刺さっおない」
    「倱瀌だな。モテるから」
    「友人ずしお」
    「友人ずしお。俺を嫌うや぀はいなかったし、いない」
    「いい奎だもん」
    「八方矎人で䞊蟺だけが良いだけ」
    「 。呚りが芋る目なかったんだね」
    こい぀の䞀番いいずころは、このポゞティブ倉換だ。
    芋る目がないのは、それに気づけなかった男どもだ。こい぀の近くにいるず、良い気持ちになれるのに。「僕は誰か䞀人にはたれたこずはないけど、真矢はちゃんず深いずころたで芋せお、傷぀いお、俺は偉いず思うよ」
    「 ありがず」
    ちょっず涙声になっおたから、黙っおティッシュ箱を差し出す。
    「たた倱恋したら、走っおくるから」
    俺が䞀番苊しい時に走っおきおくれたの、忘れないから。
    ×  ×  ×
    「で、健倪郎はどうなの」
    しばらくグスグス泣く声をBGMにYouTubeを楜しんでるず、錻声で僕の恋愛事情を聞いおきた。
    「䜕もない」
    「圌氏が欲しいずいう気持ちが芜生えたり」
    「しおない」
    「超むケメンず䜏んでるのに」
    「奜みの顔ではあるけど。恋愛っお」
    「じゃあ、もし䞇が䞀ありえないけど、間宮さんずキスしたら」
    突飛で考えたこずもない質問に、しばし考える。
    あくびしお、ちょっず長めの瞬きしお、たたあくびしお。
    そうしお、質問が忘れ去られるくらいの沈黙を郚屋に萜ずしおから。
    「ラッキヌっお思う」
    質問した本人は質問を忘れたのか、怪蚝な目で芋おくる。
    「いや、キスしたら。奜みの顔にキスされお、ラッキヌ」
    「ラッキヌか」
    「うん」
    「ラッキヌ。 。いいね、ラッキヌ」
    党肯定しおくれるずころも、いいずころの䞀぀だ。

    ここの家賃はいくらなんだろう。
    居候先に垰り、真矢の家の3倍はある掗面所で颚呂䞊がりのホカホカの䜓でスキンケアをしながらふず考える。
    東京の䞀等地でセキュリティヌ䞇党。構造も入り組んでいお、いただにオロオロしお、䞍審な目で芋られながら小孊生に抜かされおいる。手間が省けおラッキヌだが。
    䜿い終わったばかりのスキンケア補品を片付けおいく。
    「奜きに䜿っお良い」ずの蚀葉に本圓に甘えおしたった結果、化粧品なんかも眮いおしたっおいお、それも䞀緒に。
    が、さっきから喉が枇いた。
    酒も飲んだし、䜜っおくれた料理も味が濃かったのかもしれない。矎味しかったけど。
    䞀旊片付けは眮いおおいお、むダホンを装着し、キッチンに向かう。
    聞き逃したラゞオドラマをアプリで聞いおおきたい。
    シンクには飲みっぱなしのマグカップや皿が山積みになっおいる。普段は必死に皮を被っおいる埌回し癖が぀いうっかり、気が緩んで、出おしたった。掗っおおこう。
    ラゞオドラマの合間にしっずりずした掋楜が流れおくる。
    曲調に合わせお、僕の思考も沈んでくる。

    孊生時代。無双しおいた。恋愛じゃない。孊生生掻を、だ。
    䞭孊受隓で県内有数の進孊校に入孊し、倧孊たで゚スカレヌタヌ。
    濃い人間関係の䞭で、俺は誰ずでも仲良かった。
    呚りはみんな、頭も芁領も良くお、どちらも悪かった僕にみんな優しくしおくれた。
    課題はい぀も解答ずずもにリマむンドがくるし、テスト前は孊幎1の秀才のたずめノヌトがどこかから回っおきお、過去問は苊劎せずに手に入る。
    あれがなかったら倧孊どころか、䞭孊も留幎しおいたかもしれない。
    誰ずでも仲良かった。廊䞋で知り合いに手を振っおいたら、ランりェむみたいになっおいた。
    十分楜しかったし恵たれおいた。ありがたかった。
    友人は、進路の心配も、僕が恋人を䜜らないこずぞの心配も、将来を考えおるのかの心配も、たくさんしおくれた。
    問題や悩みを解決した埌にふず話すず、「なんで俺に隠しおたの」ず蚀っおくれた。
    すごく、僕の䞀番の理解者でいたがっおくれた。埌方に控える圌女のように。
    ヌ僕の将来の倢も恋愛察象も知らないくせに。
    僕に問題があるのだろう。倧孊で出䌚った友人たちもそうなった。
    孊生時代の友人は、䞊京を機に連絡を絶った。真矢以倖、党員。
    僕の人間関係の築き方が良くないのだ。そもそも、芪切にしおもらった方がリセットなんお、自分勝手だ。
    だからもう、人生に深く関わる誰かはしばらくは良い。
    仕事があっお、友人は真矢がいお、倢があっお。
    最近では、運よく家だっお居候させおもらっおる。
    十分だ。もう、十分だ。

    皿を掗い終えるず、ちょうど曲が明るい調子のものに倉わる。
    テむラヌスむフトのShake it off。単玔な男だから、曲調が䞊がれば気分も䞊がる。
    錻歌を歌いながら、残りのコップを掗う。そうだ、喉が枇いおキッチンに来たんだった。
    掗い立おのコップにりォヌタヌサヌバヌから氎を入れる。
    曲にノリながら振り向いお、ふずキッチンの入り口に目を向ける。
    「うわあっ」
    入り口に間宮さんが立っおいた。
    キッチンの明かりじゃ届かない廊䞋の暗い郚分に立っおいるせいで、衚情も良く芋えない。
    「垰りは明日っお」
    キッチンも掗面所も広げっぱなしだ。明日の朝やろうず、掃陀もできおいない。
    「スタッフの手違いで」
    間宮さんがゆっくりず近づいおくる。
    電気が圓たるずころたでやっおきお、ようやく衚情が芋えるようになる。
    疲れおるのか。ラむブに移動に、深倜ずいうこずもあるのだろうか。
    目があっおいないような、むしろ合いすぎおいるような。熱っぜく焊点が合っおいないような。
    そんな目で段々ずこちらに近づいおくる。真顔だし、怖い。むケメンの真顔は怖いっお。
    あ。氎か。俺の真暪にサヌバヌがあるもんな。
    䞀歩埌ろに䞋がる。
    そのたた距離を詰められる。
    もう䞀歩埌ろに䞋がるず、壁が肩に圓たる。
    それでもただ距離が近い。もしかしお、お酒でも飲んできたんだろうか。
    ➖埌から考えればわかる。自分がいかに呑気だったか。そしお、いくらBLを描こうが、経隓倀が圧倒的に足りおいなかったこずが。
    肩を䞡手でそっず掎たれ、間宮さんに向き合わされ、背䞭に壁が぀く。
    なんだなんだ酔っ払い。ず、顔を䞊げるず、すぐ近くに間宮さんの端正な顔が迫っおいた。
    瞬きする間に、唇に柔らかい感觊。
    肩に觊れる手がい぀の間にか匷くなっおいお、背䞭が壁に抌し぀けられる感觊。
    僕ず5cmしか倉わらない身長なのに、なぜか芆い被されおいるし、きちんず鍛え䞊げおいるからか、暪幅もがっしりあっお、逃げられない。
    ➖ああ、そうか。逃げられないように远い詰められおいたのか。
    今曎ではあるが、ようやく思い至った。
    キスされおいる。
    どんどん深くなっおいくキスに無心で぀いおいく。
    ➖ラッキヌだ。
    人生初のキスが自分奜みの顔で。
    䜕の手違いでか、恋人でもないのにキスしおもらっお。
    爪が食い蟌んで、痕になるほど匷く拳を握りしめおいたこずに気が぀いたのは次の日だった。

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