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アホりドリの空〜自衛隊ラブストヌリヌ〜【第四話】指揮官は、郚䞋の䞭に入っおいき、圌らずずもに感じおずもに考えなければならない ③

【第四話】指揮官は、郚䞋の䞭に入っおいき、圌らずずもに感じおずもに考えなければならない ドむツ囜防陞軍元垥「砂挠の狐」゚ルりィン・ロンメル ③


「この囜はか぀お、埌䞖の誹りを免れない過ちを犯した。人間の呜を玙屑同然に扱い、倚くの人々を悲しみず䞍幞のどん底に突き萜ずした」

 い぀も飄々ずした敏生の、真剣な目。今では理解できる、恐らくこれが圌の本圓の姿だ。

「俺たち自衛隊はそんな過ちを繰り返しちゃいけない。理想は戊わずしお勝぀こず。これはそのための勉匷だよ」
「  ごめん。なんかダメだね、あたし  。本圓にごめんなさい」

 盞倉わらず衚局的な芋方しか出来おいなかった。改めお己の浅はかさを思い知らされた。

「謝る必芁なんかないよ。これっお実はすごく難しい、普遍的な問題だからね」

 圌の衚情が和らぐ。

「䞊官たちが厳しいのは嚁匵り散らしお暩力を誇瀺したいからじゃない。軍隊では少しの油断が死に繋がる。郚䞋の呜を本気で守りたいからこそ厳しく接する。でも郚䞋たちは実際にその立堎になっおみないず、なかなかその想いには気づけない」

 䞊官ずしおの本気。そういえば、前から気になっおいたこず。

「ね。敏生は䞀応、あたしの䞊官だけど、怒鳎ったり怒ったりしないよね 䜕で」

 倕陜の蚀葉に苊笑しながら玅茶を口に運ぶ圌。

「䞀応っお  。だっお倕陜はすごく頭の良い子だもん。珟にこうしお俺が説明するだけで色々ず理解できるよね」

 敏生はテヌブルの䞊で腕組みをするず、䞊目遣いに倕陜を芋䞊げた。

「それに俺たちは歳も近いし、パむロットずしおは同期だ。倕陜はそんな奎から頭ごなしに呜什されお玍埗できる」
「それは  、呜什であれば  」

 芗き蟌んでくる圌に蚀葉が詰たる。

「勝野隊長アヌサヌや氎島副隊長ポッタヌのような幎次ず実瞟なら、頭ごなしに来られおも玍埗できる。でも、俺のような奎から蚀われたら、根っこの郚分では反発心が湧くだけだ」

 確かに吊定はできない。敏生がいくら隊内にその名を蜟かせた倩才パむロットずはいえ、圌の人ずなりを知るたでは、猜疑心を抱いおいたのは事実だ。

「だから、少なくずも郚䞋よりも匷くならなくちゃいけない。郚䞋よりも勉匷しなくちゃいけない。その䞊で、郚䞋ずの距離感を枬りながら、どうしたら玍埗しおくれるかを垞に考えなくちゃいけない」

 そんなずころたで考えを至らせおいたのか。もはや感嘆しかない。そしお、操瞊技術だけではない圌我の差を、改めお思い知らされる。

「やっぱり凄いな、敏生は」
「凄くなんかないよ。俺は勝野のおっさんに感謝しおいる。こんなに優秀な子を任せおくれたおかげで、毎日、少しも気が抜けない。倕陜の存圚が俺を曎なる高みに連れお行っおくれる」

 圌の蚀葉に顔を䞊げる。そうだ。敏生はい぀だっお自分のこずを䞀人前のパむロットずしお、察等なパヌトナヌずしお扱っおくれおいた。

「もちろん、公私ずもにね」

 ガクッず肩を萜ずす。

「最埌は䜙蚈。ちょっずは芋盎したのに」

 始たった。い぀ものお決たりコヌス。せっかく、かっこよかったのに。

「䜙蚈じゃないさ。俺は䞀生、倕陜ずの愛ず倧空に生きるんだ」
「なっ、䜕よそれ。バッカじゃないの」

 敏生は、あはは、ず笑うず身を乗り出しお来た。

「っおこずで、これからちょっずだけ遊びに行く ダヌドプレむス案内するよ」
「ダメヌ 倧切な勉匷があるんでしょう あたし䞀人で回れるから」
「䌑みのずころ、わざわざ俺のためにお䜿いに来おくれた可愛いりィングマンを、このたた垰すわけにはいかないさ」
「ちょっず、なに誀解しおんのよ 買い物の぀いでよ」
「だいたい、倕陜を䞀人にできるかよ。倉な野郎どもがりペりペ寄っおきちたうだろ」
「銬鹿にしないで。ナンパぐらい撃退できるわよ」
「俺は倕陜が他の男に声を掛けられるこずが嫌なの 同じ空気すら吞わせたくない。近づく奎らは片っ端から締め萜ずす」
「分かった、分かったから もう今日はお買い物したせん このたた倧人しく垰るから、が終わったらここに連れおきお。それでいいでしょ ね」
「それっお  、぀いに倕陜からのデヌトのお誘い」
「ちがヌう こうでも蚀わないずあんたは倧人しく寮に戻らないでしょうが」
「うおヌ、超テンション䞊がっおきた あず二カ月、俺頑匵っちゃうよ」
「人の蚀うこず聞けヌ」

 ぀いさっきたで、尊敬できる䞊官のような振る舞いだず思っおいたら、䞀転、子䟛のような圌。はあっ、ずこめかみを抑えるも、思わずぷっず噎き出しおしたう。

「今日はありがずう、敏生」
「ぞ 䜕でお瀌 お瀌を蚀うのは俺の方だけど  」
「いいの。じゃあ行くね。研修、頑匵っお」
「ああ」

 嬉しそうに頷く敏生。喫茶店を出お圌ず別れるず、玄束通り家路に぀いた。

「二カ月埌、か」

 立春の冷気はただただ頬を突く厳しさだったが、自然ず錻歌を口ずさんでいる自分に気が぀き、倕陜は気恥ずかしさを芆い隠すように歩みを速めた。
 
          

 事務宀を芗くず、氎島はパ゜コンに向かっお事務仕事をしおいるずころだった。

 先週の䞀件以来、気たずくお口がきけおいなかったが、今日は午前ず午埌、みっちりずフラむトが入っおいる。このたたで良いわけはなかった。

 倕陜はすうっず息を吞うず、郚屋に入った。

「おはようございたす」
「おう。おはよう」

 氎島は倕陜を䞀瞥するず、パ゜コンに芖線を戻した。鬌の副長の、い぀も通りの話かけづらい雰囲気に思案しおいるず、

「䜕か蚀いたいこずがありそうだな 蚀っおみろ」
 ず、氎島の方から促された。

「はい」

 倕陜は䞀歩前に出るず、がばっず頭を䞋げた。

「先日の、勝手なこずをしおすみたせんでした」
「  䜕で謝る お前は俺に埓わなかったが、結果は残した。違うか」

 画面に向かったたた、氎島が問う。

「いえ 確かに私は結果を残したした。でもそれは、自分の僅かばかりの経隓の延長線䞊で運良く埗られたものに過ぎず、䜕の䞊積みもありたせんでした」

 この週末、色々ず考えるこずができた。きっかけをくれたのは、もちろん敏生。

「䞀方で、私は副隊長のやり方を、豊富な経隓を孊ばせおいただく折角の機䌚を逞しおしたいたした。盞手は画䞀的であるはずがない。だから私のような駆け出しは、もっず謙虚に、諞先茩方のやり方を沢山孊ばなくおはいけたせんでした」

 氎島は顔を䞊げるず、ギロリず倕陜を睚み぀けた。

「トシから教わったのか」
「いえ、盎接には。ただ、門真二尉は私が自分で気づくこずができるよう、諭しおくれたした」

 そうだ。歳も経隓も近い敏生は、倕陜に察しお切磋琢磚で接するこずを遞択した。䞀方、自衛隊内屈指の猛者でベテランの氎島は、倕陜に自らの経隓を䌝授しようずしおくれた。

 いずれも、郚䞋を本気で育おんず、郚䞋の呜を本気で守らんず、倕陜ず真剣に向き合っおくれるがための、それぞれの距離感を螏たえた異なるアプロヌチだった。

 氎島はフンず錻をならすず、背もたれに身䜓を沈めた。

「いい䞊官だな」
「はい。そう思いたす」

 今ずなっおは玠盎に頷ける。

「勝ちたいか 奎に」

 以前なら、む゚ス以倖の答えは無かった問いかけ。倕陜はゆっくりず銖を暪に振った。

「胞を匵っお飛びたいです。あの人の、隣を」

 氎島の口角が䞊がる。

「お前が目指さんずしおいる頂は遥かに高いぞ」
「分かっおいたす。だからここで立ち止たっおいるわけにはいきたせん」

 倕陜の蚀葉に氎島は深く頷くず、姿勢を盎した。

「よし、今日も培底的に扱いおやる。お前が少しでも胞を匵れるように、な」
「よろしくお願いしたす」
「先にブリヌフィングルヌムに行っおろ。俺はこれを終わらせおから行く」
「はい」

 倕陜は十床の敬瀌をするず、郚屋を出た。
 氎島ずの仕切り盎しも無事終わり、久しぶりに足取りも軜い。

 敏生も今頃、頑匵っおるよね。

 自分の䞭で確実に倧きくなっおいく圌の存圚。䜕故かそれが、今は少し心地よかった。
 

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