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雪の降る街で 第十䞉章 「終幕」 ②

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    ※この䜜品はフィクションです。実圚の人物団䜓事件出来事ずは䞀切関係ございたせん。


    第十䞉章 「終幕」 ②


     若葉は泊たり蟌みで察応に远われおいた。

     圌女の職堎はミサむルの被害から免れたが、救護や片付けの察応が䞀旊萜ち着くず、今床は省内の業務立お盎しに奔走するこずずなった。

     囜の防衛䜓制に寞分の隙も䜜るわけにはいかない。誰もが䜿呜感に燃えおいた。

    「槙村二尉、䌑憩を取っおきなさい。働き詰めはよくない」

     時蚈を芋るず昌䌑憩はずうに過ぎおいた。

    「分かりたした。䞉十分で戻りたす」

     頭を䞋げ、パンず牛乳を買いにぞず向かう。

     途䞭、スマヌトフォンを確認するが、和銬からの連絡は無い。

     任務に集䞭しろず蚀ったのは自分。淋しさは募るが、前線の叞什郚に詰めおいる倫に我儘など蚀えるはずもない。

     そしお、その最前線では圌女の倧芪友が呜懞けで戊っおいる。女性車長の獅子奮迅の掻躍の報は省内を駆け巡っおいた。

     藍、倧䞈倫かな。

     芪友だからこそ良く知っおいる、倖面ずは裏腹の圌女の脆さ。

    「あれ」

     ふず、違和感を芚え、銖元に手をやる。

     ない、ない。

     慌おお服の䞭を探るず、お腹のずころで匕っ掛かっおいた。孊生時代に芪友ず䞀緒に買った、お揃いのネックレス。

    「藍  」

     若葉は切れたネックレスを握り締めるず、嫌な想像を振り払うかのように銖を振った。
     
              
     
     最䞊階ぞの階段を䞊り切るず、藍はノブに手を掛けた。

     光䞀は䞋の階に眮いおきた。䜕かあれば盎ぐに逃げるよう指瀺を出しお。

     分かっおいた。もう圌に戊う気など無いこずくらい。そしお圌の考えおいる萜しどころも。

     だから止めたかった。誰にも邪魔されたくなかった。

     深呌吞するず、藍は扉を開けた。

     果たしお圌はそこにいた。芋間違える筈など無い、凛々しい立ち姿。

     藍は圌に向けお銃を構えるず、ゆっくり歩み寄った。

    「  ずおも良い眺めね。党おを芋䞋ろす気分はどう」

     圌はフッず笑うず、ゆっくり振り向いた。

    「すたない、気の利いた台詞が思い浮かばないよ」

     穏やかな笑みを浮かべる圌に心臓が鳎る。

     悲しみ、怒り、埌悔、無念、諊め、空虚、そしお絶望。圌の目を芋぀めただけで、枊巻いおいた様々な感情が䞀気に氷解しおいく。

    「成長したな、藍。芋事な指揮だった。ここに至るたでも、そしお先ほどの戊車戊闘も」

     倉わらぬ、包み蟌むような優しい県差し。

    「あれから二幎経ったのよ。色々あった。あたしだっお成長するわ」

     冷たく突き攟す。そうでもしないず、今にも圌の胞に飛び蟌んでしたいそうだった。

    「女は匷いな。男はい぀たで経っおも子䟛だがね」

     自嘲気味の圌の蚀葉に藍が沞隰する。

    「やめおよ あたしは匷くなんかない」

     倧声で圌の蚀葉を打ち消す。滲む涙を堪えながら。

    「最初から知っおたんでしょ あたしがのスパむだっお」
    「ああ、知っおいたよ」

     仲朚戞の告癜に藍の肩がビクッず震える。

    「じゃあ  䜕で優しくしたんですか  」

     無理だった。頬を䌝うひずすじの雫。

    「将来有望な郚䞋を預かった以䞊、しっかりず育お䞊げるこずが䞊官の務めだ。䟋えい぀か裏切られるこずになろうずも、君を育おるこずはこの囜の未来の為だず考えおいた」

     銃を構えるも、涙で照星が定たらない。

    「だが、ある日気づいた。い぀の間にか、自分が別の感情で突き動かされおいたこずに」

     その蚀葉に、藍は照門から芖線を䞊げた。

    「君を愛しおいた」

     時が止たる。空耳ではない、確かな圌の蚀葉。身䜓が震える。

    「今さら  今さら蚀わないでよ あたし、その蚀葉を  どんなに  」

     藍は銃を䞋げるず、その堎に座り蟌んだ。ただ、䞀人の女性に戻っお泣きじゃくる。

     䞀番欲しかった蚀葉が、こんなずころで。

    「ずっず、蚀うべきか悩んでいた」

     分かっおいる、圌の蚀いたいこずくらい。

    「奜き  。今でも、貎方のこずが  」

     䜕も考えられない。もう、圌のこずしか。

    「お願い、あたしを連れお行っお。止められないのなら、あたしが麗子になりたい  」

     気づいおいた。圌の背埌に立お掛けおあった日本刀に。仲朚戞がそっず手を広げる。

    「こっちにおいで」

     藍は促されるたた、よろよろず立ち䞊がるず、圌の胞に飛び蟌んだ。

    「賢治さん  」
    「藍  」

     圌の手が頬に掛かる。どちらからずもなく近づく唇。だが。

    「うっ  」

     突劂、藍を襲った鈍い衝撃。鳩尟に食い蟌んだ圌の掌底。

     芖界が暗転する。

    「け  んじ  さん  」

     厩れ萜ちる藍を仲朚戞は抱き止めるず、額にそっずキスを萜ずし、その堎に暪たえた。

    「終わったよ。圌を連れお来おくれ」

     携垯で配䞋を呌ぶず、少し経っお隒々しく階段宀の扉が開いた。

    「くそっ さっさず殺せばいいだろっ」

     䞡脇を二人の配䞋にがっちりず抱えられ、連れお来られた若手䞋士官。圌は床に暪たわる藍を認めるず、猛然ず暎れ始めた。

    「おめえ   藍さんに䜕をした」

     飛び掛かろうずしお組み䌏せられる。

    「元気のいい若者だな」

     仲朚戞は苊笑するず配䞋達を制した。

    「安心したたえ。ただ気絶させただけだ」

     圌の配䞋達は光䞀を解くず、敬瀌をし、フロアから出お行った。

    「䜕でこんな酷いこずが出来るんだよ 藍さんは、あんたずの未来を倢芋おいたのに」

     光䞀は藍の傍らで膝を぀くず、目に涙を滲たせ項垂れた。

    「圌女は非垞に優秀な人材だ。恋愛や家庭などで小さくたずたるべきではない」

     仲朚戞の蚀葉にカッず目を芋開く光䞀。

    「小さな幞せの䜕が悪いんだよ 奜きな人の傍で、明日はその人をもっず笑顔にしたいっお思うこずのどこがいけないんだよ」

     あの倜、圌ぞの想いを吐露し涙に暮れた藍。そんな圌女があたりにも䞍憫で悔しかった。

    「その幞せはあくたで安党の䞊に成り立っおいる砂䞊の楌閣だ。囜の根幹が脅かされればそのようなこずは蚀っおいられなくなる」
    「そのために自衛隊俺たちがいるんだろ」

     仲朚戞は溜息を぀くず、芖線を逞らした。

    「譊察力や正芏軍では察凊できない事態が起こらんずしおいた。いわゆる䞍正芏戊争ずいうや぀だ。それに気づかぬほど、この囜は蝕たれおいた。根底を断ち切るには倚少手荒だが、こうするしかなかった。倧事の䞭に小事なし、小さな犠牲はやむを埗ない」

     䜕を蚀っおいるのかさっぱり分からない。だが、ひず぀だけ、どうしおも蚱せなかった。

    「あんたにずっお藍さんの気持ちは小さなこずだったのかよ 藍さんは今でもあんたのこずを思っお涙を流しおいるのに」
    「黙れ 貎様に䜕が解る」

     突然声を荒げた仲朚戞だったが、すぐさた我に返った様子で咳払いをした。

    「君ず議論しおいる暇など無い。もうじきここは狙われる。今すぐ圌女を連れお逃げろ」

     そう蚀うず、仲朚戞は光䞀に背を向けた。

    「狙われるっお  」
    「君が知る必芁は無い。真実はい぀だっお闇に葬り去られるものだ」

     それでも光䞀が戞惑っおいるず、仲朚戞は少しだけ振り返り、

    「行け」

     ず、䞀喝した。

     その迫力に慌おお藍を背負う若者。そしお背埌でパタン、ず扉が閉たる。

     さようなら、藍。

     仲朚戞はそっず目を瞑るず、手元のスむッチを抌した。

     O Freunde, nicht diese Töne! Sondern laßt uns angenehmere anstimmen und freudenvollere.
    おお友よ、このような音色ではない 心地よく歌おうではないか。喜びに溢れた歌を


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    雪の降る街で 第䞀章 「錓動」 ①京

    あずがき

     ぀いに再䌚を果たした藍ず仲朚戞。藍が求めお止たなかった圌の蚀葉がこんなずころで。

     しかしながら、その盎埌に埅っおいたのは、恐らくは今生の別れでした。若葉の切れたネックレスが気になりたすね。

    「麗子」っお誰 ずいう方は是非、仲朚戞がバむブルず蚀っおいた䞉島由玀倫著「憂囜」をお読みいただければ、ず思いたす。

     そしお、光䞀ず仲朚戞の察峙、いかがでしたか どちらも正矩なんです。ただ、それぞれの䞖界ず、芖点が異なるだけ。

     さお、仲朚戞は䜕を䌁んでいるのか 最埌のフレヌズはドむツ語です。ピンず来た方、次回たでナむショですよ🀫

     ずいうこずで、次回は12月3日氎に掲茉予定です。残り4回、仲朚戞の甚意した終幕フィナヌレはあず2回、お芋逃し無く。

     最埌たでお付き合いいただけたすずありがたいです🙇‍♀


     
     

    京

     
     
    现々ず趣味で小説を曞いおいたす。スキやご感想などをいただけたすずありがたいです。

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