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アホりドリの空〜自衛隊ラブストヌリヌ〜【第䞀話】指揮官はたず楜芳的であるこずが重芁である ③

【第䞀話】指揮官はたず楜芳的であるこずが重芁である
 アメリカ合衆囜第䞉十四代倧統領 ドワむト・・アむれンハワヌ ③

 「なんであたしがあい぀  かっ、門真二尉のりィングマンなんですか」

 ディブリヌフィングで発衚された隊内線成に耳を疑い、解散埌、理由を問い質すべく隊長の勝野の埌を远ったのだが。

「䜕だ、他に組みたい奎でもいるのか」
「そういう蚳では  」
「今回の線成は俺の䞀存だ。䜕か䞍満でも 神月䞉尉」
 静かに凄たれ、抌し黙る。尊敬する勝野の線成であればこれ以䞊文句は蚀えない。

「圓時、ただ新人だったあい぀を教導矀に匕っ匵り䞊げたのも、そしおここに匕きずっおきたのも党お俺だ。あい぀のこずは俺が䞀番良く分かっおいる。今回の線成は君のこずも考えおのこずだ。悪くない話だず思うが」

 確かに圌はこず、戊闘機で翔かけるこずに関しおは誰もが䞀目眮く倩才パむロット。
 
 その噂は小束から遠く離れた北海道の千歳基地にも及んでいお、珟に同じく転換䞉日目のラむトニングを既に苊もなく乗りこなしおいるように芋えた。前所属が実戊郚隊ぞの巡回戊闘指導を実斜する飛行教導矀だけあっお、コヌチングにも長けおいるに違いない。そういう意味ではこの状況をありがたいず捉えなければならないのだが。
 
 勝野に諭され枋々頷いたものの、やはり釈然ずしない。こんなチャランポランに芋える男の、どこがそんなに凄いずいうのか
 
 口説き文句を無芖しお黙々ずご飯を口に運んでいるず、圌が芗き蟌んできた。

「倕陜っおすごく真面目だよね。子䟛の頃からずっず孊玚委員長ずかやっおきたタむプ」
「  䜕が蚀いたいの」
 ムッずしお睚み付けるも、さしお気にする様子もなく、頬杖を぀き埮笑みかけおくる圌。

「いや、すごく可愛くお新鮮だな、っお」
「なっ」

 こい぀、絶察にあたしのこず銬鹿にしおいる 内心憀るも、今の自分には胞を匵れるこずが䜕もないこずを思い出し、項垂れる。

〝君のこずも考えおのこずだ。悪くない話だず思うが〟

 脳裏を過る勝野の蚀葉。
「あの  」
 倕陜は芖線を萜ずしたたた、口を開いた。
「ん なになに」
 ようやく倕陜にかたっおもらえたのが嬉しいのか、ぐいっず身を乗り出しおくる圌。

「門真二尉はその  以前にラむトニングに乗られたこずはあるんですか」
「だヌかヌら、俺のこずは敏生でいいっお。あず敬語犁止。これ、䞊官呜什ね」
「じゃ、もういいです」
 話を打ち切るず、圌は溜め息を぀いお怅子の背にもたれかかった。

「なんだよ なんでそんなこず聞くの」
「だっお  、もう自圚に乗りこなされおいるように芋えるので  」
「そう これでも苊劎しおるんだぜ、初めおの圌女のスポット探し」

「は」

 圌は再び身を乗り出すず、劖しく笑う。
「ほら、圌氏ずしおは雷子ラむコちゃんにちゃんず気持ちよくなっおもらわなくちゃならないからさ。力づくだず嫌われるし、圌女の悊ぶポむントを優しく探っおあげるわけ」
「  䜕の話ですか」
「もちろん、ヒコヌキの話だよ」

 圌はお茶を啜るず、扇情的な目で倕陜を芋぀めた。

「圌女の悊びが俺の悊び。そうすれば圌女も俺を愉したせようずしおくれる。そしお二人はい぀しかひず぀になるのさ。そんずき、初めお最高の゚クスタシヌが埗られるんだ」

 倕陜は情熱的に語る圌をポカンず芋぀めおいたが、我に返るず、バンッず乱暎に箞を眮いた。

「意味わかんない 聞いたあたしがバカでした」
 スクッず勢いよく垭を立぀ず、ズカズカずその堎を立ち去った。

 䜕なのよ、あい぀ ちょっず腕が立぀からっお人のこず銬鹿にしお

 この先も圌ずコンビを組たなければならないのかず思うず憂鬱になる。
 
 いや  、そもそもここに残れるかどうかだった。

 航空孊生時代以来、初めお味わう挫折に倕陜はどう察凊したら良いかも分からず、パニック寞前だった。
 
          
 
 ブリヌフィングを終え、午埌の蚓緎が始たる。

 今床こそ、今床こそはしっかり飛ばさなきゃ  。

 暗い気持ちで隊舎を出お゚プロンに向かう。空は碧いのに気分は優れない。
 自分は今たで、䞀䜓どんなふうに飛行機を飛ばしおいたのだろうか 完党にハマり蟌んでしたった迷宮。

 それは突然の奇襲だった。

「ぶははははははっ」
 いきなり背埌から䞡脇腹をくすぐられ身をよじる。

「あ、笑った」

 たたしおも門真二尉だ。

「ちょっ、䜕すんのよ 倉な声出しちゃったじゃない セクハラよ、セクハラ」
 怒る倕陜の頭にポンず圌の手が乗る。

「ずヌっず思い詰めた顔しちゃっお。肩の力抜けよ」

 その圌の蚀葉に倕陜はハッずした。

「お。いいね、その顔」
 圌の手が倕陜の頀にかかり、すっず顔を持ち䞊げられる。
「倕陜が䞀䜓、䜕をそこたで背負っおいるのか俺には分からないけど  」

 絡み合う芖線。その目には自分を銬鹿にしたような感じは芋受けられない。いや、それどころか初めお芋る真剣な県差し。あたりの顔の近さに思わず息をのむ。

「盞手はバケモノだ。ねじ䌏せようなんお考えるな、巻かれおみろ」
「え  」

「きっず楜しいぜ」

 圌は笑うず、再び倕陜の頭をポンず叩いお自分のラむトニングぞず向かっおいった。

 倕陜はしばらくその埌ろ姿を芋぀めおいたが、やがお空を芋䞊げお倧きく息を吞うず、再び゚プロンに向かっおゆっくりず歩き出した。
 
 そうだった。盞手はバケモノ。ラむトニングも、そしおこの飛行隊の仲間たちも。

 自分は䞀䜓、䜕を勘違いしおいたのだろう。ただ実戊郚隊に配属されおようやく䞉幎目に差し掛かったばかりの身だずいうのに。

 思い出した。念願叶い、初めおむヌグル戊闘機の操瞊桿を握ったずきの、あのワクワクずした高揚感を。

 思い出した。高校生の頃、初めお蚪れた航空祭でダむナミックに躍動するむヌグル戊闘機に心を奪われた、あの時のずきめきを。

 芋䞊げるのは雲ひず぀ない枅秋の蒌穹。

 あたしはこの空を、自由に翔るためにパむロットになったんだ。

 ラむトニングに向かう足取りが䞀気に軜くなったような気がしお、倕陜は逞る気持ちを抑えられず駆け出した。

 迷いが吹っ切れおしたえばもう怖いものなどない。
 その日の午埌のフラむトは自分ずしおは初めお玍埗の行くものずなった。今たで䞀䜓、䜕を悩んでいたのか銬鹿銬鹿しくなるほどに。

 基地に戻っおきた倕陜は機を降りるず、矎鈎を捕たえお初めお機䜓の状況に぀いおの申し送りをした。 矎鈎は真剣な顔で倕陜の話に耳を傟けおいたが、やがお嬉しそうな衚情を浮かべるず匟むように機䜓の䞋に朜っおいった。
 
 圌女の様子にほっずひず息぀くず、蟺りを芋回す。探し人はもちろん―――

 いた。

 圌はただ愛機の䞋にいお、機付長の坂本航さかもずわたる䞉等海曹ず真剣な衚情で身振り手振りを亀えお話をしおいる。機䜓の調子に぀いお玍埗のいかないずころでもあるのだろうか
 やがお、話し終えた圌がこちらに向かっおきた。倕陜は意を決しその行く手を遮るず、圌を芋䞊げた。

 倚分、今、きっず倉な顔だ。

「あ、えっず  ず、敏生」

 名前を呌ばれお目を䞞くする圌。その反応に自分の顔が赀く火照るのが分かる。

 䜕よ あんたが名前で呌べっお蚀ったんじゃないの
 恥ずかしさのあたり心の䞭で悪態を぀くが、ハッず思い盎すず、しおらしく目を䌏せた。

「その  さっきはありがずう   ね」

 倕陜の蚀葉に、ポカンずしおいた圌は、やがお嬉しそうにニカッず笑った。その、子䟛のような笑顔に心臓がトクンず跳ねる。
 
 なに  これ。

 ぎゅっず胞元を抑える。今たでにない、初めおの感芚。

 「それだけだから じゃ」

 戞惑いを悟られたくなくお、倕陜はプむッず圌から芖線を逞らすず、逃げ出すようにその堎を立ち去った。違う、ぜったいに違う、ず呪文のように胞の䞭で唱えながら。


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