メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

第話 春 ゎヌルデンりィヌク 時絊䞀幎

    原付先生

    䜕も予定がない日曜日、私はムギを連れお公園に来おいた。ポカポカな陜気。
    ただ散歩しお垰るにはもったいない。
    だけど特に䜕をするわけでもなく、ただそこにいた。

    「ムギ、眠い」
    「眠い」
    「私も」
    「蓮はい぀も寝おる」
    「晎れおる日だけ」

    それだけの䌚話をしお、二人でがんやりしおいた。

    芖界を぀ばめが暪切った。すいっず匧を描いお、電線に止たった。
    なんずなく、話しかけおみた。

    「ねえ」

    ぀ばめがこちらを向いた。

    「  通じた」

    たあね

    「ムギだけじゃないんだ」
    「知らなかったの」
    ずムギが蚀った。

    蓮は少し考えた。知らなかった、ずいうより、詊したこずがなかった。ムギがいれば十分だったから。

    「今日はどこを飛んだの」
    川の䞊、橋の䞋、駅前の朚の枝かな

    気づいたら、電線にもう䞀矜増えおいた。それからたた䞀矜。

    「なんで集たっおきおるの」
    蓮がムギに聞いた。
    「さあ。僕じゃなくお盞手に聞いおみなよ」

    蓮が質問する前に䜕か聞こえおきた気がする。声を出さずに盞手の蚀葉を受け取ろうず神経を集䞭しおみる。

    あの蟺よく飛ぶんだけど、ある日すごい火柱が䞊がっおたから印象に残っおお
    すごい火柱立っおたっお噂のあの家の
    ぞヌ、その話の子
    「ぞヌ、そんなに噂になっおるんだ 」
    「蓮、ふるふる震えおるけど倧䞈倫ほら、今日は穏やかな日穏やかな日」
    ずいうずあの子今家ないの
    無くなっおも自分で䜜るでしょ
    でもそれ、人間にできる
    「   。」
    「穏やかな日ね」

    ふるふるしおいる蓮の暪で、ムギはなんずかツバメの䌚話から意識をそらせようず蓮の手を舐めたり足に尻尟をぺちぺちしおいる。

    そこぞ、犬の散歩をしおいる女の子が暪切った。十歳くらいだろうか。蓮より䞀回り幌い。
    犬の方がリヌドを匕っ匵り、女の子が翻匄されおいた。

    「あらら、あの女の子倧倉だね」

    「ん」

    ムギの方ぞ泚意を向ける。芖線の先には犬に匕っ匵られおいる女の子がいた。

    「もう行くよねぇったら」

    犬は意に返さず自分の行きたい方向ぞ女の子を匕っ匵り続けおいる。犬より非力なのか、女の子の方がずるずるず匕っ匵られおいた。

    「蓮たちは知らないけど、僕たちは順䜍を぀けるんだよ。矀れで生掻しおたから。ボスの蚀うこずは絶察。逆に䞋ず思っおるずころからの意芋は基本的に採甚されないんだ」
    「そうなんだ」

    「ずいうこずは、あの犬が女の子よりも順䜍が高いから奜き勝手動いおるっおこず」

    「そうだろうね」

    「人さたのこずだから入っおいく必芁はないんだろうけど、なんずかしようず思ったら」
    「『あれ』をやるくらいのこずはしないずかもね、でもさ、」

    ムギが続けようず蓮の方を向くが、蓮は女の子の方ぞ歩き出しおいた。

    火事の子が歩き出したよ
    なんか空気倉わったね
    燃え尜きお凍お぀いたのかね

    ツバメだ。

    蓮は無芖しお女の子の方ぞ歩いおいく。

    「『凍お぀いた』は今の蓮にはピッタリかも」
    ムギは蓮の暪ぞ぀いお行った。

    「こんにちは」

    女の子は突然話しかけられお䜓を固めおいたが、ムギの方を芋お同じように散歩に来おいる人だず玍埗したのか硬い衚情のたた挚拶を返しおきた。

    「お名前は」
    蓮はできるだけ笑顔で続ける。
    「ミキ」
    「ミキちゃんっおいうの、いい名前ね」

    犬の方を向いた。

    「あ、その子はパン」
    「パンちゃんか。觊っおいい」

    䞀芋しお笑顔で䞁寧に確認しおいく。その提案にミキちゃんはあからさたに驚いおいた。

    「えよその人が手を䌞ばしたら噛んじゃうからやめた方がいいですよ。なかなかいうこず聞いおくれなくお困っおるくらいなんで」
    「そうなんだ」

    ミキちゃんを背にしおパンずの間に入るように立ち、䞀歩ず぀距離を詰めおいく。ポケットに入っおいた軍手の片方を䞞めお手の甲に眮き、それごず包むように装着した。
    パンたでの距離が近くなるず盞手も蓮を認識したのか吠えお嚁嚇しおきた。

    なんだお前は

    答えない。
    無蚀で目を逞らさずに距離を詰めおいく。
    パンの嚁嚇にたったく怯たない。
    パンに繋がれたリヌドを䞀気に匕っ匵りパンの顔が蓮の右手のすぐ前たで連れおこられた。
    パンは牙をむき出しにしお吠えるは噛み぀くわの倧暎れだった。
    蓮は軍手をしおいる右手を差し出しわざず噛たせる。噛んできたらさらに右手を口の奥に抌し蟌んだ。
    奥歯の方に抌し蟌たれすぎるず逆に噛むこずができない。蓮はゞッずパンを芋぀めおいる。
    パンは目が合うずさらに暎れ出した。

    「蓮の『あれ』はタカが獲物をゞッず芋おるような、奥深くたで射抜く鋭くお冷たい目をしおるんだ。恐怖しお動けなくなるほど。あの目で芋られお冷静にいられる動物は居ないんじゃないかな」

    パンは暎れる。蓮ず目が合うず今床は怯えたように暎れだした。そしお飌い䞻に助けを求めるようにクヌンず鳎き声が倉わった。
    蓮は右手をさらに抌し蟌む。
    ミキちゃんは぀いさっきの笑顔ずはたるで違うオヌラを攟぀蓮に戞惑っおいる。どうしおいいかわからなくお動けない、そんな感じだ。
    助けが来ないず悟ったパンは少しず぀おずなしくなっおいった。
    蓮の軍手には血が滲んでいる。蓮はたったく気に留めおいない。ただパンの奥底を鋭い県光で射抜き続けおいた。

    「蓮、倧䞈倫蓮」

    䜕床か呌びかけやっず反応が出た。

    「今、そのパンよりも蓮が䞊になったっお認めたよ。あずはこの女の子が蓮より䞊だっお芋せ぀けたら倧䞈倫」

    「ミキちゃん、終わったよ」

    䜕が終わったのか、ずいうか䜕か始めたのかすらわからない。気づいたら知らない人が愛犬に噛たれおいたのだからただただ驚いお動けなかった。

    蓮はミキちゃんよりも芖線を䜎く、土䞋座のようにしお頭を䞋げた。ミキちゃんの足元に額が぀きそうなくらい。パンはそれを芋おいた。
    蓮がゆっくり立ち䞊がり、ミキちゃんの手にリヌドを持たせた。

    「行っおみお」

    ミキちゃんが恐る恐るリヌドを匕いた。
    パンは぀いおきた。
    さっきたでの倧暎れが嘘みたいに、おずなしくミキちゃんの隣を歩いた。

    ミキちゃんが振り返った。目が䞞かった。
    蓮はにこっず笑っお手を振った。血の滲んだ軍手のたた。
    ミキちゃんはただ䜕が起きたかわかっおいないようだったが、深くお蟞儀をしおから歩いおいった。

    「蓮、手」
    「倧䞈倫」
    蓮はそう蚀っお぀ばめがいた方を芋た。
    もう居なかった。

    ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇


    「今床の䌑みにどっか行くか」

    朔が䌞びをしながら蚀う。ポカポカず枩かい、家の䞭にいるには勿䜓ない陜気だ。

    「特に予定はないけど」
    私は暇だけど、みんなはどうするんだろう。
    「私も特にはないかな。買い物にでも行く」
    蓮が続く。右手にテヌプを貌っおいた。
    「あれ蓮、右手」
    私が指さすず
    「これあぁ、この間公園でね、ちょっずむラッずしたから犬を締めおた」
    ず平然ず蚀った。
    「䜕しおんの」
    「人助けよ」
    それを聞いお蓮は笑いながら蚀った。
    「買い物か、俺はその日䞡手骚折する予定だから荷物は朔が持おな」
    透が蚀う。
    「こい぀らどんだけ買い物するんだ」
    「予知したわけじゃないから知らね」

    透がそう蚀った埌で

    「あ、私はゎヌルデンりィヌクで田舎のおじいちゃんのずころぞ䌚いに行こうず思っおる」

    灯がさらっず蚀った。
    「あ、そうなんだ。たしか遠いもんね」

    みんな小さく埮笑んで、小さく頷いた。

    「気を぀けお、行っおらっしゃい。お土産話埅っおるよ」
    私も笑顔で芋送った。

    ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇


    灯が垰っおきた。肌が少し焌けお小麊色よりちょっず赀めの肌になっおいた。
    「なんか赀くね」
    灯の顔を芋るなり朔の第䞀声だった。
    「日焌け止め忘れちゃっお、こんなに焌けちゃったよヌ」
    灯は腕や顔を觊れながら蚀った。
    「赀いね」
    蓮が䜕の気なく灯の肌に觊れる。蓮の手が腕に圓たった時灯は飛び䞊がった。
    「痛っ」
    「あっちゃヌ、完党に火傷だね。䜕やっおたの」
    「おじいちゃんの畑の手䌝いをね」
    「ゎヌルデンりィヌクに」
    私が同じような立堎だったらお手䌝いできるかな
    「私は遊べる時は遊びたいし䌑みたい時は䌑みたいからムリヌ」
    蓮は関わる気がなさそう。
    「ははは  」
    灯が苊笑いしおいる。
    「そういや、灯のおじいさんっお結構な幎よねただ畑できるんだ」
    「うん、他の家族からは止められおるけどね。どうしおも昔からやっおきたこずだから畑に出おないず萜ち着かないんだっお。」
    「すごい元気ね」
    呆気に取られおしたった。私も同じような幎たで熱䞭できる物を芋぀けられるだろうか
    「畑がおじいさんの仕事だろうから、無理にずっおしたうず呆けるぞ。そうやっおちゃんず続けさせるのも正解。転ぶ前に蟞めさせるのも正解」
    透がどっちも正解だず蚀う。話の䞭に入っおくるこず自䜓が珍しい。医者志望でそういう目線からの意芋かな
    「ずころで、じいさんは䜕䜜っおんだ」
    「これからの時期だったらトマトや茄子やきゅうりだよ」
    「お倏野菜いいねぇ俺、来月誕生日だから」
    「うん」
    「いや、誕生日だから」
    「うん」
    「えっず、お裟分けしおくれおもいいんだぞ」
    「じゃあお裟分けしなくおもいいのよね」
    「   。」
    「黙ったw」
    「そういや、おじいさんにはちゃんず蚀えたのか」
    「うん、ちゃんずお別れしおきたよ。これからも元気でいおねっお蚀ったら笑っおた」
    「たしか90近かったもんね」
    「うん、89だったかな」
    「䞀緒じゃん笑」
    「90たで生きおたら䜕やっおるず思う」
    「庭で盆栜」
    「じいさんかよ」
    「いや、今『90歳の自分は』っお話だったろ」
    「俺は生涯珟圹䞖界䞭を飛び回っお遊び回っおるぜ」
    「そういう双六でもやるのか」
    「飛行機に乗っおに決たっおんだろうが」
    「蓮は」
    「私私は猫ずかに逌あげお眺めおるかな」
    「飌わないのなら猫に逌を䞎えないでください」
    「じゃあ党員飌うから問題なしね。党員攟し飌いよ」
    「おおぅ」
    「柪は」
    「私私は家族や友達に囲たれお静かに過ごしおるかな。」
    「朔みたいなのがいたら間違いなく静かじゃないぞ」
    「あ  」
    「いや、『あ  』じゃねぇよ」
    「じゃあお前静かにできるか」
    「できかねる」
    「なんか䞍玔物入っおなかったか」
    「灯は」
    「私は、 私もかな。家族やみんなず楜しく過ごしおるかも」
    「家族ぐるみで仲良くしたいよねヌ」
    「ねヌ」

    灯はそう蚀っお少しだけ笑った。


    ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇ ◇◇◇◇◇


    「ねえ柪、将来䜕になりたい」

    「なんだろうね。うヌん、お医者さんや看護垫さんみたいに『人を助ける』仕事かな。『支える』っおなったら看護垫さんか介護士さんかなこの蟺はただがんやりしおるけど再来幎くらいたでには決めるよ」

    「そっか」

    灯はそれだけ蚀っお、少し笑った。

    「なんか、柪らしいね」
    「灯は」
    「私はお仕事ずかでは考えおないかも。ただ、『居おくれおありがずう。』そう蚀われるような人になりたいかな」
    「なんか難しいね笑」
    「どうやったらなれるか党然わかんない笑」
    「でもなれるよ『ただ居おくれおありがずう』っお蚀われるような人」
    「なれるかな」
    「うん」
    そうしお2人で笑った。


    第3話 日垞

    第5話

    マガゞン

     
     
     
    理孊療法士を15幎。今は銙川県内を蚪問敎䜓をしながら、小説を曞いおいたす。身䜓を敎え、蚀葉で物語を぀くる。珟実ず創䜜、その間を行ったり来たりしながら、自分の䞖界芳を曞いおいたす。 小説はマガゞンにたずめおたすのでお楜しみください☺

    あなたぞのおすすめ