小さな日々|猫の涙
朝、猫の爪を切ろうと思いつく。
私がスリッパを履いているときに限って、スリッパで爪を研ぐ。
スリッパを貫通して、爪が刺さる。
地味に痛い。
ご褒美の液状おやつを手元に置いて、いざ爪切り。
でも、今日は気分が乗らなかったらしい。
左前足と、右前足の爪を1本切ったところで終了した。
だって、すごく哀れな声で鳴くのだ。
元気に暴れられるより、罪悪感が増す。
おやつをあげながら、
「ごめんね」
「頑張ったね」と、謝ったり労ったり。
なんだか、目がウルウルしているな。
そう思った瞬間。
おやつの袋に、ぽたりと一雫。
猫は何事もなかったように、一心不乱におやつを食べ続ける。
初めて見た、猫の涙。
