「これがお望みかね」
店主がぽつりと言った
店主の横の鳥かごにはいった
1羽の小鳥が目に入った
「いいや
あたしは飼うことができないのさ」
そっけないようでいて
声は震えていた
「なるほど
あんたには
こちらがよさそうだ」
店主は
小さな小鳥をとりだした
「だから
あたしには--」
「これは生きもんじゃあない」
「えっ」
「よくできているが
つくりもんさ」
老婦人は震える手でその小鳥に触れた
真鍮とガラスでできた
一羽のゼンマイ仕掛けの小鳥
「こいつは・・・
少しだけ違う」
ゼンマイを巻くと
かすかに歯車が噛み合う
「チクタク」という音が鳴る
店主の説明を聞いた老婦人は
その小鳥を買った