
あなたへ、そして、あの日のチームへ。
あなたへ
~現場で働いたすべての仲間たちへ~
先日、私が最初に憧れた職人の先輩が、
定年を迎える前に会いに来てくれました。
その時に掛けてもらった一言が、
この文章を書くきっかけになりました。
時代は変わります。
会社も変わります。
経営も、人も、仕組みも変わります。
でも、
毎朝早く工場に入り、
パンを焼き、 売場を作り、
お客様に喜んでもらおうと積み重ねた時間だけは、 変わらないし、誰にも消せません。
私は今でも、
あの現場で一緒に汗を流していた事を
誇りに思っています。
結果だけ見れば、
うまくいかなかったこともあった。
でも、
努力まで否定されることはありません。
現場で流した汗は、
必ず誰かの暮らしを支えていました。
だから、 もし今苦しいなら、
どうか自分まで否定しないでください。
人生は、 会社より長い。
あなた自身の価値は、
会社の評価だけでは決まりません。
だから今は、
どうか休んでください。
休むことは、
逃げることではありません。
今まで、 誰かのために、
店のために、
仲間のために、
家族のために
一生懸命働いてきた。
だからこそ、
今度は自分のために時間を使ってください。
少しだけでもいい。
自分を可愛がってあげてください。
そして、 今までの自分を、
褒めてあげてください。
パンを焼いた時間も、
誰かを育てた時間も、
お客様を笑顔にした時間も、
全部あなたの人生です。
私は、
あなたが現場でどれだけ
頑張ってきたかを知っています。
だから今は、焦らなくていい。
パンは、
短い時間では焼き上がりません。
材料を一つ一つ集めて、計量し
ミキシングして生地を作り
じっくりと発酵熟成の時間をかけて
一個一個の形を整えて、
暖かい温度の中で更に時間をかけて発酵させて
最後に焼き上げる。
人も、きっと同じです。
発酵や熟成のような時間が必要です。
だから、 今は何もしなくてもいい。
また歩ける日が来たら、
その時に一歩だけ前へ進めばいい。
先輩は私に言ってくれました。
「お前は頑張ってるよ。
凄い。
大したものだ。
本当だよ。」
その言葉は、
今でも私の心に残っています。
だから今度は、
私があなたに伝えます。
今までの自分を、
どうか褒めてあげてください。
私たちは、まだ終わっていない。