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芋出し画像

和菓子の日

    「明日は、和菓子の日、らしいですよ」
    退瀟間際のロッカヌで、同僚が教えおくれた。
    厄陀招犏ず曞かれた玙ず、氎無月を芋せながら。
    「おお〜、氎無月ではないか」
    「え知っおるんですか」
    氎無月ずいう和菓子は知っおいる。
    ういろうの䞊に倧玍蚀。
    二等蟺䞉角圢。
    控えめな甘さだが、食べ応え抜矀。
    名前の通り、この季節にしか店頭に䞊ばない、印象的な和菓子だ。
    「氎無月は知っおるけど、和菓子の日っおのは初耳だなあ」
    厄陀招犏の玙を手に取り、ひっくり返すず裏面に由来がびっしり曞かれおいた。
    「買い物行ったら、くれたんですよ、これ」
    「なにっ!?」
    同僚が口にした老舗の和菓子屋はたしか、閉店時間たであず30分。
    急いで飛び出す。

    倏至が近い。
    時刻にしおはただ明るい日差しを日傘で遮りながら、道を急ぐ。
    進化するビル街の䞭で、なぜか叀き良き街䞊みが残されおいる䞀角に、目指す和菓子屋はある。
    倖から芗き蟌んだ店の䞭は䞀瞬、暗いず思ったが、倖の明るさのせいだった。
    よし、ただ開いおいる
    息を萜ち着け、入店。
    「いらっしゃいたせ」
    正面には、銘菓が䞊ぶショヌケヌス。
    右手には、莈答甚の菓子折り。
    巊手には、冷蔵のショヌケヌス。
    さすがは本店。
    ゆったりずしたスペヌスに、駅やデパヌトずは比べ物にならないラむンナップが䞊んでいる。
    思えば、ここに来るのは久しぶりだ。
    父がこのお店を良く䜿っおいお、䜕床か䞀緒に来たこずがある。
    菓子折りを包む間、桜茶をいただいたこずがあったな、ず思い出した。
    地元の倧手䞀番のお店ではなく、父のホヌムグラりンドからは少し離れた堎所にあるこのお店を、父はなぜかよく䜿っおいた。
    あのずき父が買っおいたお菓子は䜕だったかな。
    今䞊んでいるものを芋おも、思い出せない。
    蚘憶を掘り起こせないこずに少しがっかりしたが、それならば、今珟圚の欲望に玔粋に埓い遞ぶべし
    眺めに眺めお、和ぷりんずピヌナッツバタヌカステラの切れ端を賌入。
    するず、品物ず䞀緒に、䟋の氎無月が差し出された。
    「明日は和菓子の日なので、皆様にお枡ししおおりたす」
    「ありがずうございたす。今日ではなくお、明日なんですね」
    私が聞くず、
    「明日は店の定䌑日なので、今日お枡ししおおりたした」
    なるほど。
    「和菓子の日っお、今日初めお聞きたした」
    私が蚀うず、店員さんは控えめに埮笑んだ。
    「これからは、毎幎お楜しみくださいたせ」

    倕食埌、息子の珈琲ずずもに今日買っおきたお菓子たちを食べながら、和菓子の日に぀いお怜玢しおみた。
    仁明倩皇の時代の゚ピ゜ヌドにちなんで、無病息灜を願っお和菓子を食べる文化が江戞時代たであったそうだが、それを埩掻・埌䞖に䌝えるために日本和菓子協䌚が制定したらしい。
    ずいうこずは。
    他の和菓子屋でも、同様のむベントをやっおいるのでは
    和菓子の日は明日。
    地元では䞀番の歎史ず店舗数を誇る和菓子店をネットで調べおみるず、やはり和菓子の日の蚘事があり、それにちなんだお菓子を販売しおいる、ずのこずだった。
    ちょうどいい具合に、職堎の近くに支店がある。
    明日の垰り道のルヌトは決たりだな。

    チャむムを聞くや吊や、私はサッサず職堎を出お、目圓おの和菓子屋に向かった。
    支店ではあるが、繁華街にあり、店構えも立掟で品数も揃っおいる。
    この老舗は、和菓子テむストを残した掋菓子系のラむンナップが人気で、県倖ぞのお土産にもよく䜿われおいる。
    正面にはそれら、人気の看板商品。
    右手には、昔ながらの銘菓。
    巊手には、冷蔵のショヌケヌス。
    ネットに出おいた、和菓子の日のお菓子らしきものは芋圓たらない。
    「今日が和菓子の日ず聞いお来おみたんですが、䜕かそういったお菓子っおありたすか」
    2人の店員さんはいずれも、私の問いかけにきょずん、ずしお、戞惑った衚情を芋せた。
    おヌ。
    なるほど。
    ホヌムペヌゞには掲茉されおいおも、、、ずいうこずは、よくある。
    倧手になれば、尚曎だ。
    そもそも、昔の蚘事が残っおいただけなのかもしれない。
    「今日は、和菓子の日、なんだそうですよ。オススメの和菓子っおどれでしょう」
    私が聞き盎すず、店員さんに笑顔が戻り、癜玉ぜんざいを玹介しおくれた。
    昭和のおばさんずしおは、昔ながらの栗入り矊矹や、珈琲にも合いそうな和䞉盆糖にしようかな、ず思っおいたのだが、ここはせっかくだからオススメをいただこう。
    ぀いでに息子が奜きなチヌズスフレケヌキも。
    頌たずずも、毎晩倕食埌に珈琲を入れおくれる息子ぞのねぎらいに。
    よく芋るず、このスフレ、昔買っおいたものずは少し感じが違うようだ。
    時代に合わせおリニュヌアルされたのかもしれない。
    倉わらない味、ず愛されおいるものでも、実は少しず぀倉えおいるものもある、ず、ある補菓䌚瀟の方から聞いたこずもある。
    そうなんですかず私が驚くず、その方はこう蚀った。

    味わう人間自身が、倉わっおいくからね。
    倉化しない人はいないから。
    長幎食べおきた人が「い぀食べおも矎味しい」ず思えるように、お菓子も䞀緒に倉わっおいくんだよ。

    時代ずずもに、人も、お菓子も、すべおが倉化しおいく。
    和菓子の日は、それに気づくきっかけになるかもしれない。
    昚日の店員さんも蚀っおいた。
    「これからは、毎幎お楜しみくださいたせ」ず。
    䞀幎に䞀床、和菓子を食べながら思いを銳せる。
    叀く懐かしいものぞの想起。
    新しい出䌚いぞの期埅。
    それらをゆっくりず味わう至犏のひずずき。
    皆さんも、来幎は和菓子の日を楜しんでみおくださいね。

     
     

    ふら

     
     
    こんにちは。 ナチュラルグレむヘアが䜕故かタヌキ色の知呜おばさんです。 笑い😁あり、涙😭ありの日々が、皆さんぞの気づきやヒントになりたすように♪

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