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Photo bytanukichi008

猫に餌をやった

    猫に餌をやった
    点字ブロックのそばに猫は伏せていた
    最初はゴミ袋でも転がっているのかと思った
    茶虎の猫だった
    荒く、ぴーぴーと鼻息を鳴らし、目やにもこぼれていた
    僕が横を通っても身じろぎ一つせず、僕を目で追うこともしなかった
    顔がよく見えなくてライトをあてると、くしゅん、くしゅん、とくしゃみをした
    僕はこの種類の猫を知っている
    これは死ぬ間際の猫だ
    哀れんだ
    どうするべきか悩んだ
    餌をやるべきだろうか
    家に連れて帰るべきだろうか
    でもそんな事は僕の自己満足でしかない
    やはり何もせずに帰るべきだろうか
    そんな事を考えていると、ふと気づいた
    耳が切れている
    察するに、死期を悟って家から出てきた飼い猫だろう
    うちの猫もそうだった
    最後はどこかへ行ってしまった
    途端に、僕の中から家に連れて帰る選択肢が消えた
    なぜかはわからない
    結局、僕は猫に餌をやって、それで、帰った
    コンビニで買ったちゅーるを猫はぺろぺろ食べた
    4本入りを全部
    食べ終わると、猫は、僕から目をそらして、また歩道に座り込んだ
    僕は歩いて帰った




     
     
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