
【54歳・ヒラ社員】建築業界の底辺で、小生は今日も「雑用」を極めている。
小生は、54歳の建築会社社員である。 役職? もちろん、ない。永遠のヒラ社員だ。
現場に入れば、ヘルメットをかぶって資材の運搬、現場の掃除、写真撮影、書類の整理。 20代、30代の若手社員たちが「施工管理技士」として現場を仕切り、職人さんたちに指示を出している横で、小生は黙々とほうきを履き、指示された雑務をこなしている。
後輩たちは、次々と小生を追い抜いていった。 かつて小生が仕事を教えたはずの青年が、今や小生の「上司」となり、指示を出してくる。
「小生さん、ちょっとそこの片付け、やっといてもらえます?」
「はい!了解!」
不自然な笑顔で返事をしながら、小生はペコペコと頭を下げている。
「要領の悪さ」という病
なぜこうなったのか。答えは簡単だ。小生は圧倒的に「要領」が悪い。
現場の職人さんたちと酒を飲んでいて会話に入るのも下手。
要領よく立ち回って手柄を主張するのも苦手。
要領のいい後輩がスイスイと評価の階段を上っていくのを、小生はただ指をくわえて眺めてきた。
だが、そんな小生にも、ひとつだけ誇れる(? )ことがある。
「コツコツ勉強すること」だけは、やめなかった。
人より不器用な分、机に向かうしかなかったのだ。 現場が終わった後、誰もいない事務所で本を開き、休日は一人で図書館に通いつめた。
その結果、一級建築施工管理技士や二級建築士など、会社で必要とされる資格を実はいくつか持っている。
名刺に書かれた資格の文字だけを見れば、立派なベテラン技術者だ。
資格があっても、今日も現場掃除
「資格があるなら、もっと評価されるだろ?」
そう思うかもしれない。だが、現実は甘くない。 資格はあっても要領が悪い小生は、現場の責任者(所長)には任せてもらえず、結局「現場を円滑に回すための超・優秀?な雑用係」として重宝されているのがオチだ。
資格の手当で給料が数千円増えたところで、相変わらず手取りは29万円程度。
今日も年下上司にペコペコ頭を下げ、重い資材を運び、夕方には足腰をガクガクさせて帰路につく。
夜、アパートの自室で缶チューハイを開け、YouTubeを流しながら思う。
「小生の一生は、ずっとこのままなのだろうか」
それでも、小生は今日も現場に立つ
悔しくないと言えば、嘘になる。 後輩に指示されるたび、胸の奥がキュッと痛む夜もある。
だが、小生が黙々と掃除した現場は、どこよりもキレイだ。 小生が整理した書類に、不備があったことは一度もない。
誰からも評価されない雑務の中に、小生なりのプライドがある。 要領は悪いし、出世もしなかった。だけど、手抜きだけはしなかった。
54歳、独身、彼女なし、貯金少々。 世間から見れば「人生の落選組」かもしれない。
それでも小生は、今夜もYouTubeでキャンプ動画を観て心を癒やし、明日もヘルメットをかぶって現場へ向かう。
このnoteでは、そんな不器用すぎるアラフィフ建築マンの「リアルな現場の愚痴」と「ささやかな抵抗」を、徒然なるままに綴っていこうと思う。
同じように社会の片隅でペコペコ頭を下げて戦っている貴方へ。 小生の不格好な生き様が、少しでも笑いと癒やしになれば幸いである。