
【現場の胸キュン】54歳ヒラ社員、大型クレーンを操る「女性オペレーター」のギャップに心を射抜かれる。
小生は、54歳の建築会社社員である。 役職なし、手取り29万円、独身。現場の雑用を愛する永遠のヒラ社員だ。
先日、うちの現場に資材を釣り上げる「クレーン車」がやってきた。
重低音のエンジン音を響かせ、アームを空へ伸ばす黄色い怪物。 建築現場の主役とも言える重量級の重機である。
運転席から降りてきたオペレーター(操縦者)を見て、小生は思わず目を丸くした。
そこにいたのは、小柄で可愛らしい、30代後半ほどの女性オペレーターだったのだ。
ヘルメットから覗く髪、きゅっと結ばれた口元、サイズが少し大きめに見える作業着。
(ほー……こんな華奢な女性が、あの巨大なクレーンを動かすのか……)
男顔負けのプロフェッショナル
だが、感心している暇はなかった。 いざ作業が始まると、小生の甘い考えは一瞬で吹き飛んだ。
無線機から響く彼女の声は、どこまでも冷静でハキハキしている。
「吊り荷上がります。地切りヨシ!旋回入ります、周り注意してください!」
合図とともに、何トンもある鉄骨がミリ単位の精度で滑らかに空を舞う。 強風で煽られそうになる荷を、繊細なレバー操作で見事にコントロールしてみせるのだ。
強面のベテラン職人さんたちも、彼女の見事な操作感に「おぉ……腕いいじゃねぇか」と唸っている。
カッコいい。とにかく圧倒的にカッコいいのだ。
巨大な重機を意のままに操るその凛とした横顔に、小生はほうきを握りしめたまま、すっかり見とれてしまっていた。
ギャップという名の強烈なノックアウト
12時、お昼休みのチャイムが鳴る。
クレーンの運転席から降りてきた彼女に、小生はすかさず冷えたお茶を手に歩み寄った。雑用係としての本領発揮である。
「オペさん、お疲れ様です!素晴らしい操作ですね、冷たいのどうぞ」
そう言ってお茶を差し出すと、彼女はヘルメットを脱ぎ、タオルで汗をぬぐいながら——
「わぁ!小生さんありがとうございます!喉カラカラだったんです〜!」
と、さっきまでの鋭いプロの顔から一転、太陽のような満面の笑顔を見せてくれたのだ。
……お分かりいただけるだろうか。
あの巨大な重機をバリバリ動かしていたCoolな女性が、お茶1本で無邪気に喜んでくれるこのギャップ。
不覚にも、54歳ヒラ社員の心がドカンと打ち抜かれた。
(あかん、小生!相手は30代、お前は54歳!娘でもおかしくない年齢差だぞ!落ち着け小生!)
脳内でセルフ緊急警報が鳴り響く。 変なニヤケ顔にならないよう、必死で表情筋をコントロールしながら「い、いえいえ!午後もご安全に!」と引き下がるのが精一杯だった。
54歳オジサンの、ささやかな日常の彩り
もちろん、何かが始まるわけでもないし、アプローチをする度胸もない。 小生はただのアラカンヒラ社員であり、彼女はプロのクレーンオペレーターだ。
だが、殺伐としたコンクリートと鉄骨の現場で、一生懸命に汗を流し、凛と立ち向かう女性の姿を見るのは、なんとも言えず心が華やぐものである。
「今日も安全に作業が終わってよかったな」
夕方、彼女のクレーン車が現場を後にするのを見送りながら、小生は静かに胸を撫でおろした。
アパートに帰り、シャワーを浴びていつもの150円缶チューハイを開ける。
手取り29万円、独身、彼女なし。 相変わらず冴えない日常ではあるが、現場で出会うプロフェッショナルたちの格好良い姿と、ふとした笑顔に癒やされながら、小生は今日も元気に生きている。
全国の現場で働く女性オペレーターの皆さん、本当にいつもお疲れ様です。 明日もご安全に!