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旅人と精霊

    Kei

    ​そらの片隅に、「名前を失った星」がありました。

    ​その星は、誰からも呼ばれなくなったことで光を失い、冷たい影の中に沈んでいました。そこに住んでいたのは、光の精霊と、一人の旅人です。

    二人は長い時間を共に過ごしましたが、星の寿命が尽きようとした時、残酷な運命が告げられます。

    ​それは、星が消える瞬間に交わされる「二度と会えない約束」でした。

    ​星が塵に還れば、魂は宇宙の濁流に飲み込まれ、二度と同じ場所で巡り会うことはできません。旅人は震える声で、精霊の消えゆく指先を握りしめました。

    ​「行かないでくれ。君を忘れたくない」

    ​精霊は静かに微笑みました。この星の掟では、消滅の際に「最後に一つだけ叶う願い」が許されています。

    旅人は迷わず願いました。

    ​「彼女の名前を、もう一度だけこの宇宙に刻んでほしい」

    ​その瞬間、真っ暗だった足元から眩い光が溢れ出しました。失われたはずの星の名前が、数千億の火花となって宇宙の隅々まで響き渡ります。

    ​精霊の姿は光に溶けて見えなくなりましたが、旅人の心には温かな温度が残りました。約束通り、二人は二度と会うことはありません。けれど、夜空を見上げれば、そこには新しく名付けられた一番星が、今も旅人の行く先を照らしているのでした。




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    🎈お題①:「二度と会えない約束」
    🐾お題②:「最後に一つだけ叶う願い」
    ⏳お題③:「名前を失った星」




    片桐みかんさん、宜しくお願いします🙇⤵️

     
     
     

    Kei

     
     
    ★心身ともに不調の為、noteしばらくお休みします。 わたしの好きな言葉 フリードリヒ・ニーチェ 「脱皮できない蛇は滅びる。意見を取り替えていくことを妨げられた精神も同様だ。それは精神ではなくなる」 ブッダ 「犀(さい)の角のようにただ独り歩め」

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