連作詩:蒼き夢の円環
第一章:三日月の揺籠
紺碧のビロードに
星のダイヤを散りばめて
今宵も昇る 黄金の小舟
猫は静かに その背に座り
地上の灯を 見下ろしている
鈴の音ひとつ チリンと鳴らせば
流れ星がひとつ 尾を引いて
猫はあくびを ひとつ噛み殺し
小さな家の 扉を閉じる
ここは誰も知らない 空の果て
月の光に守られた 秘密の場所
猫は夢見る まだ見ぬ場所を
遥か遠くの 青いまたたきを

第二章:天使の忘れ物
街は夕暮れ
紫のドレスを纏い
一番星が またたき始める頃
ひとりの少女が 足を止めた
石畳の上に 舞い降りた奇跡
それはあまりに白く
あまりに清らかで
まるで月の光が
形を成したかのよう
空を見上げれば 無数の星々が
語りかけるように 光を増す
「これは、月の猫が落とした夢かしら」
少女はそっと 羽根を拾い上げる
温かな光が 掌に広がり
消えたはずの記憶が 蘇る

第三章:水底の記憶
その羽根は導く 深い森の奥
月を映さぬ 静寂の湖へ
少女が羽根を 水面に浮かべると
静寂は破られ 光の渦が巻く
水底深く 青き帳(とばり)の向こう
眠り続ける 古(いにしえ)の城
時を止めたまま 静かに佇む
その美しさは まるで幻
少女は知る この城の主が
かつて空を焦がれ 旅立ったことを
そして今も 三日月の揺籠で
この城の夢を 見続けていることを

エピローグ:円環の終わりと始まり
月の猫は 窓辺で毛繕(けづくろ)いをし
地上の少女は 羽根を胸に抱く
水底の城は 静かに目覚めを待ち
星々は今日も 物語を紡ぐ
空と地と水 離れているけれど
青き夢の糸で 結ばれている
円環は閉じず また新しい夜へ
終わりのない 空想の旅が始まる
みかんさん、宜しくお願いします🙇⤵️
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