
ストレスだったのか、今となっては怪しいものだ
気がついたら、5年間だった。
中学2年から始まって、高校を卒業するまで。合計でいくら盗んだのか、もう覚えていない。数えようとしたこともあるけど、途中でわからなくなった。それくらい、日常になっていた。
ヒヤッとした瞬間は何度もあった。注意を受けたこともあった。でもやめなかった。
本当に意味がわからない。自分のことなのに。
始めた理由はストレスだったのだろうか、と今では思う。いじめられていたから、逃げ場がなかったから。でも正直、今となっては怪しいものだ。本当にそれだけだったのか、自分でもよくわからない。きれいな理由をつけたいだけかもしれない。
それでも、経歴に刑罰がつかないまま高校まで卒業してしまった。
高校のころは、母親とひどく仲が悪かった。
正確には、私が一方的に嫌っていた。なんであんなに嫌だったのか、今でも本当にわからない。大きな事件があったわけじゃない。ちょっとした嫌な瞬間が積み重なって、気がついたら顔も見たくないくらいになっていた。
だから家にいる時間を減らした。
学校が終わったらバイトに行く。バイトが終わったら帰る。家にいる時間より、外にいる時間の方がずっと長かった。それが心地よかった。
その合間に、万引きをしていた。
盗ったものを家に持って帰る。自分の部屋に積み上げる。気がついたら、部屋が盗んだものの置き場みたいになっていた。欲しくて盗ったものより、気づいたら盗っていたものの方が多かったかもしれない。
それも、家に居たくない理由のひとつだったんだろうか。
部屋を見るたびに、自分のしてきたことが目に入る。でも捨てられない。買ったものと混ざって、どれが盗んだものかもわからなくなっていた。そういう部屋に帰りたくなかったのか。それとも、そんなことすら気にならなくなっていたのか。
今となっては、よくわからない。
とにかく嫌だった。家も、自分も。
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