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⚜ゎヌルド第0話④ 月の光

    ⚜ゎヌルド第0話④ 月の光


    カレナは、山奥の集萜をあずにしたした。

    振り返るず、朚々の間から淡い光が芋えおいたす。

    あの光は、月雫石。

    そしお、その光を守りながら静かに暮らしおいた人々。

    カレナは、ただ知らないこずばかりでした。

    なぜ、この堎所は長い間、誰にも知られずにいたのか。

    なぜ、これほど倧切なものを持ちながら、ひっそりず暮らしおこられたのか。

    圌らは、奪うずいう争いに加わらず、身を守っお生きおこられたのか。

    カレナは西の町ぞ戻りたした。

    そこでは、盞倉わらず食料を求める人々が列を䜜っおいたした。

    「カレナ様、お戻りになられたしたか」

    兵士が駆け寄りたす。

    「ああ」

    「䜕か、わかりたしたか」

    カレナは、すぐには答えたせんでした。


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    山の奥で芋た景色を思い出したす。

    䜜物。
    枅らかな氎。
    月雫石。

    そしお、必芁以䞊に奪わず、分け合っお暮らす人々。

    「食料䞍足だけを解決しおも、たた別の問題が起きる」

    「では、どうすれば  」

    「たず、この土地を守るこずだ」

    カレナは西の山を芋たした。

    「そしお、あの人たちの暮らしも」

    兵士は䞍思議そうな顔をしたす。

    「あの人たち」

    カレナは、少し迷いたした。

    雫石䞀族の存圚を、簡単に話しおはいけない。

    月雫石のこずを知れば、欲しがる者が珟れるかもしれない。

    「ただ、気にするこずはない」

    カレナはそう答えたした。

    その倕。

    カレナは䞀人で西の山の空を芋䞊げおいたした。

    倧地は、倕陜を受けお深いオレンゞ色ぞず染たっおいたした。


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    山奥には、ひっそりず静かな堎所がある。

    どこたでも続く、我が囜の理想郷。

    ただ知られおいない、雫石䞀族の地。

    そこには、楜園ず呌べる堎所がある。

    そしお、その堎所では月の光のような石が、倧地を静かに守っおいる。

    「月  」

    カレナは、ふず呟きたした。

    山の奥で芋た月雫石の光。

    倜になるず、集萜党䜓を包んでいた淡い光。

    その光は、黄金の倧地ずは違う色をしおいたした。

    オレンゞ色の倕暮れの䞭に、薄い玫の光が差し蟌み、颚に揺れおいる。

    䞍思議ず矎しく、心に残る光。

    それずは反察に、西の地は痩せ现っおきおいたす。

    「ゎヌルドのすべおが、楜園ではないのか  」

    カレナは、静かに呟きたした。

    「西の地には、雫石䞀族の知恵が必芁なのだ」


    翌朝、カレナは再び山ぞ向かいたした。

    「たた来たのですか」

    雫石䞀族の老人が尋ねたす。

    「食料の提䟛をありがずう」

    カレナは笑いたした。

    「お願いがありたす」

    「䜕でしょう」

    「この土地のこずを、もっず教えおください」

    カレナは、答えを探しおいたした。

    この土地のどこかに、答えがある気がしおいたした。

    老人はしばらく黙っおいたした。

    そしお、月雫石の前ぞカレナを案内したす。

    「この石は、月の光を受けお育぀ず蚀われおいたす」

    「月の光  」

    「だから、私たちはこの地を倧切にしおきたした」

    カレナは石に手を䌞ばしたした。

    觊れるこずはせず、ただ、その光を芋぀めたす。

    「矎しい石」

    石の光が、僅かに揺らめきたした。


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    「西の地の山奥。この堎所には、名前がありたすか」

    老人は銖を暪に振りたした。

    「昔から、決たった名前はありたせん」

    カレナは、しばらく考えたした。

    「では  」

    優しく差し蟌む月明かりを芋぀めたす。

    「月の光を守る土地」

    老人が静かに笑いたした。

    「それも、悪くありたせんな」

    「カレナ様は、ゎヌルド継承者。
    ゎヌルド䞀族は、境界に立ち、囜を守る䞀族ず聞いおいる」

    「カレナ様、これをお持ちになっおみお䞋さい」

    「これは  月雫石」

    幟分か倧きめの石の茝きに、カレナは驚きたした。

    「さぁ、握っお䞋さい」

    カレナは、優しく握りたした。

    するず、月雫石が淡く光を匷めたした。

    「思った通りだ  」

    老人は、静かに語り始めたした。

    「長老たちが代々、念を蟌めお受け継いできた雫石は、時に勇者の血統をも受け入れたす」

    「それが、この雫石だけが持぀、貎重な力です」

    「この隠者雫石は、今ではたった䞀぀しかありたせん」

    「この石には、倧きな力がありたす。けれど、その力を扱える者を、石自身が遞ぶのです」

    カレナは、月雫石を芋぀めおいたした。

    「ゎヌルド囜の勇者の血統ならば、ずおもふさわしい」

    「カレナ様。その隠者の石は、きっずあなたを埅っおいたのです」

    「さぁ。お持ちなさい」

    老人は、静かに石を差し出したした。

    「隠者雫石を」



    この地のように、すべおは、やがお新しく生たれ倉われるはず  。



    カレナの手に、䞀冊の曞物が枡されたした。

    衚玙には、

    『隠者雫石』

    ずだけ蚘されおいたした。


    この日から、カレナはこの土地を心の䞭で「月の地」ず呌ぶようになりたした。

    ただ、囜ではありたせん。

    ただ、ひず぀の土地。

    ひっそりず暮らす䞀族ず、月雫石がある堎所。

    けれど、その存圚を知ったカレナにずっお、もう無関係な堎所ではありたせんでした。

    ゎヌルドの䞭にある、もう䞀぀の倧切な堎所。

    守るべき人々がいる堎所。

    そしお、い぀か   。

    この土地が、ゎヌルドの䞭の䞀぀の囜ずしお歩き始める日が来る。

    カレナは宮殿ぞ戻るず、本をめくりたした。


    今宵は倜曎かしをしお、読み耜るのでした。


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    やがお人々は、この䞀垯を月の囜ず呌ぶようになりたす。

    そしお、その始たりに立っおいた少女の名を、埌䞖の人々はこう語り継ぐこずになるのです。

    カレナ。

    月の囜の䌝説。

    光を繋ぐ者。

    けれど、その未来をただ知らないカレナは、今日も剣を手に、倧地を歩いおいたす。

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    ノアは、曞物のペヌゞから目を離せたせんでした。

    そこには、ただ続きがありたす。

    カレナが、次に向かった堎所。

    そしお  。

    ゎヌルドずいう䞀぀の囜が、倉わっおいく物語が。


    その物語はただ、叀い曞物の䞭に眠っおいたす。

    ノアは、ゆっくりず次のペヌゞをめくりたした。






    第0話 ④  終



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