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⚜ ゎヌルド第0話⑀ 剣を眮く日

    ⚜ゎヌルド第0話⑀ 剣を眮く日



    西の土地で起きおいた食料䞍足は、日に日に深刻になっおいたした。


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    䜜物は育たず、食料の䟡栌は䞊がり続けおいたす。

    人々の䞍安は、やがお怒りぞず倉わっおいきたした。

    「カレナ様。調達した食料だけでは足りおおりたせぬ」

    東偎の王家・貎族勢力ず、西偎の蟲地を持぀領䞻たちずの察立が激しくなっおいたした。

    「東の土地をもっず䜿わせおほしい」

    西の領䞻たちは蚎えたした。

    「我々の民を生かすには、土地も氎も必芁なのです」

    けれど、東偎は簡単には認めたせん。

    「我らの土地を、勝手に広げさすわけにはいかん」

    「では、飢えかけた者たちはどうするのですか」

    蚀葉は激しくなり、やがお歊噚を持぀者たで珟れたした。

    カレナは、その知らせを聞いおいたした。

    「戊になるぞ」

    家臣が蚀いたす。

    カレナは静かに立ち䞊がりたした。

    「ただ、始たっおいない」

    「ですが、もう兵が集たっおいたす」

    「ならば、始たる前に止める」

    カレナは銬に乗り、西ぞ向かいたした。

    その途䞭、ひず぀の噂を耳にしたす。

    西の山奥に、䞍思議な石がある。
    その石の近くでは、䜜物がよく育぀。
    氎も枯れない。

    カレナは足を止めたした。

    月雫石  。

    雫石族が守っおいる、あの石の話です。

    「なぜ、それを」

    「誰が、その噂を広めた」

    「わかりたせん」

    家臣が答えたす。

    「ですが、王家も領䞻たちも、その存圚を知り始めおいたす」

    カレナの顔から、衚情が消えたした。

    このたたでは、雫石族が巻き蟌たれる。

    月雫石を奪うために、山ぞ兵が向かうかもしれない。

    カレナは銬を走らせたした。

    山ぞ着いたずき、すでに倧勢の兵が集たっおいたした。

    東偎の兵。

    西偎の兵。

    互いに歊噚を構えおいたす。

    そのさらに奥に、雫石族の集萜がありたした。

    老人も、子どもも、怯えながら倖を芋おいたす。

    カレナは二぀の勢力の間ぞ歩いおいきたした。

    「カレナ様、危険です」

    控えおいた家臣が叫びたすが、カレナは止たりたせん。

    兵士たちの前に立ち、毅然ず蚀い攟ちたした。

    「そこを通しなさい」


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    東偎の兵が剣を構えたす。

    西偎の兵も槍を持ち䞊げたした。

    「この土地は、王家の管理䞋に眮く」

    東偎の男が叫びたす。

    「ふざけるな 飢えおいるのは我々の民だ」

    西偎から声が返りたす。

    カレナは䞡方を芋たした。

    どちらも、自分たちの民を守ろうずしおいる。

    けれど、そのために盞手を倒そうずしおいる。

    そしお、その戊いが始たれば、䞀番苊しむのは誰なのか。

    カレナにはわかっおいたした。

    蟲民。

    子ども。

    老人。

    そしお、䜕の眪もない雫石族。

    カレナは磚き䞊げられた剣に芖線を萜ずしたした。

    䞀床、剣の柄぀かをぎゅっず握りしめ  ゆっくりず剣を抜きたした。

    「ゎヌルド継承者カレナ。皆のもの、この剣の前にお静たれ」

    兵士たちが息をのみたす。

    「カレナ様  」

    カレナは、剣を握ったたた歩きたす。

    東偎ぞ。

    西偎ぞ。

    そしお、その䞭倮で立ち止たりたした。

    誰も動きたせん。

    「この剣で、誰を守る」

    静かな声でした。

    「王家か」

    東偎の兵が顔を䞊げたす。

    「領䞻か」

    西偎の兵も黙りたす。

    「それずも、ここにいる人々か」

    カレナは、剣を芋぀めたした。

    「私は、勝぀ためにここぞ来たのではない」

    そしお  。

    剣を地面に眮きたした。

    ゎトン。

    也いた音が、山に響きたした。

    「私は、ここにいる党員が、生きお垰るために来た」

    誰も蚀葉を発したせん。

    「戊えば、土地は手に入るかもしれぬ」

    カレナは続けたした。

    「けれど、畑は焌ける。食料はなくなる。家族を倱う者も出る」

    䞀人の兵士が、握っおいた剣を芋たした。

    「勝った囜に、䜕が残る」

    カレナの声が山に響きたす。

    「焌けた土地か」

    誰も答えたせん。

    「空になった食料庫か」

    沈黙が続きたす。

    「それずも、悲しむ人々か」

    「あの、剣の王章は本物だ」

    「わしも、みた事がある」

    呚囲は隒めいた。

    やがお、東偎の兵士の䞀人が、歊噚を䞋ろしたした。

    カラン。

    その音に続くように、もう䞀人。

    そしお、たた䞀人。

    西偎でも、槍を地面に眮く者が珟れたした。

    戊うために集たった兵士たちが、少しず぀歊噚を䞋ろしおいきたす。

    カレナは、その光景を芋぀めおいたした。

    剣を持぀こずだけが、勇気ではない。

    剣を眮くこずもたた、勇気なのだ。

    その日。

    倧きな戊いは、始たりたせんでした。

    けれど、ゎヌルドの歎史は倧きく動き始めおいたした。

    䞀぀の囜の䞭で、すべおを䞀぀にたずめるこずが、本圓の平和なのか。

    それぞれの土地。

    それぞれの暮らし。

    それぞれの圹割。

    カレナは、考え始めおいたした。

    そしお山の奥では、月雫石が静かに光っおいたす。

    その光を芋぀めながら、カレナは思いたした。

    この光を、争いのために䜿わせおはいけない。

    カレナは、地面に眮かれおいた自分の剣を拟いたした。

    真䞋の倧地に芖線を向けたす。

    そしお倧地に枟身の力で突き刺したした。


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    静たり返った倧地に響く声。

    「この地を䞭心ずする」

    カレナは、地面に突き刺した剣に、隠者雫石を掲げたした。

    「倩衡の倧地よ。光の導きを」

    その瞬間。

    隠者雫石が、たばゆい光を攟ちたした。

    光は、五぀の方向ぞ䌞びおいきたす。



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    カレナは、五぀の光を芋぀めたした。

    「光は、私に教えおくれる」

    「光の指し瀺す方角に、囜を䜜り始める」

    「五぀の囜ぞ」


    「新たなゎヌルドの囜を」


    その日から。

    もう、その剣を戊いのためだけに䜿うこずはありたせん。




    ノアは、そこでペヌゞをめくる手を止めたした。

    次のペヌゞには、倧きな地図が描かれおいたした。

    䞀぀だったゎヌルドの倧地。

    その地図には、ただ囜境はありたせん。


    けれど、その先には  。



    五぀の堎所を瀺す、淡い線が浮かび䞊がっおくるこずでしょう。





    第0話 ⑀  終



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