
24-企業の「ホワイト度」とモチベーションは無関係だった
2度目の転職から3か月。
新しい勤務先は前勤務先とは比較にならないほどホワイトな環境でした。
勤務形態はフレックス。
残業は基本ゼロ。
なんと有休は入社初日から付与されていました。
前職では考えらないサプライズでした。
ただ、このような環境の下でも気持ちが晴れることはありませんでした。
企業の「ホワイト度」とモチベーションは全くの無関係だったのです。
1.完璧すぎる環境なのに満たされない心
新しい勤務先は「まともな人」が集まっている印象でした。
日々の業務でパワハラの「パ」の字も感じることはありません。
不機嫌そうな人や怒りっぽい人も見たことがありません。
会議や打ち合わせの頻度は減り、上司から激詰めされるストレスから解放されました。
残念ながら、このような環境の中でも心が満たされることはありませんでした。
一担当者としてのスタート。
もちろん部下はひとりもいません。
慣れない業務を教わりながら続ける日々。
プレッシャーがない代わりに達成感もない。
定型業務を忙しくこなす中で感じるある種の退屈さ。
会社員として30年以上働き続けた自分にとって仕事とは一体何なのか?
自問自答し続ける日々が続いているのです。
2.「昇進・昇格なし」という残酷な安定
新しい勤務先の業績は絶好調のようです。
業績拡大に伴い採用も非常に積極的です。
新卒から50代の中途採用まで幅広い人材を採用しています。
今回の転職は「組織の変革期」という大きな流れの中で決まったのでしょう。
ただ、50代の中途採用に期待しているのは、組織改革やイノベーションではありませんでした。
求められているのはひとつだけ。
それは「波風立てずに決められた枠組みを維持すること」
つまり、組織の歯車の1つとして正常に機能することだったのです。
幸い、人事制度は比較的マイルドなようで、よほどのことがない限り一方的で激しい降格はないようです。
1社目、2社目で底なしで激しい収入減を経験していただけに、マイルドな評価制度は数少ない安心材料ではありました。
それは同時に、昇給昇格の可能性が事実上消滅していることを意味していました。
どれだけがんばって成果を出しても手取りが増えることはありません。
やることをやってプラマイゼロ。
この「残酷な安定」こそが50代中途採用の現実なのです。
前勤務先はブラックでした。
「これだけひどい経験をすれば次の職場は天国だろう」と思っていました。
現実は違いました。
地獄ではないにせよ天国とは程遠い世界だったのです。
3.「目標がない」という恐怖
自分を苦しめているものは何なのか?
それは、会社員として「目標」を見出せないことです。
出世したい、収入を上げたい、家族を幸せにしたい…
若いころは、明確な目標がありました。
これらは実現不可能な目標ではありませんでした。
しかし、50代となり状況は一変しました。
事実上の降格に底の見えない収入減。
家族を幸せにするどころか経済的に苦しめてしまう結果となってしまったのです。
もはや会社員を続ける限り「最低限の生活」から抜け出すことが困難となりました。
そこに会社員としての限界をイヤでも感じてしまうのです。
「定時まで時間を潰せばいいなんて最高の環境じゃないか!」
「それは贅沢な悩みでは?」
と思う人がいるかもしれません。
ただ、今日という1日を「定時をむかえるためだけ」に消費する。
自分の人生の残り時間を、切り売りしているような感覚。
実際にその立場になってみると、一種の精神的拷問に近いものがあるのです。
4.ホワイト企業は「箱」にすぎない
「週4勤務が妥当」
「テレワークが認められない会社はどうなの?」
「年間休日120日未満はありえない」
多くの人が「ホワイト企業に行けば幸せになれる」と盲信しています。
しかし、ホワイト企業が提供してくれるのは、あくまで「理不尽な苦痛がない」という消極的な環境に過ぎません。
働く喜びや、自己効力感、明日も会社に行きたいと思えるモチベーションは、ホワイトな環境とは全く別の次元にあるのです。