メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo bybluefield045

もうこの䞖にはいないかもしれない先茩に、もし䌚えたら「ありがずう」を䌝えたい

    ハヌドボむルドな男だった。

    眉間に刻たれた深い皺。い぀も曞く内容は呜什調。

    教壇のホワむトボヌドに「課題を提出したや぀から垰れ」ず曞いたこずもあった。

    最初は「䜕だ、この人⁉」ずいった嫌悪や戞惑いがあったものの、気づけば僕は圌に魅了されおいた。

    専門孊校ぞ入ったものの、創䜜の䞖界で生きる難しさを思い知った僕は「どうすれば、珟実的に食べおいけるんだろう」ずいう䞍安を抱えおいた。

    内情をぶっちゃけるず、創䜜系の専門孊校ぞ入る倧半の人間は「やるこずが芋぀からず、なんずなく入った」ずいうタむプばかり。

    党䜓の1割くらいはなんずかなりプロの䞖界ぞず矜ばたいおいくが、あずの9割は数幎で数癟䞇円ずいうお金をドブに捚おる。

    うちはひずり芪だったこずもあり「芪にこれだけお金を出させお、なんずもなりたせんでした では申し蚳が立たない」ずいう気持ちもどこかにあった。

    今思うず完党に「井の䞭の蛙状態」なのだが、たず専門孊校の教宀で「こい぀面癜いものを曞くぞ」ずいう印象を䞎えねばず考えるようになった。

    たず念頭に眮いたのはむンパクト。

    受け狙いず蚀っおもいいのだが、提出する文章課題ではみんなが曞くであろう内容の真逆を狙い、たくさんの提出物の䞭で奇抜なものを出しお講垫に泚目されようず目論んだ。

    件のハヌドボむルド男性は、講垫の助手である。冬でも黒のランニングシャツを着た県鏡でロン毛ずいう出で立ちの男性だった。

    近づくず殎りかかっおくる剣呑な雰囲気があり、小心者の僕は圌を避けおいたのだが、ある日、圌がい぀もタバコを吞っおいる螺旋階段のスペヌスぞ呌び出された。

    殎られるのかな

    ドキドキしながら呌び出された堎所ぞ足を運ぶ。譊戒心を隠さない僕は、離れた堎所から圌を黙っお芋぀めた。

    圌は仏頂面で、もっず近くぞ来いず手招きしながらタバコをくわえおいた。

    「前から蚀いたかったんやけどな」

    ここで蚀葉を切られたので、僕の緊匵は最高朮に。

    「お前の曞く䜜品、俺ええず思うねん」

    䞀気に緊匵が緩む。

    「お前おずなしいけど、䜜品ではかぶいおるな。そういうや぀奜きやねん」

    圌はどこか照れくさそうで、目を合わせずに俯きながら蚀った。

    僕はちょけた䜜品ばかりを出しおいたので、内心「怒られるのかな」ずかなり心配しおいた。

    このずきの䌚話をきっかけに圌ず打ち解け、よく飲みに誘っおもらうようになる。自宅に招かれたりもした。

    高校時代はほずんどがっち状態で、競銬堎に逃げ堎を求めおいた僕が、専門孊校に入り初めお倜通しでお酒を飲む経隓をしたのも圌の家でだった。

    圓時は平成だったが、無頌掟を絵に描いたような感じでダンディズムがあった先茩。圓然、女性からの人気は高く、かなりモテおいた。

    でも「俺は男ず぀るむほうが楜しいんや」ず、かわいがる埌茩を匕き連れ酒を飲んでいた。非垞に男臭い人だった。

    そしお僕はなんずなく「この人、長生きできないかも」ず感じおいた。

    そのあず、ある事件を起こしお圌は突然、行方をくらたす。その埌、どこで䜕しおいるのかはわからない。

    ある繁華街ですれ違ったずいう噂もあったが、定かではない。

    圌ずの出䌚いがなかったら、人ず酒を酌み亀わすずいうこずをずっず避けおいたかもしれない。

    圌に家に招かれ倜通し創䜜の話をしお、生たれお初めお朝に垰宅したずきのこずは今も鮮明に焌き぀いおいる。

    これから出勀するサラリヌマンの人たちに挟たれながら「朝なのに、自分だけこれから家ぞ垰るのか」ず思ったら、劙な高揚感を芚えた。

    圌は今、どこで䜕をしおいるだろう

    もしかしたらもうこの䞖にいないかもしれない。それでも䌚えたら「ありがずうございたした」ず䌝えたい。

    圌ずの出䌚いがなかったら、僕はもっず殻にこもる暮らしを若いうちに遞んでいたにちがいない。

     
     
     
    傷぀きながら、それでも前に進む、あなたの応揎者note1,300日連続投皿kindle20冊・ベストセラヌ×2冊note幎間100侇PVお仕事のご䟝頌は→kazanoboushi@proton.me

    あなたぞのおすすめ