メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo byikepon_ikd

ここで働かせてください

    社長との面接 ― ここで働きたいと思えた瞬間


    二次面接は、まさかの社長面接だった。
    ドアを開ける前から心臓がバクバクして、手のひらにじんわり汗がにじむ。

    けれど、目の前に現れた社長は、とても穏やかで柔らかい空気をまとった人だった。
    少し話しただけで、「あ、この人は信じられる」と直感で思えた。

    ⸻

    コンプレックスを受け止めてくれた


    社長は私の職務経歴書を手に取り、にこやかに言った。
    「新卒で入った会社は合わなかったんだね。今は工場で2年間働いてるんだね。」

    私がずっとコンプレックスに感じていた経歴を、否定せず、ただ事実として受け止めてくれた。
    その一言で、心がスッと軽くなった気がした。

    ⸻



    せっかくの社長面接。
    私は必死に下調べをして、聞かれたことには全力で答えた。

    最後に「なにか聞きたいことはある?」と聞かれ、私は勇気を出して尋ねた。
    「社長が今まで見た結婚式の中で、一番感動したものはなんですか?」

    すると社長は少し笑って、静かに答えた。
    「一番はないんだよ。すべてのカップルはみんな違うからね。
    結婚式で“普段のふたり”の顔が見える瞬間。僕たちは、そんな二人の光を残したいと思っている。」


    その言葉を聞いた瞬間、なぜか涙がこみ上げてきた。
    ――そうだ。私も、色褪せない“二人だけの写真”を残したい。

    その場で強く思った。
    「この人の下で働きたい」
    「この会社で、自分のカメラマン人生を始めたい」

    心の奥で、はっきりと決意が固まった瞬間だった。

     
     
    写真を仕事にして生きてます。 会社員を辞めて、色々あってフリーランスフォトグラファーへ。 思ってたより全然キラキラしてなかったけど それでもこの仕事が好き! フリーランスの仕事とお金、写真、人生のことを実体験から書いていきます。

    あなたへのおすすめ