採用の知らせ
その日は、工場でいつも通りの作業をしていた。
いつもと変わらない日常の中、突然ポケットの中で携帯が震える。
「知らない番号だ…」
一瞬ためらったけれど、思い切って電話を取った。
電話口の男性は、のちに私の上司であり師匠になる人の声だった。
「採用させていただきたく思いますので、また詳細ご連絡させていただきます」
その言葉を聞いた瞬間、世界がぱっと開けた気がした。
胸がいっぱいになり、嬉しさとワクワクで心臓が飛び出しそうになる。
「やった……!ついに掴んだんだ!」
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けれど、もう一つの悩みがあった。
その喜びの余韻に浸ったのも束の間。
すぐに、胸の奥から別の感情がじわじわと広がってきた。
実は私は、県外のブライダル会社を受けに行ったことを両親に話していなかった。
「どうやって親に伝えよう」
「反対されたらどうしよう」
せっかく夢への切符を掴んだのに、喜びと同じくらい大きな不安が押し寄せてきた。
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新しい壁
内定をもらえたことで、新しい人生が動き出そうとしている。
でもその前に、避けて通れない大きな壁が待っていた。
それは――両親への報告だった。
夢を追いたい気持ちと、家族の想い。
その狭間で、私は大きな葛藤を抱えることになった。