
ブライダルフォトグラファーへの挑戦
ブライダルフォトグラファー。
正直、それまで一度も考えたことがなかった。
けれど求人票には、こんな言葉が並んでいた。
「カメラマン未経験でもOK」
「写真を撮るのが好き、人を撮ることが好きなら大丈夫」
「プロのカメラマンがサポートします」
「結婚式という大切なイベントを残す素敵なお仕事です」
その文章を読んでいるうちに、胸の奥がじんわりと熱くなった。
――これだ。ここなら挑戦できるかもしれない。
気づけば、すぐに履歴書を書いて送っていた。
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面接へ向かう決意
数日後、会社から「ぜひ面接に来てください」との返事。
場所は、地元から新幹線で1時間ほどの県外。
受かれば、初めての一人暮らしになる。
正直、お金はあまりない。
でも、地元に戻ってまた工場に勤めても、何も変わらない気がした。
「お金は後から作れる。けれど、今しかできない経験は今しかできない」
そう自分に言い聞かせて、新幹線の切符をぎゅっと握りしめた。
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面接の日
会社に着くと、優しそうな男性が二人、笑顔で迎えてくれた。
今までの経歴を聞かれ、私が撮った写真を一枚一枚丁寧に見てくれる。
「どうして写真が好きなの?」と尋ねられた時、言葉が止まらなくなった。
高校生の時に初めて胸を張れる結果を出せたこと。
それが写真だったこと。
ファインダーを覗き込み、夢中になれる瞬間があったこと。
写真を通して、県外の友達ができたこと…
気恥ずかしいほど熱く語り、気づけば目に涙がにじんでいた。
面接というより、大好きなことを友達に話しているような時間。
その日は胸いっぱいの気持ちで帰路についた。
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三日後、一次面接通過の連絡が届いた。
「やった…!」思わず声が漏れる。
そして一週間後、再び新幹線に乗って会社へ向かった。
――この道の先に、自分の未来がある。
次回、社長との面接でかけられた“ある言葉”が、私の人生を大きく動かしていく――。