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背番号の重み

    息子が、泥だらけの鞄から小さな布切れを取り出した。

    手渡されたのは、背番号「20」

    高校一年生の息子が、この夏の大会でベンチに入れるなんて、正直思ってもみなかった。

    三年生にとっては、泣いても笑っても最後の夏だ。

    背負うものの重みが、一年生とはまるで違う。

    それでも、目指す場所はみんな同じなのだと、息子の真っ直ぐな目が語っていた。

    試合に出られる確率は、限りなく低いかもしれない。

    それでも息子は、「いつでもいける準備はしておく」と言い切る。

    グラウンドに立てなくても、声が枯れるまで先輩たちを鼓舞するのだと。

    「先輩も後輩も関係ないからな」

    そう言って背中を押してくれた先輩たちのために。

    同じように汗を流したチームのために。

    そして、惜しくもメンバーを外れてしまった仲間のために。

    「自分にできることは、全部やる」

    その意気込みを頼もしく思う反面、親としてはどこか胸が締め付けられる。

    高校野球の時間は、本当に一瞬で駆け抜けていってしまうことを、きっと息子自身もどこかで分かっているのだろう。

    だからこそ、この貴重な舞台を用意してくれた監督への感謝が、彼の姿勢から滲み出ている。

    どれだけ努力を重ねても、試合が終われば必ず、
    勝つ者と、負ける者が生まれる。

    それが勝負の世界だ。

    先輩たちの夏のために。

    チームの勝利のために。

    そして、これからの自分自身のために。

    泥と汗にまみれたその背番号で、全力の夏を駆け抜けてほしい。

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    高卒・元問題児の父。勉強を教えず「自立した子」に育てる15年の記録。息子の野球に親子で没頭し、野球を通じて子どもが成長していける、僕なりの考え方、実践方法を書いてます。おかげさまで沢山の方に読んでいただいて感謝しております。子育ては親の覚悟があれば子どもは立派に育ってくれます。

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