
『最高速度』 / 『ヒロカズとは何か〜その数奇な人生と、愛おしき生態〜』⑯
最後までONE PIECEの話で恐縮なのだが、
私の人生の教科書なのでご容赦願う。
第130話『最高速度』という回の話をしたい。
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麦わらの一味の船にその時乗り合わせていたアラバスタ王国の王女ビビは、政争が激化する祖国への道のりを急いでいた。
しかしそんな折に航海士のナミが謎の高熱を発症してしまう。
体調のすぐれないナミであったが、甲板にて空気の変化を察知して船をサイクロンの危機から救う。
祖国の状況に一刻の猶予もないと感じていた王女ビビだが、そんなナミの航海士としての実力を目の当たりし、彼女の病気を治すことこそがこの船の『最高速度』だと宣言し、一行は船医を探しに行くことになるというお話である。
この連載では私のズッコケエピソードたちを紹介してきた。
そして最新のズッコケであるところのプリンセスちゃんとの激闘を経て、私は良い意味で吹っ切れた。
恋愛で失敗しては、そのズッコケを何らかの作品に昇華し、それを自分で楽しんでいただけの私だが、それらをしっかりと世に出すことにちょいと本気になってみようというマインドに至ったのである。
そして、卑しく恋を直接追いかけ回すのではなく、ズッコケを昇華し、世の中に出していこうと足掻くことこそが『僕の世界観を全力で肯定してくれる彼女』と幸せになるための『最高速度』を出す術なのではないかと思っているのだ。
全てのズッコケたちがくれた教訓が、今の私の血となり肉となっている。
そして、私は家族や、
「こんなのあったら面白そう」は「作っちゃえばいい」と気づかせてくれためいじくんをはじめ、
本書には書き切れなかったたくさんの出会いから、それらをエンターテイメントとして形にする能力を授かっている。
私が生まれてきてから経験した全てへの感謝を胸に、
私は「私のONE PIECE」を見つけ出す航海へと、今まさに漕ぎ出したところなのだ。
きっとそれは私にだけ起こった出来事ではない。
誰もがみんなそれぞれの航海の途中で、そんな流れの中にいるのだと思う。
そして私は、
どう間違っても
「ONE PIECE」とは「俺」のことではないことを、
さすがにもう分かっている。