
#140字小説『名推理』
ひさしぶりに #140字小説 を書いてみることにしました。
140字小説は旧ツイッター発祥の文化で、文字通り140字以内で書く小説です。あまりに短いので「小説とは、なんぞや?」を考えさせられるのですが、みなさん自由にやっています。
ぼくも自由にやります。
で、今回は……
・ミステリーを書きたい!
・恋愛要素もほしい!
・作品の枠外に残る余韻もほしい!
という贅沢を盛り込んでみることにしました。
おりゃ!
【名推理】
刑事の息子・太郎は、よく推理を求められる。
隣席のミキに「なぜユカなんかがモテるのか」と問われ、ユカの外見や言動から男子が好む傾向を分析、説明した。
さらに続けようとすると…遮られた。
「あんたもユカが好きなんだね」
ミキは優秀な刑事の娘に違いない。
文字数圧縮のために登場人物の名前が短くなりがちなのが140字小説の特色ですね!
とはいえ最初から健とか茜とか優とか玲といった1文字の名前にしてしまうと、あとで余裕がなくなります。名前の1文字化は圧縮限界への備え、最後の手段としてとっておきます。
ちなみに「寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの、長久命の長助」は122文字なので、彼について140字小説で語ることは不可能ではありません。
ぼくはやらないけどね!
なお、今回はいきなり140字に詰め込んで書こうとはせず、まずはショートショートとして原文を用意しました。
刑事の息子だと知られて以来、太郎は推理を求められることがあった。
依頼者は身近な男子ばかり。
その「頼み」といえば、失くし物の在処や中間試験の出題、流行のアニメの今後の展開といった他愛のないもの。
とはいえ刑事は推理が仕事ではないし、息子だからって何かを継いでいるわけでもない。
だから太郎は具体的には答えず、複数の可能性を提示することでごまかしていた。
しかし、隣席の女子・ミキに「なんでユカなんかがモテるのよ?」と問われたときは違った。
太郎はユカの外見や日常の言動などに着目、他の女子たちに比べてユカが男子に好まれる傾向を分析し、丁寧に説明した。
なんだか不服そうにしているミキを見た太郎は、さらに続けようとしたが…遮られた。
「あんたもユカのことが好きなんだね」
太郎は「負けた」と思った。
きっとミキは、優秀な刑事の娘に違いない。
この375字を140字に圧縮したわけです。
編集者はこういうの得意!
ところで原文では「中間試験」というワードによって彼らが学生であることを示していたのですが、140字に圧縮したときに抜け落ちてしまっています。
まあ話題そのものがしょーもないことで子どもっぽさが出てはいるのですが、それすなわち、この140字小説もしょーもない子どもっぽいものだということなのでしたギャフン。
さて、余韻として文章の外側に気になる部分を作ったのが、どう解釈されるかが気になります。まず、いまや著名な相談相手となったチャッピーさんことChatGPTに訊いてみましょう。

ミキさんの心中や如何に!?
あなたも書こう、140字小説を!
(おしまい)