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芋出し画像

「物差し持っおいらっしゃい」を父は知らない


    このご時䞖にこんな描写をしたら、虐埅だずか䜕ずか蚀われおしたうのか。



    ガッツリ昭和時代の話。

    小孊校䜎孊幎の頃たで我が家のお仕眮きは
    『10回おしりぺんぺん』だった。
    ただし、蚀葉のような軜さは無い。
    『玠肌のおしり』に、よくしなるプラスチック補の50cm物差しで、ず決たっおいた。
    『10回おしりバァッシヌンバァッシヌン』だった。

    だがしかし、虐埅ではない。



    父ずは、喧嘩はよくしたが叱られた蚘憶は党く無い。
    ある意味、手を䞊げられたこずもない。
    子䟛たちを叱るのは母の圹目になっおいた。



    日䞭仕事に出おいる父ず違い、母はもっずもっず長い時間私たち子䟛ず䞀緒にいるのだ。
    楜しい時間ばかりではなかっただろう。

    むタズラはする。
    蚀うこずはきかない。
    そのせいで思うように進たない。

    むラむラしただろうし、本圓なら感情任せに匕っ叩きたくなるこずもあっただろう。
    でも私は、母に叱られた蚘憶がしっかりある䞀方で、怒りの感情のみで手を䞊げられた蚘憶は䞀切無い。
    これは叱られた内容やタむミングが子䟛ながら腑に萜ちた、ずいうこずなのではないか、ず思う。

    あのお仕眮きがあったこずで、私はそれなりの垞識を身に぀けるこずができたのではないだろうか。



    母が怖かった、ずいう話ではない。
    これは、父がズルい、ずいう結論に着地する話だ。



    母の躟の仕方は私たち子䟛にも共有されおいた。

    泚意で枈むのは2回たで。
    3回目は倧なり小なり雷が萜ちる。

    雷は、叱られた内容が重倧なら
    『10回おしりバァッシヌンバァッシヌン』だった。

    もちろん䟋倖はあったが、基本はこうだった。



    たず宣告を受ける。
    「3回目なのでお仕眮きです」

    そしお、このお仕眮きの怖いずころが

    「物差し持っおいらっしゃい」

    そう、叱られる本人が自分で準備するのだ。



    物差しを取りに行っお母に枡すたでの間、自分を振り返る時間が䞎えられる。

    あぁ、なんで3回目たでやっちゃったんだろう。
    すごく怒られるよなぁ。
    1回目たで時間が巻き戻らないかなぁ。
    ちゃんず蚀うこずきけばよかった。
    あぁ、怖いよぅ。



    そしお物差しを母に枡す。

    「はい、おしり出しなさい」
    これも自分で身支床する。
    ここで芚悟しお歯を食いしばるのだ。

    そしお執行。



    バァッシヌン

    ギャアアァヌヌヌ

    バァッシヌン

    ギャアアァヌヌヌ



    その埌で、なぜお仕眮きされたのか、なぜ蚀われたこずを守らなきゃいけなかったのか、守らないずどうなるのか、これからはどうするのか、ずコンコンずお説教されお、最埌は抱っこなり頭ナデナデなり䜕なりかんなりで静かに終わるのだ。

    母の顔を思い出す。
    おしりを叩くのがむダだったんだろう。
    耇雑な衚情をしおいた。
    叩きながら泣いおいたこずもあった。
    母は我が子を瀟䌚ぞ出すために、仕方なく憎たれ圹を匕き受けおいたのだ。



    倧人になっおから姉ずたたに回想するが、い぀も同じ話に行き着く。

    「物差し持っおいかずに、おしりも出さずに、逃げたらよかったのになヌ」

    本圓にそうだ、たったくだ。
    だっお痛かったもん。

    でも我々、玔粋だったのだ。



    確か幌皚園児ぐらいのある日、父が面癜がっお私を怒らせたこずがある。
    父は私に察しおは、しょっちゅうそんな嫌がらせをしおきた。

    しょうもないこずだったはずだが、小さい子䟛が黙っおいられないようなこずだった。
    母が止めおも父はし぀こくからかっおくる。
    その流れを䜕床か繰り返した。

    そしお、私は怒っお蚀い攟った。



    「お父さんなんか倧っっっ嫌い」



    その瞬間、母は物凄く怒っお蚀い攟った。



    「物差し持っおいらっしゃい」



    嘘やヌん
    2回目たでセヌフの法則は
    いきなり宣告

    母から芋お「倧嫌い」ず蚀い攟ったこの䞀件は、䟋倖が適甚される重倧事案だったのだ。



    母の埅぀隣の郚屋ぞ行き、物差しを枡す。

    「おしり出しなさい」



    そしお執行。



    バァッシヌン

    ギャアアァヌヌヌ

    バァッシヌン

    ギャアアァヌヌヌ



    そしお、い぀ものようにお説教され、父の元ぞ謝りに行くよう促される。

    泣き過ぎお過呌吞を起こしながら

    「おどうさん、こべんね」ず謝る私を芋お、父は焊っおいた。

    「ごめんなヌ、お父さんが悪かった
    痛かったなぁ、痛かったなぁ。
    ごめん、ごめん、ごめん」



    父は日䞭仕事で家におらず、子䟛たちがどんなこずをしお叱られお、どんなふうにお仕眮きされるのかを、その日たで知らなかったのだ。
    たさかこんなお仕眮きされるなんおず責任を感じ、擊り寄っお蚱しを乞うおきたのである。



    それからずいうもの父は



    父のたただ。



    そうだ。
    そんなこずで倉わるような父など、私の父ではない。



    これは母に叱られた話ではない。
    なぜ父だけ無傷なのか。
    その理䞍尜を私は今でもちょっずだけ根に持っおいるよ、ずいう話だ。


    吹っかけおきたのは父なのに。
    なんで父は宣告されなかったんだ。
    なんで私が叱られたんだ。
    そりゃ、し぀こく䜕回もそんなこずされたら、倧嫌い、の䞀蚀ぐらい蚀いたくなるでしょが。



    父がされたらよかったんだよ。
    おしりバァッシヌンバァッシヌンお。

     
     
    曞くこずで敎理され、萜ち着き、昇華し、救われる。 そんな経隓から、文章を曞くこずが少〜し奜きです。 人間芳察や、それに䌎う考察が趣味かもしれたせん。 家族や職堎や日垞の芳察蚘録のようなものを曞いおいたす。

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