
子どもが大人向けの本を読むの、実は“損”かもしれない理由
「あの子、大人(一般)向けの本読んでてすごい」
子どもの頃、同級生にそう思うことはなかっただろうか。
だが、私は言いたい。
子どもは子ども向けの作品を読んだほうがいいと。
子どもの頃、講談社の青い鳥文庫やポプラ社のポプラポケット文庫など、
子ども向けの本ばかりを読んでいた。
そして、難しそうな本を読んでいる子を見ては
「○○ちゃん、すごいな…」そう思っていた。
あれから、数十年。
大人になった私は子ども向けではなく、
大人(一般)向けの作品を読んでいる。
そんなある日、
昔好きだった児童小説が10年ぶりの新刊発売。
これを機に、一巻から再読してみよう。
そうして、数十年ぶりに昔懐かしき本を開いた。
……良かった。
だが、少し物足りなさを感じてしまった。
「……良かった("思い出補正"込み)。」
そういった感じなのである。
子ども向けの本は、
大人(一般)向けより文章が短いので
すぐに問題が解決する。
都合よく主人公が助かったり、良い成績をおさめてしまう。
これは子ども向け作品が劣っているということではない。
子どもが読む作品ならば、
「分かりやすさ」や「飽きないテンポ感」が重要視されるのは当然である。
だが、大人になった今では
もう少し深みを欲してしまうのである。
また、大人になると大人の視点が入り込む。
ここのお金事情はどうなっているのか?
これ子どもに労働させてない?
大の大人が他人の子にここまで関わるの?
昔は純粋に楽しめたものに
ノイズが入り込んでどうも集中できない。
「ポケモン」で言うならばこんな感じである。
サトシの旅費ってどうなってるの?
ポケモンセンターが無料とか経営大丈夫?
たったの10歳で一人旅始めるの?
あの頃は何も疑問に思わなかったものが
ノイズとして頭の片隅に居座っている。
子ども向けの本は
子どもが読んでこそ面白さを感じられるのだ。
「かいけつゾロリ」を
大人になってから読むのと小2で読むのと
どっちが面白いかという話である。
一方、子どもから大人まで幅広く支持されている大人(一般)向け作品は
大人になってからでも十分楽しめる。
むしろ、大人になってからのほうが
深読みや自分なりの解釈ができて面白い。
子どもは人生経験の浅さゆえ、理解が難しいこともある。
過去に親しんだ作品ならば
"思い出補正"の力を借りれば楽しめる。
しかし、その"思い出補正"をもってしても
あの頃に感じたあの体験は
もう二度と得ることはできない。
だから、子どもにはこう伝えたい。
たくさんの子ども向け作品に触れておいたほうがいい。
その作品を最大限楽しめるのは今だけなのだから。