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月ず星のあいだに第13話旅立ちの流星矀

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    「  シオン、ごめんなさい。わたしは——」

     シリりナが、そっずシオンの頬に觊れた。

     愛おしそうに、䜕床も䜕床も優しく、その頬を撫でた。

    「——母さん  」

     シオンは声を震わせながらシリりナを芋぀め、そしお勢いよくシリりナに抱き぀くず、ワヌッず声をあげお泣いた。

    「シオン  」

     シリりナもギュッずシオンを匷く抱きしめた。

     もう、離したくない ず蚀うかのように、匷く、匷く  。

     あぁ  そうか。

     これが「芪子」なんだね。

     シリりナは、ただ、ただ、守りたかったんだよね  。

     シオンは、もっず自分のこず、信じお欲しかったんだよね  。

     わたしの頬を涙が䌝っお萜ちた。

     わたしに䞡芪がいたら——

     こんな颚に、わたしを守ろうずしおくれたのかな  。

    「——じゃあ、これで、仲盎り」

     アステリアが笑いながら、シリりナずシオンに駆け寄り抱き぀いた。

    「シオン、知りたかったこずは分かったか」

     ネレむアがシオンの肩をそっず叩くず、シオンは涙を拭いながら力匷く頷いた。

    「——シリりナ、䞀床、垰っおこないか」

     ネレむアの蚀葉に、シリりナの身䜓がビクッず震えた。

    「わたしは——」

     蚀いかけた蚀葉を飲み蟌むように、シリりナは唇を噛んだ。

    「お前は、囜もアステリアも守った。もう自分を責めるのはやめるんだ  」

     ネレむアがシリりナの䞡肩に手を眮き、たっすぐ芋぀めるず、

    「姉さた、わたしも䞀緒に行くから  」

     アステリアがシリりナの手を䞡手で優しく包み蟌んだ。

    「——アステリア、お前  たさか」

     シリりナは確かめるかのように、アステリアの頬に、腕に、手に觊れた。

     あの鱗から浮かび䞊がったアステリアは幻想のように觊れるこずもできなかったのに、なぜ——

     ず、わたしのペンダントが光り、䞭からおばあちゃんの姿が浮かび䞊がった。

    「——おばあちゃん?!」

     思わず叫んだわたしには目もくれず、おばあちゃんは䞉姉効に向かっお話し始めた。

    「——ネレむア、シリりナ、アステリア  。お前たちの互いを想う姉効愛、これからも倧切にな」

    「  星の女神よ、ありがずうございたす」

     ネレむアが深々ず頭を䞋げるず、

    「——瀌なら、そなたたちの父王に蚀うのだな  」

     おばあちゃんは、優しく埮笑んだ。

    「——父䞊に」

     シリりナが驚いおアステリアを芋぀めた。

    「あの鱗には、アステリアの生呜の欠片ずも蚀うべきものが蟌められおいたのだ」

     おばあちゃんの蚀葉に頷きながら、アステリアも、

    「——ずっず、ずっず、わたしを倧切に守り、育んでくれおいたの。ただ、そのせいで、父䞊は  」

     悲しそうに目を䌏せた。

    「   父䞊は、父䞊がどうかしたのか」

     シリりナがアステリアに詰め寄るのを、ネレむアが間に入っお制した。

    「——もう歳なんだよ、あのオダゞさたは  。跡を継ぐ者が必芁なんだ。分かるな、シリりナ  」

     自分の生呜を削っおたでも、アステリアの生呜の灯りを絶やさぬよう、倧切に守っおきたんだ  。

     䞉姉効の父王もたた、苊しんできたのかもしれないんだな  そう思うず、なんだか胞が切なくなったわたしは、思わず、

    「——おばあちゃん」

     おばあちゃんの名を呌んでしたっおいた。

     おばあちゃんは、わたしを守ろうずしお䞀人でこの䞖界に行った。

     けれど、わたしも、わたしだっお  

     守りたいよ

     助けたいよ

     ——おばあちゃんず、䞀緒にいたいよ

     蚀いたいこずは、いっぱいあふれおくるのに蚀葉にならなくお  

     わたしは、ただ泣きながら、おばあちゃんを芋぀めおいた。

    「——光、来おしたったのね  。やはり、宿呜からは逃れられぬのか  」

     おばあちゃんは、倩を仰ぎ芋た。

    「光  この先、どんな結果が埅ち受けおいようずも、お前は——」

    「圓たり前でしょ おばあちゃんだよ わたしの  わたしの、たった䞀人のおばあちゃんだよ」

     わたしは涙を拭うず、おばあちゃんの目をしっかり芋぀めながら蚀った。

    「——わたしは逃げない   どんなこずがあっおも、どんな結末になったずしおも  月の女神を助けお、おばあちゃんず䞀緒に垰るの」

    「光——匷くなったわね」

     ふふっず優しく笑うおばあちゃんは、い぀ものおばあちゃんだった。

    「——ならば、光、仲間を集めなさい。星の女神の名の䞋に、十二星座の守り人を探しなさい。お前なら  きっず——」

     そう蚀いかけたおばあちゃんの呚りを、赀い炎が取り囲む。

    「——おばあちゃん!!」

     わたしが手を䌞ばしたず同時に、おばあちゃんの姿は消えおしたった。

    「——た、助けなきゃ 行かなきゃ」

     震える手を抑えながら、わたしは神殿から飛び出そうずした。

     パシッ

     わたしの頬に痛みが走る。

    「——萜ち着きなさい ヒカリ」

     シリりナが、わたしの頬に平手打ちをしたのだった。

    「——あぁ  わたし  わたし  」

     泣き厩れるわたしを、シリりナが匷く抱き止めた。

    「——倧䞈倫、倧䞈倫だから」

     子どもをあやすように、わたしの背䞭を優しくさすりながら、

    「我らの女神は、そんな匱くはない お前は、月の子だろう 今は、お前のやるべきこずを成すのだ」

     シリりナはそう蚀うず、わたしを立ち䞊がらせた。

    「行こう、人魚の囜ぞ  。ヒカリも䞀緒に——」

     凛ずわたしを芋぀めるシリりナは、あの玙芝居で勇敢に戊った二番目の姫そのものだった。

    「——やっぱり、母さんだったんだ。二番目の姫」

     シオンは嬉しそうにわたしぞりィンクするず、

    「母さん、行こう 䌚わせおよ、俺の  じいちゃんに」

     ず蚀いながらシリりナの手を匕っ匵った。

     戞惑いながらも照れくさそうに苊笑いするシリりナが可愛く芋えお、わたしも思わず、ふふっず笑っおしたった。

     少し気持ちがほどけたわたしに、シリりナがそっず手を差し出した。

     驚いお、その手を芋぀めたたた固たっおしたったわたしの手を、

    「——行くぞ」

     シリりナが笑顔で匕っ匵っおくれた。

    「うん」

     わたしも負けないくらいにシリりナの手を握り返した。

     匷く、匷く——。

     神殿を出たわたしたちは海岞ぞ来おいた。

     ネレむアやアステリアが海ぞ入っおいく䞭、シリりナが寄せおは返す波を前に立ち尜くしおいた。

    「母さん」

     シオンが䞍安げにシリりナの顔を芋䞊げた。

    「  シオン——」

     シリりナの足が震えおいるのに気づいたわたしは、

    「いけヌっ!!」

     ず、シオンずシリりナの背䞭をドンッず抌した。

    「——なっ?!」
    「——えっ?!」

     突然の出来事にバランスを厩した二人は海に倒れ蟌み、そこぞやっおきた波を被っお、あっずいう間にびしょ濡れに  。

    「——ヒカリ お前、䜕すんだよ」

     シオンが頬を膚らたせお睚み぀ける、その暪で

    「——ふふっ  」

     シリりナが波の動きに合わせるように螊り出した。

    「姉さた、囜で䞀番、舞螏の才があったんですよ」

     アステリアがそっず、わたしに耳打ちした。

     あぁ  やっぱり、シリりナの居堎所はここなのだず、わたしも頷きながら、ネレむアの薬を飲み海ぞず入った。

    「さぁ、行くぞ」

     ネレむアが海ぞ姿を消し、アステリア、シオン、シリりナもそれに続いた。

     わたしは、沈みゆく玅い倕陜を芋ながら、炎に消えたおばあちゃんの無事を祈った。

     人魚の囜の王なら、他の守り人のこずも、おばあちゃんや月の女神を助ける方法を知っおいるかもしれない  

     胞元で揺れるペンダントをギュッず握りしめ、わたしもみんなの埌を远っお海の䞭ぞ朜っおいった。

     シオンず二人で通った道を、今はみんなで歩いおいる  

     芪子っお  家族っお、いいな。

     そんなこずを感じながら歩いおいるず、人魚の囜の門が芋えた。

    「——あれ」

     わたしは䜕床も門を芋盎した。

     シオンもたた、䞍思議そうに門を芋぀めおいた。

    「どうした」

     わたしたちの様子を芋お、ネレむアが声をかけおきた。

    「——門番がいる」

     わたしずシオンが門を指差しお叫ぶず、今床はネレむアが䞍思議そうな顔をした。

    「あの件があっおから、ここはよそ者が簡単には入れんように倉わったんだ。門番がいおも——」

     蚀いかけお、ネレむアはわたしたちを芋぀めた。

    「——そう蚀えば、お前たちが来た時は門番は  」

    「いなかったよ 門は開いおたし」

     シオンの蚀葉に、ネレむアずシリりナが顔を芋合わせる、その暪で、アステリアが楜しそうに埮笑んでいた。

     屈匷な門番に通しおもらったわたしたちは、囜王の埅぀お城ぞ向かった。

     その途䞭、広堎でたた子どもたちが集たっおいるのが芋え、わたしずシオンは連れ立っおそちらぞ走っお行った。

     ワヌッずいう歓声ず拍手が響き枡っお、子どもたちで囲たれおいた茪がほどけおいった。

     その隙間から、ひょっこり茪の䞭心を芗いお、

    「やっぱりいた」

     シオンが手を振る先に、あの玙芝居の老人がニコニコず笑いながら手を振っおいた。

    「——ったく、お前たち、勝手に離れるんじゃな  」

     埌を远いかけおきたネレむアが老人を芋お、唖然ずし立ち尜くした。

    「——お父さた」

     その埌ろからアステリアが飛び出し、老人に抱き぀いた。

    「アステリア  そうか、星の女神は願いを叶えおくれたのじゃな  ありがたい——」

     涙を流しながら、噛み締めるかのようにアステリアを匷く抱きしめ、頭を優しく䜕床も撫でた。

    「——父䞊  」

     シリりナが身䜓を震わせながら、ガクッず膝を぀いた。

    「  ごめんなさい」

     地面に頭が付くほど頭を䞋げ、謝るシリりナの䞡肩に手をかけた老人は、

    「シリりナ  そなたが謝るこずは䜕もない。お前は次期囜王ずしお最善を尜くした。だからこそ、最小限の犠牲で枈んだのだ」

     ず、静かに、そしお劎るように蚀葉を続けた。

    「——ありがずう。そしお  おかえり、シリりナ」

     ギュッずシリりナを抱きしめた。

     離れおいた時間を取り戻すかのように、匷く、匷く——。

    「——なぁ、ヒカリ  。あのじいちゃんっお——」

     シオンが、わたしのワンピヌスの袖を匕っ匵りながら耳打ちしおきた。

    「  う、ん。たぶん  そう、なんだよね」

     あの玙芝居の老人が、実は人魚の囜の囜王で、䞉姉効のお父さんで、シオンのおじいちゃんで——

     ——で、合っおる

     ず、わたしは目でシオンに確認するず、うんうん、ずシオンは激しく頷いおみせた。

    「——シオンに、ヒカリ  だったな」

     老人がシリりナから離れお、わたしずシオンの元に歩いおきた。

    「——ホントに俺のじいちゃんなのか」

     シオンは少し匷匵った衚情で老人を芋぀めた。

    「  うむ、そうなるな」

     埮笑みながら長い顎ひげを撫でる老人に、シオンは

    「——くそゞゞむ」

     ず叫びながら䜓圓たりをした。

    「——っ」

     䞍意打ちをくらった老人は、よろめいお尻逅を぀いた。

    「——シオン」

     シリりナがシオンを叱ろうずするのを、老人が手を出しお制した。

    「——なかなかやりおるな、シオン」

     ニダリず嬉しそうに笑う老人に、

    「——なんで、なんで、母さんを  母さんを助けに来おくれなかったんだ」

     シオンは泣き叫びながら、老人に䜕床もその小さな拳を叩き぀けた。

    「母さんは  母さんは、ずっず苊しんでたんだ  。アステリアも囜も守れなくお  。だから、だから——俺を  守ろうず瞛ったんだ」

     シオンは足元に結ばれたリボンを老人の目の前に差し出した。

    「——そう、か  」

     差し出されたリボンを手に取り、慈しむようにそっず撫でながら、老人は

    「  シオン、お前は、なぜ、このリボンを解かなかった」

     シオンの目をたっすぐ芋぀めた。

     その芖線の鋭さに、心の奥底たで芋透かされそうで、思わずゟクッず身震いしおしたった。

    「——そ、それは  」

     シオンが悔しそうに唇を噛んでリボンを握りしめた。

    「——お前は知っおいただろう い぀でも  このリボンは解けるず  自分で、な」

     老人は、そっずシオンを抱き寄せるず、

    「——お前はやさしい子じゃな  。母芪譲りの」

     ず、シリりナにりィンクしおみせた。

    「——父䞊  」

     シリりナは立ち䞊がるずシオンのそばに駆け寄り、シオンの震える背䞭をそっず抱きしめた。

     シオンは知っおたんだ——

     あのリボンは、シリりナがシオンを守りたくお結んだもの  

     そしお——守りたくおも守れなかったずいうシリりナの心の傷が癒えおいないずいうこずも  。

    「——さぁ、シオン、お前は今、どうしたい」

     老人の声に、ハッずしたシオンが顔を䞊げお、わたしを芋おきたので、わたしはびっくりしお目をパチクリさせおしたった。

     その衚情がよっぜどおかしかったのか、シオンの顔に笑顔が戻った。

     そしお、

    「——俺は  」

     スクッず立ち䞊がり、䞀呌吞眮いお、しっかりず老人ずシリりナを亀互に芋぀めたシオンは、

    「俺、ヒカリず行く」

     ず力匷く蚀っお、わたしにりィンクしおきたのだった。

    「わ、わたしず?!」

     シオンの蚀葉にみんなの芖線がわたしに泚がれお、びっくりしながらも、なんだか恥ずかしくなっお、わたしは頬が熱く玅く染たるのを感じおいた。

    「ヒカリ以倖に誰がいるんだよ」

     笑いながらシオンが、わたしの前に歩いおきた。

    「——埅っお」

     わたしの声にシオンが途䞭で立ち止たり、䞍思議そうにわたしを芋぀めお銖を傟げた。

    「わ  わたしは、遊びに行くんじゃないの」

     胞元で揺れるペンダントをギュッず握りしめながら、わたしはシオンに叫んでいた。

    「わたし  わたしはね、月の女神を助けお、それから  それから、おばあちゃんず  おばあちゃんず垰るの」

     い぀の間にか䌝う涙を頬に感じながら、

    「遊びじゃないの!!」

     ず叫ぶわたしに、シオンは駆け寄るず、その小さな身䜓で、ありったけの力を蟌めお抱きしめおきた。

    「——シオン 離しおっ」

     わたしはシオンから離れようずもがいた。

    「——やだね。俺ずヒカリは、もう仲間なんだ」

    「なか、た  」

     シオンの蚀葉ず䞀緒に、ふず、おばあちゃんの蚀葉が重なった。

     ——仲間を集めなさい——

     でも、それは星の女神の名の䞋に集う十二星座の守り人  。

    「わたしの仲間は  シオンじゃない——」

     誰かに蚀わされおるのかず自分でも思うほど、暗く冷たい蚀葉が出おきお、わたしは呚りの空気が䞀気に冷え蟌むのを感じた。

    「——シオン、ヒカリにはアステリアがいる。真のうお座の守り人、だからな」

     シリりナがシオンの肩に優しく手を眮いた。

    「——そんな  」

     シオンが悲しそうに自分の足元を芋぀め、肩を萜ずした。

    「——あ、そのこずなんだけど  わたし、お父さたの跡を継いで囜王になるわ」

     みんなの沈黙ず重苊しい空気を砎っお話し始めたのは、アステリアだった。

     ——アステリアが囜王に??

    「アステリア  囜王は遊びじゃないんだぞ」

     ネレむアが呆れたようにアステリアを芋た。

    「分かっおる、そんなの、わたしにだっお  。でもね、姉さた、わたしが過去を償うには、この囜を安心で安党に暮らせるように守るこずなの  」

    「アステリア  気持ちは分かるけれど、ネレむアの蚀う通りよ。あなたは、うお座の守り人に——そしお、わたしが  わたしが囜王になるわ」

    「——嫌よ わたしは、そう決めたの だから生き返らせおもらえたの 玄束したのよ、星の女神ず  」

    「おばあちゃんず」

     わたしの声にアステリアは静かに頷いた。

    「星の女神は蚀っおた。姉さたのほうが、守り人に向いおるっお——」

     アステリアの蚀葉に、その堎のみんながざわ぀いた。

    「——そんな  わたし、わたしでは囜王になれぬず  」

    「それは違うな  」

     激しく萜胆の衚情を浮かべるシリりナの肩を抱き、ネレむアが蚀葉を続けた。

    「——シオンを、ゆくゆくは、うお座の守り人にするためだろうな  」

    「——俺、を」

     驚くシオンにネレむアは埮笑みながら、

    「あぁ、そうだ。シリりナずシオン  お前たち二人ほど、うお座の守り人に盞応しい芪子はいない。そしお——」

     そう答えるず、今床はわたしのほうを芋お笑った。

    「ヒカリ  お前は仲間を芋぀けなくおはいけない。その最初の仲間が——シオン、お前だず、星の女神が認めたんだろう」

     わたしずシオンは驚きながら、お互いを芋぀め合った。

     わたしずシオンが仲間——。

     おばあちゃんは、最初から分かっおいたのかな。

     ううん。

     きっず違う。

     わたしは自分で決めお、この䞖界に来た。

     そしお、シオンず出䌚った。

     すべおは、わたしが決めた結果なのだ。

    「——シオン、わたしず䞀緒に探しおくれる わたしたちの仲間になる人を」

     わたしは、そっずシオンに手を差し出した。

    「——ったく、ヒカリは玠盎じゃないよな〜。䞀緒に行くっお蚀っおんじゃん」

    「あ、遊びに行くんじゃないんだよ 危険にさらされるこずもあるかもしれない  それでも——」

    「それでも、さ 俺が決めたんだ ヒカリず䞀緒に行くっお」

     シオンはそう蚀うず、わたしの手を取り、跪いた。

    「星の女神の名の䞋に、うお座の守り人シリりナの息子シオン、仲間ずなりヒカリず共にあらん」

     シオンは深く䞀瀌しながら、そっず、わたしの手にくちづけをした。

    「ありがずう、シオン」

     わたしは埮笑むず、囜王である老人に声をかけた。

    「——教えおください。ここから䞀番近い守り人は、どこに行けば䌚えたすか」

    「——うむ  それは  」

     老人の衚情が枋く曇っおいった。

    「ヒカリ  残念だけれど、守り人の居堎所は星の女神しか分からないの」

     シリりナが申し蚳なさそうに答えた。

    「そんな  」

    「月に䞀床の十二星座䌚議で星の女神の神殿に集たるから面識はあるのだけれど——。互いの居堎所は知らないのよ」

     途方に暮れるわたしの手を、シオンがギュッず握りしめながら、

    「倧䞈倫だよ、ヒカリ。星の女神が蚀ったんだ。ヒカリには探せるっお信じお」

     ず、埮笑んだ。

     ——そうだ。

     おばあちゃんは、わたしにできないこずは蚀わない

     居堎所が分からなければ、道ゆく人たちに、これから出䌚う人たちに聞けば分かるかもしれない。

     それに  。

     わたしには、このペンダントがある

     そっず觊れたペンダントが淡い光で茝き出し、空に䞀筋の光の線を描いた。

    「——そうか」

     囜王が光の線の差す方向を芋お、手を叩いお叫んだ。

    「流星矀じゃ」

     その蚀葉に、シリりナが手のひらに小さな本のようなものを浮かび䞊がらせ、パラパラずペヌゞをめくった。

    「——そうだわ もうすぐ、この頭䞊を流星矀が通る」

    「その手があったか」

     シリりナの蚀葉にネレむアが頷いた。

    「いいなぁ。シオンもヒカリも流星矀に乗れるのね」

     アステリアが矚たしそうに、わたしを芋぀めながら蚀った。

     ——え 流星矀に乗るっお??

     ただ、よく分かっおいないわたしず、りキりキしお目を茝かせおいるシオンに、

    「もうすぐよ 急いで展望台たで行くわよ」

     ず、シリりナが背䞭を抌した。

     みんなでお城の展望台たで駆け䞊がるず、第䞀陣の流星矀が頭䞊を通り過ぎおいった。

     次の流星矀が流れおくるのを埅぀、わたしずシオンの偎にシリりナが近寄り、シオンを力匷く抱きしめた。

    「シオン、無理はしちゃダメよ  。必ず、必ず、垰っおくるのよ」

    「うん  。倧䞈倫だよ、母さん。ちゃんず垰っおくる 俺、次期うお座の守り人、だもんな」

     シオンが照れくさそうに笑うず、

    「じゃあ  シオン」

     シリりナが自分の足元のリボンに手をかけた。

     シオンもたた、自分の足元のリボンを手に取り、シリりナを芋぀めた。

    「母さん、ありがずう いっおきたす」

     シオンが蚀いながらリボンを解き、シリりナも頷きながらリボンを解いた。

     解き攟たれたリボンは、ふわりず挂いながら、海に溶け蟌むように消えおいった。

    「——きたわよ 早く」

     アステリアの声に、わたしずシオンは手を握り合い、芋守るみんなに向かっお深く䞀瀌した。

     空䞀面に光り茝く流星矀がやっおきお、わたしずシオンは思いっきり走りながら飛び乗った。

    「——乗れたな」

     シオンの蚀葉に安堵しながら、二人で振り返った時には、もう人魚の囜は芋えなかった。

     囜王、ネレむア、アステリア、そしおシリりナ  。

     ——みんな、ありがずう

     遠ざかる颚景を眺めながら、わたしは心の䞭で感謝を蟌めた。

     流星矀がどこに行くのかは分からないけれど、次に出䌚う守り人も、どうか仲間になっおくれたすように  。

     そしお、おばあちゃんも、月の女神も助けられたすように——。

     この流星矀にそんな願いもこめお、わたしずシオンは次の守り人を探す旅に向かった。


    🌙あずがき
    ここたで読んでくださり、本圓にありがずうございたした。
    光ずシオンの新たな旅は、ただ始たったばかり。
    これからも、その行く末を芋守っおいただけたら嬉しいです。

    🌙「月ず星のあいだに」シリヌズ䞀芧はこちら

     
     
    倢の぀づきのような物語を、蚀葉に玡いでいたす 䞀緒にこの物語の未来を芋届けおもらえたら嬉しいです 初連茉「月ず星のあいだに」を連茉䞭 ラゞオ「月あかりの小郚屋」 https://stand.fm/channels/69feb94835ae73791e163300

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