メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像
Photo byyukihi6

あの時、ボスからの蚀葉ずりむスキヌは苊かった。

    ほしたる

    生きおいるず 様々な堎面で重芁な遞択を迫られるこずがある。

    どの遞択をずるべきか迷っおいる時に
    声をかけおくれる人は、倧抵 こちらの気持ちに寄り添っお考えおくれるだろう。

    䞀方で 時には、厳しい(ず思える)蚀葉をかける人も存圚する。

    なぜこの人は、この局面でこんなこずを蚀うのだろう

    その時は、やはり そう思っおしたうものだ。

    しかし、実は 䞀芋 厳しくも芋える蚀葉をかけた人こそ、結果的に正しいこずを蚀っおくれおいたり
    本圓の意味で、枩かい人だずいうこずがある。

    これたでの人生、䜕床かそうした堎面を経隓した。

    䞀番忘れられないのは、倧孊時代、就職掻動䞭に 私のボス こず 指導教官ずの䌚話だ。

    厳しくずも枩かい、私にずっお忘れられない 最高の恩垫。

    きっずこの先も忘れるこずのない宝物だ。

    画像

    入孊匏に孊生を怖がらせる挚拶をしたボス


    倧孊の入孊匏。私は意識せずずも、匏の前には既に同じ孊科の数人の孊生ず芪しくなっおいた。

    「垰りにケヌキ食べお垰ろう」
    「うん、その前にお昌ご飯も食べようよ」

    そんな感じでワむワむしおいた。

    匏が始たるず䞀転、緊匵感が挂う。

    私たちは英語孊科で 各クラス毎にひずりひずり名前が呌ばれた。

    名前を読んだのは、厳しそうなおじさん教授颚味が挂うボス。

    党クラス党員の名前が呌ばれたあず孊郚長挚拶で ボスが壇䞊に䞊がった。

    「なんか怖そう...」


    私たちは静かに話す。

    咳払いをしたあず、おじさん教授は䞀蚀こう蚀った。 

    「入孊おめでずう。
    私は英語孊科担圓だが。
    君たちの䞭に、
    ”この倧孊の英語孊科なんだから
    客宀乗務員になりたい” ずか、
    ”英語をペラペラ話したい” 
    なんおバカな倢抱いおる者がいたずしたら、甘いぞ。
    倧孊生掻でしっかり珟実的ず向き合え。」


    講堂は静たり返った。

    しばらくするずえヌ、なんでよずか 怖いずか口々に蚀い出す孊生もいた。  

    「面癜いじゃん あの先生」
    「やっぱほしたるもそう思う」  


    私を含めお数人以倖は、入孊匏初日にボスのこずを倧嫌いになった。

    画像

    ボスず孊生生掻


    「なんでそんな蚳やくになるんだ
    理解できない」
    「おい、君はこの前も間違えたな
    もう䞀回高校からやり盎すか」

    必修の英文読解は毎週、ボスが担圓だった。

    毎週、人が担圓しお英文を音読し、和蚳を発衚するのだが。

    必ず誰もがボスから小蚀を蚀われる。

    けれど、ずっず小蚀ばかり蚀っおる偏屈なおじさんではなかった。

    孊生の良いずころは玠盎に耒める。

    そんなボスに「頑固でむダなおじさん」ずいう印象を持぀孊生は埐々に枛っおいた。

    ボス、実は寂しがりやなのかも 

    ボスは講矩䞭などでもよく話しおいたこずがあった。

    「倧孊においお、
    教授ず孊生の心枩たる亀流など
    幻想に過ぎない」

    教授ず孊生は 飲み䌚に行ったりするこずもあり埗ない、ずボスは蚀っおいた。

    けれどボスは、孊生を避けおいたわけではない。

    私も含め、私ず芪しい仲間たちず孊内で䌚えば、ベンチで䌚話を楜しんでいたし。

    廊䞋ですれ違うず、

    「ほしたる、
    コヌヒヌを買っおきおくれないか」
    ず小銭を枡す。

    「はい。砂糖なし、ミルクなしですね」
    「そのずおり」

    そのずきも、コヌヒヌを研究宀に運んだずきもずおも嬉しそうなのだ。  

    だから私は、この時ずばかりにチャンスを狙っお研究宀にあるボス所有の掋曞や参考文献を沢山借りた。

    「ほしたるは、
    本圓に 本や孊問が奜きなんだなぁ。
    これも持っおいきなさい」
    「ありがずうございたすヌ」

    い぀もどっさり本を借りお研究宀を出た。でもい぀も蚀われおいたこずがあった。  

    「勉匷熱心なのは認める。
    でも俺のれミには来るなよ」 

    そう蚀っお苊笑いしおいたボスに私は芋抜かれおいたんだろうか。

    もずもず、私は ボスがどんな人なのか知る前から孊内䞀厳しいず蚀われおいる ボスのれミに入る぀もりでいた。

    「おい、ほしたる。
    お前ほんずに来たのか」

    れミの垌望提出の時に、私の圚籍クラス(぀たりボスが担任のクラス)からボスのれミに垌望をだしたのは私人だけだった。

    「物奜きだなぁ、ほんず」

    そう蚀いながらボスはたた矎味しそうにタバコを吞う。

    「培底的にしごくぞ。
    ぀いお来れなくおもしらないぞ」

    はいはい、わかっおたす、そう蚀っお䌚釈しおから私は研究宀を出た。

    画像

    れミ生ずボスずの熱い日々


    れミは忙しくも本圓に充実しおいた。

    れミ生みんな、知的奜奇心が匷く、たた総じおレベルも高いので発衚も議論もずおも熱かった。

    「果たしお君の解釈で
    正しいず思うかな」

    「この時の時代背景を考えおいるかな」

    ボスの指摘はずおも鋭い。

    でも、私も含め 誰人ボスの質問にたじろいで黙っおしたう孊生はいなかった。

    就職掻動ず葛藀

    就職掻動が始たり、慌ただしい日々になった。
      
    呚りの仲間や友人たちが 説明䌚やセミナヌにあしげく通う䞭、私自身 迷いがあった。  

    倧孊圚孊䞭に留孊しおいた時にも考えたこずだった。

    日本を出お、初めお倖から倚角的に日本、そしお日本におけるちっぜけな自分ずいうものを考えた機䌚を埗た。
    なぜ働くのだろう、ずか、皆ず同じように就職掻動をするこずは正しいのか、ずか。
    もしも内定先が決たったからずいっお
    そこで就職しおいいのか、などずいうこずをぐるぐるず考えおいた。

    本音を蚀えば、私は 研究の道に進みたかったのだ。
    研究したいこずも、テヌマもかなり早い段階で明確に決たっおいた。

    遠回りでも別の倧孊の、垌望の孊郚に線入しお倧孊院に行きたい。そう思っおいた。

    けれど、芪元から通う私ずしおは倧孊入孊の時に 䞡芪ず玄束したこずがあった。

    「線入か留孊、どちらかに行きたい。  
    もちろんバむトも沢山する」

    倧孊に入孊しおからは 結果ずしお、留孊を遞んだために、必然的に線入の道はあきらめた。

    長女だから、これから効も倧孊など通うこずを考えるずこれ以䞊芪にお願いするわけにもいかなかった。 

    ずはいえ、どんな職皮 どんな䌚瀟を垌望するのかすらわからないたた説明䌚やセミナヌぞ通っおいた。

    ☆

    少しず぀、垌望する職皮も固たっおきお資料を取り寄せたり、就職課にも通っおいた。  

    就職掻動ず講矩ずれミ、卒論。

    毎日くたくたになっおいた。

    そんなある日のこずだった。れミの甚事で ボスの研究宀を蚪ねるずボスがふず尋ねた。

    「ほしたる、今日これから時間あるか
    冬さんず、これから飲みに行くんだが」

    冬さん、ずいうのは ボスず長い深亀のある、孊郚内の おじさん教授だった。

    私は 圓時、冬先生の ある叀兞蚀語の講矩を履修しおいた。 

    私が通っおいた倧孊はキリスト教系の倧孊だった。
    聖曞やキリスト教、比范宗教孊などの講矩も倚数あった。   

    私自身は無神論者だが、玔粋に様々な宗教のこずを孊べたこずは意矩があった。

    冬先生の講矩も、叀兞蚀語 しかも 日垞生掻で䜿わない蚀葉なんお䞍芁にも思える。   

    けれど、毎週 アルファベットを芚えるこずだけでも楜しかった。

    「ほしたるくん、たたには息抜きしようよ」

    冬先生にも蚀われたら断るのも申し蚳なく思った。家に電話を入れお、私はボスず冬先生に぀いおいった。

    二人の教授に連れられおゞャズバヌぞ

    ボスず冬先生に連れおいかれたのは、アンティヌクなゞャズバヌだった。

    倧人なお客さんたちが ゆったりずお酒を飲み、音を楜しむ。 

    こんな玠敵な空間に 倧孊生の小嚘が来お良いものか 迷っおいた。

    背䌞びをしお 先生たちの キヌプしおいる りむスキヌをいただいた。

    「ほしたる」
    「はい」
    「あのな、お前 就職するな。
    どこも取っおくれる䌁業なんおないよ」

    りむスキヌを吹き出しそうになる私。いきなりボスにそんなこずを蚀われるなんお思わなかった。

    「就職なんおやめた方がいい」
    「...なんでそんなこずを蚀うんですか」「ほしたるは
    䌁業勀めに向いおないからだよ」

    顔が熱くなる。

    飲みなれないりむスキヌで火照ったのか違う。

    ボスの決め぀けに、倚少腹が立っおいた。

    「ほしたるくん、
    僕も、君は研究者になるべきだず思うんだ。
    君ほど熱意ある孊生はいないよ。
    い぀も フミ(ボスのこず)ずも話しおるんだ」

    冬先生は優しくそう話す。

    でも私の顔の火照りも熱さも消えない。

    「...私は内定もらえないず思っおるんですかだからそんな颚に蚀うんですか」

    気づけばそんな蚀葉が口から出た。

    「垰りたす。お先に倱瀌したす」

    足早にゞャズバヌを出た。

    なんで涙が出るんだろう。

    そのたた電車に乗る。ドアが閉たった瞬間、私は座り蟌んで泣いおしたった。

    「就職に向いおない」この蚀葉は圓時の私には぀らかった。

    私たちの幎代は就職氷河期が始たったばかり。

    かなり苊戊したもののそれから間も無く、私は瀟から内定をいただいた。

    画像

    倧孊卒業たでの日々


    卒業を控えた幎は党お本圓にあっずいう間に過ぎおいく。 

    れミも䜳境になっおきお恒䟋の文集䜜りも始たっおいた。

    「内定もらっお、決めたした」  
    「そうか、ご苊劎さん」

    その䌚話以倖、れミでも ボスず私が雑談をするこずはほずんどなかった。

    ちょうどボスに借りおいた卒論の参考資料を返しに行った時のこずだ。
      

    「もうじき、
    お前たちも本圓に卒業しちゃうんだなぁ」

    その時のボスの背䞭がずおも寂しそうで。私から呌び掛けお、ボスずれミ生で れミ打ち䞊げを䌁画した。

    「俺は行かないぞ」

    そんな颚に蚀っおいたボスも圓日はずおも楜しそうにしおいおその様子がずおも嬉しかった。

    謝恩䌚でも、振袖姿の私を芋るや吊や

    「本圓に銬子にも衣装だな」

    ずボスは苊笑いする。

    そんな憎たれ口を叩きながらもその時撮ったれミ生ずの写真では思いきり最高の笑顔でボスは笑っおいた。

    最埌にボスは私を芋抜いおいた

    れミの文集には末尟にボスが手曞きで人人に手玙のようなメッセヌゞをくれる。

    手にしお読んだずきに私はボスの本心がわかった。

    ボスは 私が 本圓は研究者を目指しおいたこずを芋抜いおくれおいた。

    そしお私の可胜性や玠質を、ずおも評䟡しおくれおいた。

    それだけでなく、ボスは宿題を䞎えおくれおいた。

    「この解釈、い぀か君には解けるかな」
    「い぀か君から答えを聞けるず信じおいる」

    ボスが笑みを浮かべながら曞いおいる姿たで私は想像できた。 

    ☆

    卒業から幎ほど経った時のこずだ。
    私は結婚しおから 再び倧孊生になった。

    ボスの䞋で孊んでいた時に 関連領域ずしお興味を持った孊郚の瀟䌚人孊生ずしお線入した。

    「君はやはりそうするず思っおいたよ。」 
       
    瀟䌚人を経お、たた倧孊に線入したすず連絡した私にボスはそう蚀っお笑っおいた。   

    「若いや぀らになんか気埌れせず、
    がんばれ。
    思った道を信じお行け」

    ボス。あなたの蚀うずおりでした。
    私は【ふ぀う】じゃないから。
    瀟䌚䞍適合者だから。 
    だから、䌁業勀めは人䞀倍向いおなかったんですね。

    ボスは、そんな私の匱点ずも蚀える特性を芋抜いおくれおいた。

    そのこずに気づくたで本圓に時間がかかりたした。

    ボス。
    もしも今の時代だったら、ボスはあの蚀葉の本圓の意味を
    メヌルやLINEで教えおくれたかな。

    きっずボスは、

    「私は、スマホもパ゜コンも持たない」

    なんお意地匵っおるんだろうな、ず思いたす。

    ボス。
    私は残念ながら、病気をしたこずで研究は志半ばであきらめたけれど。

    私、ただ諊めおいたせんよ。

    ボス。ずっず芋守っおいおくださいね。

    画像

    画像

    この蚘事が参加しおいる募集

     
     
     
    東京䞋町出身、千葉県圚䜏。関西出身の倫ず二人暮らし。 曞くのは 䞻に゚ッセむず、時々、 小説。 奜きなもの・趣味は雑倚。 Panasonic×noteコンテスト 「スポヌツがくれたもの」にお審査員特別賞(䞉浊優垌さん賞)受賞。 「今日の䞀曲」(䞻に掋楜)を蚘事で玹介しおいたす♪

    あなたぞのおすすめ