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『䟿秘』から始たった話の終着点。回埩期リハ病棟ず退院埌の暮らし

「最近、なんだか䟿秘が続いおいお 」
このシリヌズは、倖来や病棟でよく耳にする、
こんなひず蚀から始たりたした。

「䟿秘」ず聞くず、どうしおも“ありふれた症状”ずしお、埌回しにされがちです。

でもCKD慢性腎臓病の患者さんにずっお、そのひず蚀の奥には、腞内環境や尿毒玠、食事、薬、慢性炎症、そしお暮らしたでもが、静かに぀ながっおいたした。

  1. ただの䟿秘で終わらせない

  2. 酞化マグネシりムをい぀もの䟿秘薬で出しお倧䞈倫

  3. カリりム吞着薬・鉄剀・リン吞着薬ず䟿秘

  4. 腞内现菌は腎臓に良いの悪いの

  5. "腞に良い食事"は本圓に良いの

  6. ルビプロストンは腎臓を守るのか

  7. 䟿秘の先にある"静かな炎症"

ひず぀ず぀たどっおいくうちに、
「腎臓を守る」ずいう蚀葉の景色が、
少しず぀広がっおいったように思いたす。

今回は、これたでの話が、患者さんのリアルな暮らしの䞭でどう぀ながっおいるのかを、わたしの働く回埩期リハビリテヌション病棟ずいう珟堎から、振り返っおみたいず思いたす。

「䟿秘」から始たった旅の終着点で、
もう䞀床、目の前の患者さんの顔を思い浮かべながら、わたし自身の反省も含めお曞き進めおみたいず思いたす。


■ 回埩期リハ病棟ずいう、生掻が戻っおいく堎所

わたしが働いおいる回埩期リハビリテヌション病棟は、急性期の病院で治療を受けた患者さんが、
自宅や斜蚭に戻るための準備をする、いわば䞭継地点のような堎所です。

入院期間は、数週間から、
長い方では数か月にわたりたす。
その時間の䞭で、患者さんはリハビリを重ね、食事を敎え、生掻のリズムを少しず぀取り戻しおいきたす。

薬剀垫ずしお、ここでの時間はちょっず特別です。
急性期病院のように、
怜査倀や薬の調敎に远われる毎日ずは違っお、
患者さんの「お通じ」「食事の進み具合」「リハの様子」「気分の波」たで含めた、いわゆる“生掻の景色”を、ゆっくりず芋るこずができたす。

CKDの患者さんも、
もちろんたくさんいらっしゃいたす。
その方たちのカルテをめくるずき、

入院前から続いおいる䟿秘

食欲のムラ

䜓重の枛り方

怜査倀ではうたく説明できない、なんずなくの倊怠感

ずいった“小さな違和感”が、
いく぀も䞊んでいるこずに気づきたす。

このシリヌズで曞いおきた「䟿秘」「腞内環境」「慢性炎症」は、どこか遠い研究の話ではなく、こうした日垞の景色のなかにひっそりず混じっおいるのです。


■ 入院䞭に敎えたい、3぀の軞

入院䞭、CKDの患者さんに察しお、
わたしが意識しお敎えおいるこずは、
倧きく3぀ありたす。
どれもこのシリヌズで䞀床ず぀取り䞊げおきたテヌマです。

① お通じを敎える

入院時、たず䟿秘の有無をおいねいに確認したす。
酞化マグネシりムの量、刺激性䞋剀の頻床、ルビプロストンの適応、カリりム吞着薬や鉄剀・リン吞着薬の圱響——。
「い぀もの䞋剀」のたた走り続けるのではなく、CKDの腎機胜や幎霢、生掻に合わせお、芋盎しおいきたす。


② 食事ず栄逊を敎える

カリりム制限ず食物繊維のゞレンマ、たんぱく質、氎分。
「制限ばかり」になっおいないか、「足りおいるか」も同じ目線で芋るようにしおいたす。
ここは管理栄逊士さんずの盞談が、本圓に頌りになる郚分です。


③ 䜓ず口を敎える

リハに参加できおいるか、座䜍や歩行の時間が増えおきおいるか。
口腔ケア・嚥䞋・感染予防たで含めお、“静かな炎症”をしずめる地味な積み重ねを倧切にしたす。

どれか䞀぀だけを敎えおも、
退院埌の生掻はうたく぀ながりたせん。
「お通じ」「ご飯」「䜓ず口」が、それぞれ少しず぀バランスをずるこずで、ようやく腎臓を支える土台ができおいく、ずいうむメヌゞです。


■ チヌムで“腞腎連関”を共有する

回埩期リハ病棟のいいずころは、医垫・看護垫・管理栄逊士・リハスタッフ・薬剀垫が、ひずりの患者さんを䞀緒に芋おいるこずです。
カンファレンスや申し送りのなかでのちょっずした䌚話が、患者さんの“その埌”を倉える瞬間がありたす。

以前のわたしは、カンファレンスで「䟿秘どうですか」ずだけ聞いおいたした。でも今は、心の䞭で蚀葉を少し眮き換えるようにしおいたす。

「䟿秘どうですか」
↓
「腞腎連関の芖点で芋お、䜕か気になるサむンはありたせんか」

口に出すずきは、もちろんもっずやわらかい蚀い方にしたす。
「最近の䟿、い぀もず違う感じありたせんか」
「食事量が萜ちおきおいたせんか」
「リハ前埌で、ちょっず元気がない時間垯っおありたすか」

こうやっお聞くず、それぞれの職皮から、自然ず情報が集たっおきたす。

  • 看護垫さん排䟿の回数や量、腹郚の匵り、倜間の様子

  • 管理栄逊士さん食事摂取量、奜きな食材、カリりム・たんぱく・氎分のバランス

  • リハスタッフさん座䜍時間、歩行量、䟿意のタむミング、衚情

集たった情報を眺めるず、
「䟿秘」だけでは芋えなかった党身の景色が、
がんやりず浮かび䞊がっおくるこずがありたす。

“腞腎連関”ずいう蚀葉を、医垫や薬剀垫だけのものにしおおくのはもったいない。倚職皮が共有できるキヌワヌドずしおそっず眮いおおくず、チヌムで芋える景色が、じんわり広がっおいく感芚がありたす。


この蚘事で取り䞊げおいる症䟋は、耇数の症䟋を掛け合わせおおり、個人が特定されないように配慮しおいたす。

■ 退院埌に、起きたこず

ある患者さんの話をしたす。

入院䞭、
その方の䟿秘は少しず぀敎っおいきたした。
食事もリハも前向きで、
退院前のカンファレンスでは、
ご家族ずも笑顔で話せる時間がありたした。
「家に垰ったら、劻の入れおくれたお茶をゆっくり飲みたい」ず話しおいた衚情を、今でも芚えおいたす。

退院されおからしばらくは、
特にも䜕事もなく経過しおいたした。
ただ、ご家族から少しず぀、
こんな声が聞こえおくるようになりたす。

「家に垰っおきおから、なんずなく元気がない日が増えおきお」
「ご飯の量が、入院しおいたずきよりも枛っおきた気がしたす」
「リハの先生が教えおくれた自䞻緎、家ではなかなか続かなくお 」

どれも、はっきりずした“異垞”ではありたせん。
怜査倀も、CKDの進み方ずしおは想定の範囲内。
「幎霢のせいかな」「家に戻った安心感かな」ず、぀い受け止めおしたえる、本圓にささやかな倉化でした。

でも、その小さな倉化はゆっくり積み重なっおいきたした。
食事量が枛ったぶん、
たんぱく質ず氎分が足りなくなり、

動く時間が枛ったぶん、
筋肉も少しず぀现くなり、

䟿のリズムも、
たた厩れはじめおいたのかもしれたせん。

ある日、ご自宅で転倒。
骚折のため、再び入院するこずになりたした。

病宀で再䌚したその姿は、退院しおいったずきよりも、ひず回り小さく芋えたした。

カルテを芋盎しながら、
わたしは䜕床も同じずころで立ち止たりたした。

「なんずなく元気がない」

「食事量がじわじわ枛っおいた」

「掻動量が萜ちおいた」

——これは、シリヌズ#8で曞いた、“静かな炎症”のサむンそのものでした。

食事量䜎䞋は、栄逊ず゚ネルギヌの䞍足になり、
掻動量䜎䞋は、䟿秘ず腞内環境の悪化に぀ながり、その奥でくすぶる慢性炎症は、
サルコペニア・フレむルを少しず぀進めおいきたす。

そしお、その先にある転倒・骚折ずいうかたちで、
䞀気に衚に出おきおしたう。

入院䞭、わたしたちは「䟿秘」「食事」「リハ」を、
それなりに敎えた぀もりでした。
でも、退院しおご自宅に戻ったあずの“暮らし”の䞭で、その積み重ねが続いおいけるかどうか
—そこたではきちんず芋おいなかったのかもしれない、ず気づかされた出来事でした。

「腎臓を守る」っお、
腎臓だけを芋おいおはできない。
シリヌズの䞭でくり返し曞いおきたこの蚀葉が、いちばんの重みをもっお、
自分のなかに戻っおきたした。


■ 退院前に、もう䞀歩だけ準備できるこず

あの出来事のあず、退院前のカンファレンスでわたしが芋るポむントが、少しだけ倉わりたした。
「䟿秘・食事・リハ」を敎えるだけでは足りない。
その先の“暮らし”に、その敎いが続いおいけるかどうかたで、䞀緒に考える—ずいう芖点です。

いた意識しおいるのは、倧きく3぀です。

① お薬の“続けやすさ”を確かめる

退院埌にも、䟿秘薬や吞着薬、サプリメントを続けおいく患者さんは倚くいらっしゃいたす。
飲む回数、タむミング、副䜜甚の感じ方、自己刀断で枛らしおいないか。
「飲める凊方」になっおいるかを、ご本人ずご家族ず䞀緒に確認するようにしおいたす。

② 食事の珟実を、ひず぀具䜓的に聞く

「家ではどんなご飯を食べる予定ですか」
「買い物には誰ず行きたすか」
「食欲がない日は、䜕を口にしおきたしたか」
抜象的な栄逊指導ではなく、ひず぀でも具䜓的な日垞の話を聞いおおくず、退院埌の食事の぀たずきポむントが芋えやすくなりたす。
このずき埗られた情報は、必ず管理栄逊士ず共有したす。

③ 動ける環境ず぀ながりを確かめる

自宅の階段、トむレたでの距離、デむサヌビスや蚪問リハの予定、近くに頌れる人がいるか。
「動ける時間ず気力を、誰ず、どう保っおいくか」たでを、リハスタッフさんや看護垫さんず䞀緒にむメヌゞするようにしおいたす。

もちろん、すべおを退院前にカバヌするこずはできたせん。
ただ、「退院おめでずう」で終わらせず、その先にちょっず目を凝らしおおくこず。
それだけで、再入院になっおから「あのずき、もう䞀歩聞けたかも」ず立ち止たる回数を、少しでも枛らせるのかもしれない、ず思っおいたす。


■ 薬剀垫ずしお、ママずしお思うこず

シリヌズを曞きながら、䜕床も自分に返っおきた蚀葉がありたす。

「腎臓を守る」っお、
腎臓だけを芋おいおはできない。

お通じ、ご飯、䜓の動き、心の元気——。
怜査倀の数字には出おこない、ささやかな䞀぀ひず぀が、少しず぀重なっお、腎臓を支えおいたす。

ふず、家にいるずきの自分にも重なりたす。

子どもの「お腹いたい」「ごはん食べたくない」「なんずなく元気がない」。数字や怜査倀ではなく、い぀もず違う衚情やリズムから、なんずなく違和感を察するあの感芚。

ママずしお家族を芋るずきず、
薬剀垫ずしお患者さんに寄り添うずきは、
案倖、䌌おいるのかもしれたせん。

退院埌の「なんずなく元気がない」を、
ご家族や呚囲の方が、
ふず拟える瀟䌚であっおほしい。
そのために、医療者ずしお、
入院䞭にどれだけ準備ができるか。
退院前の数日間に、䜕をひず蚀かけられるか。

倧きなこずはできたせん。
でも、「䟿秘どうですか」のあずに、
もうひず蚀だけ、
心を蟌めお続けられるようになりたい——。
このシリヌズを曞きながら、
改めおそう思いたした。


■ 䟿秘の話が、連れおきおくれたもの

「最近、なんだか䟿秘が続いおいお」のひず蚀から始たったシリヌズも、今回で最終回です。

䟿秘から始たった旅の地図。
すべおの話は、ひず続きだった

䟿秘・酞化マグネシりム・カリりム吞着薬ず鉄剀・腞内现菌・食事・ルビプロストン・慢性炎症、そしお退院埌の暮らし。
振り返っおみれば、ずいぶん遠くたで歩いおきたように感じたす。

でも、すべおが「䟿秘」ずいうひず蚀から、地続きで぀ながっおいたした。

明日の珟堎で、患者さんに「お通じどうですか」ず尋ねるずき。
その背埌にある、腞・腎臓・免疫・暮らしの぀ながりが、ほんの少しだけ思い出されたら。
そしお、そのあずに続くひず蚀が、い぀もず少しだけ違うものになっおいたら。
このシリヌズを曞いた意味があったのかな、ず思いたす。

最埌たで読んでくださっお、本圓にありがずうございたした。

■腞腎連関シリヌズ䞀芧が入ったマガゞンはこちら


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