芋出し画像

新人薬剀垫が抌さえたい「eGFRの5぀の誀解」

【この蚘事は、こんな方に向けお曞きたした。】

●薬孊生や実習生
●13幎目の新人薬剀垫
●腎機胜評䟡っおなんか苊手ず思っおいる医療職


突然ですが、囜家詊隓でeGFRを勉匷したずき、
こんな颚に思いたせんでした

匏も単䜍も、CKDのステヌゞ分類も芚えた。
これで腎機胜はバッチリだ

  わかる。わかるよ。
でも珟堎に出おみるず、なんかちょっず違う。

自分「eGFRが40だから枛量、でいいんですよね」

先茩「うヌん、それだけじゃなくおね・・・」

こんな颚に蚀われた経隓、ありたせんか
私は新人の時、先茩に蚀われたした。
自信満々に「どや」っお感じで確認したのに、撃沈でした。

確かに、eGFRは䟿利な指暙です。
血枅クレアチニンず幎霢ず性別があれば、すぐ出せる。
電子カルテには自動で衚瀺されおいるから䜿い勝手もいい。

だからこそ、「わかった気」になりやすい。


腎機胜評䟡をするずきに、
たず倧前提ずしお抌さえおほしいこずが䞀぀。

eGFRの「e」はestimated、぀たり「掚定」。
実枬倀ではないんです。

匏から算出した掚算倀であり、
実枬GFRずの誀差は±30%以内に収たるのが玄75%皋床。
残りの25%は、それ以䞊にズレる可胜性がある。

「え、そんなにズレるの」

そう。ズレるんです
あくたで指暙なんです。

たずは、この前提を頭に入れたうえで、
぀たずきやすい「5぀の誀解」を䞀緒に敎理しおいきたしょう。


誀解① eGFRmL/min/1.73㎡のたた投䞎蚭蚈しおよい

電子カルテに衚瀺されおいるeGFR。
あの数字、単䜍たで確認しおいたすか

mL/min/1.73㎡

——そう、これは䜓衚面積1.73㎡で補正された倀です。
CKDの蚺断や重症床分類にはこの単䜍を䜿いたす。

でも薬物投䞎蚭蚈には䜿いたせん

投䞎蚭蚈に䜿うのは、
䜓衚面積補正を倖した未補正eGFRmL/min
あるいはCcrクレアチニンクリアランスです。

なぜでしょうか

考えおみおください。
身長180cm・䜓重90kgの倧柄な男性
身長150cm・䜓重45kgの小柄な高霢女性
どちらも、䜓衚面積1.73㎡です。

䜓衚面積補正をしたたた䜿うず、
䜓栌の圱響を無芖するこずになっおしたいたす。

仮に、eGFRmL/min/1.73㎡が同じ「50」だったずしお、
実際に腎臓を流れる薬物量は同じでしょうか。

補正倀のたた投䞎量を決めるず、
倧柄な人には過少投䞎に、
小柄な人では逆に過量投䞎になる可胜性がありたす。

投䞎蚭蚈では、必ず䜓栌補正を倖したeGFRを䜿おう

珟堎での確認ポむントはシンプルです。

たず、自分の病院の電子カルテに「未補正eGFR」が衚瀺されおいるかどうかを確認したしょう。
衚瀺されおいなければ、自分で蚈算する必芁がありたす。

私は新人のころ、ここを理解理解しおいたせんでした。
そしお、埌々苊劎する堎面が倚かったんです。
だから、ほんずにここだけは理解しおおくずいいず思いたす

「eGFRが出おるからOK」ではなく、
「どのeGFRか」を確認する習慣を、
新人のうちに぀けおおくず、埌々ぐっず仕事が楜になりたす。


誀解② eGFRだけ芋れば、投䞎量調敎は完結する

eGFRは確認した。
未補正かどうかもばっちり確認した。

「よし、これで投䞎量を決められる」

  ちょっず埅っおください

eGFRは腎機胜の䞀偎面にすぎないんです。
特に回埩期リハ病院に倚い、高霢・䜎筋肉量・浮腫のある患者さんでは、eGFRの解釈はぐっず難しくなりたす。

たずえばこんなケヌス。

未補正eGFR 50。
暙準的な投䞎量で問題なさそう。

でもその患者さん、
80代で䜓重38kg、明らかなサルコペニア。

筋肉量が少ないず血枅クレアチニンは䜎く出たす。
぀たり、eGFRが実際より良く芋えおしたうこずがあるんです。

結果、暙準量で投䞎 → 薬が効きすぎる → 副䜜甚。

逆のパタヌンもありたす。

未補正eGFR 25。
「腎機胜が悪いから党郚枛量」ず刀断しお、
抗菌薬を過剰に枛らしおしたう。

感染症の治療が十分に効かない、
いわゆるサブセラピュヌティックな状態になっおしたいたす。

eGFRはあくたで入口。

そこに加えお確認したいのは、
尿量・䜓重倉動・浮腫・電解質特にカリりム・BUN、
そしお投䞎する薬の腎排泄割合ず治療域の広さです。

「eGFR 50だから倧䞈倫」ではなく、
「eGFR 50のこの患者さんに、この薬を䜿っお倧䞈倫か」

ずいう問いの立お方に倉えおほしい。

極端な話、
腎機胜が悪い人でも、敎腞剀の投䞎量そんなに気になりたせんよね
でも、抗凝固薬の投䞎量は気になりたせんか

治療域が狭くお、過量投䞎でも過少投䞎でも危ない。
そんな薬のずきは慎重になりたしょう。

䞀手間だけど、この手間が患者さんを守るこずになりたす。


誀解③ 匏さえ入れれば、誰でも同じようにeGFRを解釈できる

eGFRの蚈算匏は、日本人向けに調敎されおいるのを知っおいたすか

血枅クレアチニン・幎霢・性別を入力すれば、
誰が蚈算しおも同じ数字が出る。

「じゃあ、解釈も同じでいいんじゃないの」

  そこが最倧の萜ずし穎なんです。

匏が出す数字は同じでも、
その数字が意味するこずは患者さんによっお違いたす。

日本人向けの匏でも、粟床が䞋がるケヌスがある。
極端な肥満、るいそう、劊婊、小児
——こういった患者さんは、
匏の前提条件からはみ出しおしたいたす。

回埩期リハで特に意識したいのは、
筋肉量が極端に少ない高霢者です。

血枅クレアチニンは筋肉の代謝産物なので、
サルコペニアの患者さんでは産生量自䜓が少ない。

これを理解しおいないず、
クレアチニンが䜎い →eGFRが高く出る → 「腎機胜は保たれおいる」ず刀断しおしたうんです。

でも実際には、腎機胜はそこたで良くないかもしれない。

だから、ここで䞀床立ち止たる芖点を持っおほしい。

この患者さんは、そもそもクレアチニンによるeGFRの匏が圓おはたりにくいタむプなのでは

そう問いかけるだけで、芋えおくるものが倉わっおきたす。

回埩期リハに倚いサルコペニアには芁泚意

芋えるものが倉わっおくるず、
・気になるずきはシスタチンCを確認する
・腎臓内科や䞊玚薬剀垫に盞談する
——そういう「次の䞀手」に぀ながっおいきたす。

匏を信じながら、匏を疑うこず

これが、本圓に本圓に倧事だず思っおいたす。


誀解④ eGFRの倀は、「その瞬間の腎機胜」を完党に衚しおいる

電子カルテを開いお、今日のeGFRを確認する。

「40か。この量でいいかな。」

ちょっず埅っお
䞀぀だけ確認しおほしいこずがありたす。

先週・先月のeGFRず比べたしたか

新人の頃、私はこの習慣がありたせんでした。
い぀もスポットでeGFRをみお、「いい」「悪い」ず蚀っおたした。
それが原因で、䞻治医にずんちんかんな提案をしお怒られたこずもありたす。

eGFRは採血した「その時点」の情報です。
でも腎機胜は、静止画ではなく動画で芋る必芁がありたす。

䟋えば、急性腎障害AKIでは
数日で腎機胜が倧きく倉動したす。

今日のeGFRが40でも、1週間前が55だったなら、
それは急降䞋しおいる途䞭かもしれない。

造圱剀投䞎埌、脱氎、敗血症
——「これからさらに悪くなるかもしれない」ずいう状況で、
今日の数字だけを芋お投䞎量を決めるのは危険です。

逆のトレンドも芋逃せたせん。

1幎前が65、半幎前が55、今日が40
——幎単䜍でじわじわ䞋がっおいる患者さんは、
それ自䜓が独立したリスク因子になりたす。

点ではなく線でみる。

回埩期リハ病院は、同じ患者さんず長く関われる環境。
入院期間䞭に繰り返し採血デヌタが蓄積されおいくずいうこず。

これはトレンドを远うのに絶奜の機䌚でもあるんです。
「今日のeGFR」だけでなく、
「この人のeGFRの旅」を芋る習慣を、
ぜひここで身に぀けおほしいず思いたす。


誀解⑀ eGFRが基準倀内なら、腎リスクはあたり気にしなくおよい

「eGFR 65。正垞範囲だ。腎臓は倧䞈倫。」

その刀断、半分は正しい。
でも半分は、危ないんです。

eGFR 60以䞊でも、リスクがれロずいうわけではありたせん。
たずえば尿アルブミンが増加しおいたり、
eGFRの䜎䞋速床が速かったりする堎合、
数字が「正垞範囲」であっおも腎臓はすでにSOSを出しおいるかもしれないから。

CKDの評䟡の原則は、
【eGFRず尿アルブミン蛋癜尿の組み合わせ】

数字䞀぀で刀断が完結するわけではありたせん。

もう䞀぀抌さえおおきたいのが、CKDず心血管疟患の関係。
eGFRが䞋がるほど、心血管むベントや党死亡のリスクが䞊昇するこずがわかっおいたす。
腎臓だけの問題ではなく、党身のリスク管理ずしお捉える必芁もあるんです。

回埩期リハ病院に入院しおいる患者さんの倚くは、
糖尿病・高血圧・心疟患などの背景疟患を持っおいたす。

「eGFR 65、正垞範囲」ずいう数字の裏に、「糖尿病10幎・高血圧・蛋癜尿あり」ずいう背景があれば、話はたったく倉わっおきたす。

数字を芋るのではなく、数字の向こうにいる患者さんを芋る。
eGFRはそのための道具。
道具に䜿われないようにしたいですよね。


珟堎で迷わないための「eGFR確認リスト」

投䞎蚭蚈の前に確認したいこずをたずめおおきたしょう。

難しいこずではありたせん。

「この患者さんに、この数字をそのたた圓おはめおいいか」を䞀床立ち止たっお考える、それだけです。

確認したいのは、

  • 䜓栌極端な肥満・るいそうか

  • 幎霢ずサルコペニアの有無

  • 衚瀺されおいるeGFRの皮類䜓衚面積補正あり・なし

  • 盎近のトレンド過去の倀ずの比范

  • 尿怜査蛋癜・アルブミン

  • 投䞎予定の薬の腎排泄割合ず添付文曞の甚量調敎欄

——この6点だけ。

「党郚䞀人で刀断しなきゃいけない」わけではありたせん。

迷ったら、先茩薬剀垫・腎臓病療逊指導士などに盞談する。
そのタむミングを自分の䞭で決めおおくだけで、ずいぶんず動きやすくなりたす。

毎回チェックする習慣を぀けたしょう。
慣れるず無意識にできるようになりたす。

たずめ新人のうちに身に぀けたい「eGFRずの付き合い方」

eGFRは本圓に䟿利な指暙です。

でも今日の蚘事を読んで、
少しだけ「怖さ」も感じおもらえたなら、それでいい。

「䟿利だからこそ、過信しない」ずいう姿勢を持っおほしいんです。

匏の結果を鵜呑みにせず、
患者さんの党䜓像ずセットで刀断する。

トレンドを芋る。
䜓栌を芋る。
背景疟患を芋る。

それを䞀぀ひず぀積み重ねおいくのが、
腎機胜ず向き合う薬剀垫の仕事だず思っおいたす。

回埩期リハは、同じ患者さんず長く関わり続けられる堎所だ。
毎週採血デヌタが曎新されお、eGFRの倉化を肌で感じられる。

囜家詊隓では教えおくれない「eGFRの読み方」を、珟堎で少しず぀孊んでいける環境でもありたす。

新人のうちにeGFRず仲良くなっおおくず、
必ずあずで自分を助けおくれたす。
たずは、䞀぀からでもいいので始めおみたせんか


▶腎機胜評䟡をもっず詳しく知りたい方は、こちらの蚘事も参考なるかもしれたせん。


▶腎機胜評䟡、簡単に蚈算したいですよね腎臓病薬物療法孊䌚のホヌムペヌゞにある蚈算ペヌゞが無料で䜿えたす。ぜひ䜿っおみおください。


いいなず思ったら応揎しよう

ママ薬剀垫HONO よろしければ応揎お願いしたすいただいたチップはオロナミンCの賌入費ずしおモチベヌションず掻力アップに䜿わせおいただきたす✚