
【タロンガ動物園】ウォンバットのブースで饒舌になる
憧れのオーストラリア旅行。
事前に読んで知識を深めた『ウォンバットのうんちはなぜ、四角いのか?/高野光太郎』
(個人的にはうんちよりうんこ派なので以下うんこで統一させていただく)
自分はいくつになってもうんこネタが好きである。心に宿る永遠の5歳児がうずき、この本を手に取っていた。『オーストラリアの歴史』的な本も同時に借りたが読み切れずに返却。そうなる予感はしていた。
さて、訪れたタロンガ動物園のタロンガという単語は「美しい景色」という意味らしい。急な坂が多い園内の傾斜から海を臨むと、多数のヨットが悠々自適に漂っていた。開放感と休日の余裕。思わず口が半開きになる。カメラを向けるのも野暮だと判断し、ぼーっと眺める。すごい所に動物園を構えたものだ。
あくまで主観だが、この動物園は本来の生育環境に近づける…!という高い志がにじむ趣向を凝らした展示が特徴。
ウォンバットのブースは巣穴を再現し、薄暗かった。ほとんどシルエット。目を凝らしてガラス越しにキュートなお顔を認識する。
「あ、正面向いたッ」と思うも束の間、本で得た知識を早口でまくしたてる。
配偶者がこの空間から早く出たいと申し出たからだ。
向かいの展示はなんと、「G」の愛称で親しまれるゴキブリ。
配偶者にとっては天敵だ。
うんこについて現地でじっくり共有する手筈が狂った瞬間だった。
一番楽しみにしていたウォンバットのブース。自分は「うんこは彼らにとって表札代わりなんだよ。風が吹いても巣穴の前に留まるように、まんまるころころうんこじゃなくて、四角いうんこでねetc…」
前で観賞中のファミリーが、ギョッとして振り返った。バチンと音を立てるように目が合う。突如饒舌になった謎の東洋人を警戒している。
気まずい。慌てて目線を外した先にぼうっと浮かび上がるは「G」の写真パネル。体感はA4サイズでご親切にライトアップされていた。
顔を伏せ、配偶者に引っ張られるようにブースを出た。
ドライブスルーくらいの滞在時間だった。