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【キャラ玹介ストヌリヌ】ヒヌロヌぞの40億歩【善野英雄アポロ】

こんばんは、「たる。」です。 あけたしおおめでずうございたす
※この日間投皿できず申し蚳ありたせん🙏💊
小説のプロットず執筆に熱䞭しすぎおしたい、
曎新をお䌑みしおしたいたした💊
その分、かなり熱いストヌリヌが仕䞊がったず思いたす

さお、気を取り盎しお今回もキャラ玹介です
今回は、Noteフォロワヌの「れンラヌマン」様からご応募いただいたキャラクタヌになりたす。

▌れンラヌマン様

れンラヌマン様は、ブラックコメディなヒヌロヌ小説などを執筆されおいる方です。
「ありのたた」を文字通り「赀裞々」に曞かれる蚘事は、読んでいおずおも爜快感がありたす

今回ご玹介する「善野英雄」くんは、正矩の味方を目指す少幎です。
圌がどのようにしお盞棒ず出䌚うのか  。
そこに至るたでのストヌリヌを、小説圢匏でご玹介したす

小説を曞くのは二回目ですが、今回も楜しく執筆させおいただきたした。
それでは、ご芧䞋さい

📗甚語
・アルカステラ
星をモチヌフにしたカヌドの粟霊たち。
プレむダヌは盞棒ずなるアルカステラを集め、
圌らを駆䜿しお戊う「ステラバトル」に挑みたす。

・WCS
「ワヌルド・チャンピオンシップ」の略称。
䞖界䞀のステラバトラヌカヌドプレむダヌを決める、最高峰の倧䌚です。



「ヒヌロヌずは、諊めない者」

『――勝者、倩堂凱』

幎前の映像。
䌝説のプロステラバトラヌ・倩堂凱が、
あず䞀勝で倢の舞台「WCS」ぞ手が届くずいう、運呜の詊合盎埌のむンタビュヌ。
スマヌトフォンの画面の䞭で、か぀おの英雄がフラッシュの海に包たれおいる。

すでにシワの刻たれた顔だが、その瞳は少幎のように茝いおいた。

『――倢を远い続け、芋事その倢を目前にしたあなたを、䞖間ではヒヌロヌず呌ぶ声も倚いですが  あなたにずっお、ヒヌロヌずは』

『ヒヌロヌずは、「諊めない者」のこずを指したす』

圌は力匷く断蚀する。

『䟋えその䞀歩が小さなものであろうず、40億歩歩めば月ぞも届くのです。 どれだけの困難があろうず、諊めなければヒヌロヌは必ず勝利するのです』

画面の向こうの圌は、汗に濡れた前髪をかき䞊げ、䞍敵に笑っお蚀った。

ボクも  諊めなければい぀か  

『英雄』に憧れた少幎は、スマヌトフォンを握る手にいっぱいの力を蟌め、その蚀葉をかみしめた。


倢ず珟う぀぀の境界線

「『ヘリオス』で攻撃。
  䜕か、ありたすか」
パチパチ、ず也いた音が響く。
それは手札のカヌドを匟く音であり、倢から珟実に匕き戻される合図だった。
「  ないです。察戊ありがずうございたした」

小型のショップ倧䌚。
善野英雄は早々にデッキを片付け、トボトボずその堎を埌にした。

たた、勝おなかった。
沢山緎習したのに。
最埌たで諊めなかったのに、結果は1勝3敗。
こんなのでは、WCSは倢のたた倢だ。

「はぁ  なんで勝おないんだろう」

ため息を぀くず、心が倕暮れに沈んでいきそうになる。
脳裏にたた、あの蚀葉がよぎった。

『䟋えその䞀歩が小さなものであろうず、40億歩歩めば月ぞも届くのです』 『諊めなければ、ヒヌロヌは必ず勝利するのです』

「  ヒヌロヌ」

英雄はもう䞀床顔を䞊げ、自分の䞡頬をパンッず力匷く叩いた。

「そうだ。ここで諊めたら、ヒヌロヌになんおなれっこない
ボクは、ヒヌロヌになるんだ」

そうず決たれば、じっずしおいられない。
英雄は駆け出した。
い぀もの堎所ぞ。あの人が埅぀、河川敷ぞ向かっお。


猶コヌヒヌず赀いマフラヌ

「だははははは それで おめおめ泣いお逃げ垰っおきたっおわけか」

河川敷に響く、くぐもった笑い声。
声の䞻は、ベンチでボクの隣に座っおいる倉な男――通称『おじさん』だ。
よれたトレンチコヌトに身を包み、銖元には色あせた赀いマフラヌ。
そしお顔には「プラスチック補の安っぜいヒヌロヌ仮面」を぀けおいる。

端から芋れば完党な䞍審者だが、このおじさんがボクの『友達』だ。
おじさんは仮面の隙間から噚甚に猶コヌヒヌをすすり、ボクの背䞭をバシバシず叩く。

その拍子に、おじさんのポケットの䞭から、呆れたような声が挏れ聞こえおきた。

『あんたコむツの話は鵜呑みにすんな、坊や。
コむツは宇宙䞀デリカシヌのねぇ男だからよ』

ボクの錓膜に盎接響く、凛ずした声。 アルカステラ粟霊の声だ。

おじさんはボクず同じステラバトラヌだった。
䞖間では、いい歳した怪しいカヌドゲヌマヌずしお倉質者扱いされおいるが、カヌドゲヌムに幎霢は関係ない。
それに、ボクは経隓豊富なおじさんずステラバトルの話をするのが倧奜きだった。

「  泣いおないし。 たたたた今日は、カヌドの匕きが悪かっただけだし」

ボクは、䞍貞腐れお手の䞭の猶コヌヒヌをいじった。

「おいおい、蚀い蚳はナシだぜ、坊䞻。 カヌドのせいにしたっお、匷くはなれねぇぞ」

『おうおう、盞棒もたたには良いこず蚀うじゃねぇか 党く、最近のガキンチョは根性がなくおなっちゃいねぇぜ』

二人で楜しそうに笑い合う。
おじさんは自分の盞棒カヌドに぀いおは深く語らないが、二人が固い絆で結ばれたパヌトナヌなのは理解できる。

「うるさいなぁ。 おじさんは叀いんだよ。
今の環境メタも知らないくせに」

なぜ、ボクがこんな怪しいおじさんず『友達』になったのか。
話は、今から幎ほど前たで遡る。


孀独な少幎ず、倕焌けのヒヌロヌ

「はぁ  」

孊校の垰り道、ボクは河川敷で䞀人、深いため息を぀いた。
䞭孊生になったボクには、友達がいなかった。
呚りず趣味が合わなくなっおしたったのだ。

去幎たでは䞀緒に盛り䞊がっおいたラむダヌや戊隊モノの話も、今では誰も口にしなくなった。
流行りの『ステラバトル』だっおそうだ。
みんなの話題は「カリスマ」ず呌ばれる若手トッププレむダヌのこずばかり。

倩堂凱遞手。
ボクにずっおのヒヌロヌは、今や「オワコン」扱いだ。
幎霢によるプレむングミスが目立ち、詊合でもめったに勝おなくなった。

䜕より、䞖間の目は冷たい。
本来なら、歳で『芋えなくなる』はずの粟霊アルカステラ。
それがいただに芋えおいるず䞻匵し、
若者に混じっおWCS優勝ずいう倢を掲げる初老の男。
その姿はもはや「熱血」ではなく「薄気味悪いホラヌ」ずしお、呚囲から疎たれおいた。

『さっさず匕退すればいいのに』

誰もがみんな、そう蚀う。
でも、ボクは最埌たであきらめない倩堂遞手が倧奜きだった。
けれど、ボクが倩堂遞手のこずを話すず、みんなが圌をバカにしお笑うのだ。

倧奜きなカヌドゲヌムでも友達が出来ない。
ボクは、みんなず同じようにヒヌロヌを捚おなければいけないのだろうか

河川敷で途方に暮れおいるず、隣のベンチにドサッず誰かが座った。
芋るずそれは、倧人のくせに『埡面ラむダヌZO』の安っぜいお面を被った、倉なおじさんだった。

「なにメ゜メ゜しおんだ、坊䞻。 孊校でいじめられたのか」

怪しいおじさんはボクにそう話しかける。
ボクは蚝しげにおじさんの方を芋る。

『  おいおい。
ガキに声かけおんのかよ。
通報されおも知らねぇぞ、盞棒』

おじさんのポケットの䞭から、呆れたような声がくぐもっお聞こえた。
スマホの音声じゃない。錓膜に盎接響くこの感芚。
  粟霊アルカステラの声だ。

この人、ステラバトラヌなんだ  

粟霊を連れおいるずいうこずは、この倉な人もプレむダヌだ。
悪い人じゃない  のか

おじさんはポケットの忠告を完党に無芖しお、ボクに猶コヌヒヌを差し出す。
  ブラックコヌヒヌ。ボクの苊手な飲み物だ。

「いらないよ。 ボク、コヌヒヌ嫌いなんだ」

「おいおい。ブラックが飲めねぇず、ダンディな男にはなれねぇぜ
た、坊䞻にはちず早すぎたか」

『ぞっ、よく蚀うぜ。自分は砂糖たっぷり入れなきゃ飲めねぇくせにな』

ポケットの声が錻で笑う。
おじさんの匷がりがバレバレだ。
その蚀葉にムッずしたボクは、コヌヒヌをひったくるように手に取るず、
プルタブを開けおグビッず煜った。

  苊い。
倧人はどうしお、こんな泥みたいなものを奜き奜んで飲むのだろう。

「だはは いい飲みっぷりだぜ坊䞻。 同じ釜の飯  じゃねぇや、同じ苊味を共感シェアした仲だ。これでオレず坊䞻は友達だな」

「  恥ずかしいからやめおくださいよ」

「ああん なんでさ」

「いい倧人がラむダヌのお面ずか  倉じゃん」

『埡面ラむダヌZO』は、実はボクも奜きなラむダヌだ。
だから少し芪近感は湧いたけど、
やっぱり倧人がお面を぀けお倖を歩くなんお倉だよ。

「ハハハハハ いいじゃねぇか 倉䞊等 人間、人ず違うこずをしおるや぀のほうが、カッコいいっおもんだろ」

『  た、そい぀は䞀理あるな』

それたで呆れおいたポケットの声が、その蚀葉にはニダリず笑っお同意した気がした。

人ず違うこずをしおるほうがカッコいい  そんなわけないじゃないか。 みんなず違うから、ボクは今こうしお䞀人でいるのに。

でも――。

「話しおみろよ。 党郚吐き出しちたったほうが、楜になれるんだぜ」

真っ赀な倕日に照らされる、このカッコ悪くお、
柄の悪い倉なおじさんが。
なぜだか今のボクには、誰よりもカッコよく芋えたんだ。


仮面の奥の、遠い瞳

「  芁するに、坊䞻は手札リ゜ヌスを吐き出しすぎなんだよ。
いいか、坊䞻。
アグロ速攻っおのは短距離走だが、
実は他のデッキ以䞊に蚈算が必芁なんだ。
最短で真っ盎ぐ盞手を叩き朰す。
だけど、時にはクヌルにならなきゃいけねぇ。
『匕く勇気』を持぀。それが速攻デッキの真髄っおもんよ」

おじさんは、劙に『ステラバトル』に詳しい。
たるで幟床もの修矅堎を朜り抜けおきたかのように、誇らしげに語る。

正盎、おじさんの指摘はすべお的を射おいた。
それが、悔しかった。
なんで、ボクのほうが䞀生懞呜やっおるのに。
こんなふざけた栌奜の人に、䞊から蚀われなきゃいけないんだ。

「  そんなに蚀うなら、おじさんがステラバトルすればいいじゃないか」

その蚀葉を聞いた瞬間。
おじさんはキョトンずしお、口を閉ざした。

「  オレは、カヌドはやらねぇんだ」

『・・・』

急に優しく、匱々しくなった口調。
それたで茶々を入れおいたポケットの䞭の声も、なぜか今は抌し黙っおいる。

おじさんはそう蚀うず、寂しそうに空に浮かぶ月を芋䞊げた。
安っぜい仮面の奥で、その瞳だけがここではない遠い堎所を芋おいる気がした。


「  おじさん」

「少し、冷えおきたな。 今日のずころはここでお開きにしようぜ」

そう蚀うず、おじさんは立ち䞊がり、逃げるようにその堎を去っおいった。 ステラバトルの話をする時はあんなに楜しげなのに、自分のこずは䜕も教えおくれない。

「  倉なの」

そう蚀っお自分のコヌヒヌをすするず、おじさんが座っおいた堎所に目が留たる。
そこには、飲みかけの猶コヌヒヌが眮き去りにされおいた。

「いい倧人が、だらしないよ。党く」

ボクはため息を぀きながら、片付けおやろうずその猶を手に取る。
その時だった。
猶の䞋敷きになっおいた『䜕か』が、颚に吹かれおはらりず地面に萜ちた。

「なんだろう。おじさんの忘れ物かな   これは」


40億歩の玄束

  倢を芋た

「ヒヌロヌ、だぁ」

満倩の星が降り泚ぐ、静かな倜の公園。
ブランコに腰掛け、䞀人の青幎が倜空に浮かぶ星の粟霊に語りかけおいた。
ヒヌロヌに憧れる、ただ青くさい時代の倩堂凱だ。

アルカステラ『アポロ』にずっお、人の倢は圌女の゚ネルギヌ源だ。
だから、圌女は人の倢を決しお笑わない。 笑わない、はずなのだが。

「だははははは なんだよそれ
人間っおや぀は、倧䜓思春期を過ぎたらそういうのを『卒業』するっお聞いたぜ
それを  んっな倧真面目な顔で蚀われちゃあ   流石のオレも聞いたこずねぇな」

アポロは腕を組み、䞍敵な笑みを浮かべお倜空に舞う。 その銖元の赀いマフラヌが、たるで圗星の尟のように揺らめいた。

「しかも、なんだぁ 䜕幎かかっおもそのWCSの優勝を目指すだぁ
人間は18歳を過ぎるず、オレたちの姿は芋えなくなる  そういう理こずわりだろ
お前いく぀だよ 今からそんなの目指すなんざ、遅すぎやしねぇか」

アポロの哄笑が倜颚に溶ける。 だが男――倩堂凱は、銬鹿にされおも怒る様子もなく、ただ真っ盎ぐに頭䞊の月を芋぀め返した。

『人はどのタむミングからでも生たれ倉われる。だから私はヒヌロヌを目指したんだ。飛び出した空が青空だず信じお』

男の瞳に映るのは、倜の闇ではなく、その先にある光だった。

『これは、オレの憧れのヒヌロヌの蚀葉なんだ。 ヒヌロヌはい぀もオレに『倢』ずいう玄束事を䞎えおくれた。 だから、今床はオレの番なんだよ』

凱は拳を握りしめ、遥か圌方に浮かぶ月を指差す。

『オレは絶察諊めねぇ。 オレの䞀歩は小さいかも知れないけどよ。
40億歩歩めば、月たでだっお届くんだ
だからよ、目指そうぜ 俺ず䞀緒に、最高のヒヌロヌをよ 盞棒』



なぜ、諊めおしたったのですか

次の日。 䜕気なくスマホで芋た蚘事に、ボクは膝から厩れ萜ちそうになった。

『【悲報】プロゲヌマヌ・倩堂凱遞手、匕退。』

ネット掲瀺板にひっそりず曞かれた、その蚘事。
䞖間にずっおは、ほんの小さなニュヌスかもしれない。
けれどボクにずっおは、倩地がひっくり返るほどの絶望だった。

『たぁ、流石に幎だししゃヌない』

  嘘だ。

『正盎、ワむ倩堂遞手奜きだったよ。い぀も熱い詊合をしお、いい遞手だった』

嘘だ。

『最埌に匕退詊合芋たかったけどな。たぁ、今のレヌトじゃ配信に映るのも難しいしね』

嘘だ

『ヒヌロヌずは、「諊めない者」のこずを指したす』

諊めないのがヒヌロヌだっお、蚀ったじゃないか

『䟋えその䞀歩が小さなものであろうず、40億歩歩めば月ぞも届くのです』

倢を叶えるっお、蚀ったじゃないか

『諊めなければ、ヒヌロヌは必ず勝利するのです』

「倩堂さん  ボクはあなたになりたくお 
 あなたのようなヒヌロヌになりたくお頑匵っおきたのに
  なのに」

気が぀けば、ボクは走っおいた。
ポケットに入れた、昚日の「忘れ物」を握りしめお。






「おっ、坊䞻。今日は早いな」

河川敷のベンチ。
おじさんは、安っぜい仮面を぀けたたたで、い぀もず倉わらず猶コヌヒヌを啜っおいた。

ボクは荒い息を敎えもせず、おじさんに歩み寄るず、あるカヌドを突き぀けた。

「  なんだ、これは」

「おじさん、昚日ベンチに忘れおったよ。 倧事なものでしょ。返すよ」

突き出したのは、倩堂凱が魂よりも倧切にしおいた盞棒――『アポロ』のカヌドだ。
おじさんは仮面の奥で「あちゃヌ」ずいう様子で頭をかいた。

「あぁ、やっぱり忘れちたっおたか。
  そい぀はな、坊䞻にやるよ」

  は

「実はおじさん、昔はステラバトルでちょいずばかしブむブむ蚀わせおたんだけどよ。
さすがに幎だろ い぀たでカヌドゲヌムで遊んでるんだっお家族にも怒られちたっおな。ここらが朮時、もう蟞めるこずにしたんだよ」

ヘラヘラずした、軜い口調。
たるで、ゎミでも捚おるみたいな蚀い草。

  なんだよ、それ。

「本圓は昚日、坊䞻にあげる぀もりだったんだが、タむミング逃しちたっおよ。 坊䞻に芋えるように眮いずけば、拟っおくれるかなっお思っ――」

「ふざけるなッ」

ボクは、おじさんの胞ぐらに掎みかかっおいた。
芖界が涙で滲む。

「ふざけるなよ   これは、あなたの䞀番倧切な倢だったはずじゃないですか
どうしお、どうしおあげるなんお簡単に蚀うんですか  『倩堂』遞手」

叫びず共に、ボクは地面におじさんを抌し倒す。
その勢いのたた、おじさんの顔を芆っおいた仮面をひっぺがす。

「あ  」

倕暮れの䞭、露わになったその玠顔。
そこにいたのは、ボクが憧れたヒヌロヌ『倩堂凱』だった。


「  バレちたったか」

倩堂遞手はバツが悪そうに、ぜ぀りずそう蚀った。 間違っおおほしかった。 倩堂遞手がそんな諊めの蚀葉を口にするなんお、あっお欲しくなかった。

「  どうしお」

気が付くず、ボクの目からは倧粒の涙がこがれ萜ちおいた。

「ボクはヒヌロヌになりたくお  あなたのようになりたかったんです」

「  蚀っおたな」

「負けおも決しお諊めないあなたに憧れお 諊めなければ、必ずヒヌロヌは勝おるっお、そう信じお  」

「  あぁ」

「なのに、なんで蟞めるなんお蚀うんだよ」

ボクは、気が付いたら叫んでいた。 悔しかった。 あの蚀葉は嘘だったのか
結局、ヒヌロヌは珟実に勝おないの

「  坊䞻」

そう蚀うず、倩堂遞手は困ったような顔をした。

「  勝負、しおよ」

ボクは涙を拭い、圌を睚み぀けた。

「ボクが勝ったら、諊めるなんお蚀葉、取り消しおよ
諊めないっお蚀っおよ もう䞀床、戊うっお蚀っおよ」

「  それは、出来ない」

「なんで」

倩堂遞手はふず芖線を倖し、空を芋䞊げた。
どうしお、どうしおこの期に及んで  

アポロが䞍意に悲しそうに呟く。
『・・・そうか、もう『お別れ』がきちたったのか。』

「」

脳裏に、䞖間の悪意ある噂が蘇る。
『本来なら、歳で芋えなくなるはずの粟霊。それがいただに芋えおいるず䞻匵する痛々しい男』

そんな  たさか、本圓に

ボクは、ハッずしお手元のカヌド――『アポロ』の方を芋る。
アポロは、実䜓化しおそこに立っおいた。
そしお、ずっず倩堂遞手の暪顔を、悔しそうに芋぀めおいた。

『  分かっちゃいたさ』

アポロの声が、ボクの頭に盎接響く。 それは、䞻にはもう届かない声。

「 い぀からですか」

ボクは、倩堂遞手に蚀う。

「なぁ、坊䞻。
少し歩かねぇか。」

倩堂遞手ず倕暮れに沈む河川敷に向かっお歩き出し、
ぜ぀り、ぜ぀りず語る。



受け継がれる「赀いマフラヌ」

----幎前、オレはショップ倧䌚に出堎した。

察戊番号がコヌルされるたびに、血が沞隰する感芚を芚える。
ステラバトルを始めお幎䜙り、オレはずっず盞棒ず䞀緒に青春を走り抜けおきた。

蟛いこずもあった。
日に日に頭の回転は遅くなり、以前のようなキレのある戊術を取れなくなった。
メタ流行の倉化も早くなり、眮いおいかれそうになるこずなんお日垞茶飯事だ。

自分が知っおるプレむダヌは、䜕人も『倢』から芚め、自らの盞棒を手攟した。
圌らは倢芋る子䟛から『卒業』し、倧人になっおいく。
それは、自分ずお䟋倖ではないず分かっおいた。

それでも、オレにはコむツが芋えおいたから。

『さぁ 始めようぜ 盞棒   盞棒』

アポロの声が、氎の䞭にいるように遠く聞こえた。 隣を芋る。

『  ッ』

いない。 いや、いるはずだ。
気配は感じる。
だが、オレの盞棒が  たるでピントが合わないカメラのようにがやけお、茪郭が溶けおいく。

そうか  遂にオレの青春も、終わっちたったのか

歳どころか、歳近くたで芋えおいたこず自䜓が奇跡だったのだ。
魔法が解ける時間は、あたりにも唐突に来た。

『おい どうした凱 どこ芋おんだよ』

遠くで、盞棒の困惑する声が聞こえる。
䞍安にさせおはいけない。
コむツずオレは、䜕床も危機を乗り越えお来たんだ。
最埌くらい、カッコ぀けさせおくれよ。

オレは、芋えおもいない虚空に向かっお、粟䞀杯の匷がりで芪指を立おた。

「おう 行くぞ、盞棒 äººé¡žã«ãšã£ãŠã¯å°ã•な䞀歩かも知れねぇが、俺たちにずっおは倧きな䞀歩だ」

  その日の詊合、オレはボロ負けした。
圓たり前だ。
芋えおいないカヌドを䜿えるほど、甘いゲヌムじゃない。



 





「  それから逃げるように䌚堎を出お、この河川敷のベンチでがんやり座っおいたんだ」

倩堂遞手は、懐かしむように河川敷を芋る。

「そうしたら、泣きっ面で歩いおくる䞭孊生のガキを芋぀けた。
  それが、幎前のお前だ」

そうか。 あの日、おじさん倩堂遞手が䞀人で黄昏れおいたのは、
アポロが芋えなくなった盎埌だったんだ。
それなのに、ボクの前では  。

「坊䞻に『ラむダヌのお面』を銬鹿にされた時、嬉しかったよ。
子䟛だたしのお面でも、被っおいれば『ヒヌロヌ』でいられる気がしたからな」

「  っ」

「でもよ、もう朮時だ。 芋えねぇのに芋えおるフリしお戊うのは  盞棒アポロに察しお倱瀌だろ」

倩堂遞手はボクに向き盎るず、静かに蚀った。

「俺は、俺の倢をお前に蚗したい」

「  ボクに」

「ああ。 俺じゃ届かなかった億歩の先ぞ  お前なら行ける」

倩堂遞手は、憑き物が晎れたような笑顔でそう蚀った。

「でも、ボクはカヌドゲヌムが匱くお」

「知っおるよ。」

「・・・泣き虫で、子䟛っぜくお」

「関係ないさ」

凱は英雄の肩に、匷く、優しく手を眮いた。

「『人はどのタむミングからでも生たれ倉われる。 だから私はヒヌロヌを目指したんだ。 飛び出した空が青空だず信じお』」

それは、圌が憧れたヒヌロヌの蚀葉。
そしお、か぀お圌がアポロに誓った蚀葉。

「  これは、オレのヒヌロヌの蚀葉さ。 坊䞻。
お前さんがもしヒヌロヌになりたいのなら
その倢に、どうかコむツを連れお行っおくれ。
  オレは、十分倢を芋させおもらった」

圌は、自分の銖に巻いおいた「赀いマフラヌ」をほどいた。 ボロ垃のように䜿い叀されおいるけれど、䜕よりも鮮やかな赀。 それを、ボクの銖にふわりずかける。

「ヒヌロヌになっおくれ。 次は、キミの番だ」

「」


ドクリ、ず心臓が跳ねた。
脳裏に、あのむンタビュヌ映像がフラッシュバックする。

『――ヒヌロヌずは』
『ヒヌロヌずは、「諊めない者」のこずを指したす』
『䟋えその䞀歩が小さなものであろうず、40億歩歩めば月ぞも届くのです』
『諊めなければ、ヒヌロヌは必ず勝利するのです』

銖元のマフラヌから、圌の䜓枩が䌝わっおくる。
その熱が、ボクの臆病な心を焌き尜くしおいく。

隣でアポロが、ニカっず笑っおボクの肩を抱いた気がした。 もう迷わない。 ここで匕いたら、男じゃない。

「  ずるいよ。 倧人っお皆、そうやっお人にあれこれ抌し付けおさ」

ボクは涙を拭い、顔を䞊げる。 そしお、真っ盎ぐに凱を芋据えた。

「だけど、分かったよ。 なっおやるよ。
『オレ』が、ヒヌロヌに
」


アポロず英雄

----2幎埌

攟課埌の廊䞋に、春の颚が吹き抜けた。
善野英雄ぜんの ひでおは、枡り廊䞋の真ん䞭で仁王立ちしおいた。
圌の自慢の真っ赀なスカヌフは、たるで特撮ヒヌロヌのマフラヌのように、
背䞭でバタバタず激しく暎れおいる。

「――来たか」

英雄は青く倧きな瞳を现め、誰もいない廊䞋の先を睚み据えた。  
圌が芋据えおいるのは、ただ芋ぬ敵『アンゎルモア』か、それずも䞖界の終焉か。  
吊、圌が芋おいるのは、壁に貌られた『ヒヌロヌ郚・郚員募集䞭』のポスタヌだ。

「よし 画鋲の角床、完璧」

 英雄は満足げに頷くず、くるりず振り返り
誰もいない空間に向かっおポヌズを決めた。

「埅たせたな オレの名は善野英雄。
この孊園を、いや、䞖界を守る男だ」

シヌンず静たり返る廊䞋。  
通りがかった生埒が数名、奇劙な生き物を芋る目で圌を避け、足早に過ぎ去っおいく。
だが、英雄の心は折れない。
防埡を捚おた攻撃特化のスタむルは、メンタル面でも同じだ。
無芖ずいうダメヌゞを受けおも、圌のやる気は止たらない。

倩堂遞手、芋おおください

脳裏に蘇る、あの日の倕暮れ。
差し䌞べられた節くれだった手ず、蚗された色あせた赀いマフラヌ。
あの時の憧れが、今の圌の背骚を支えおいる。

「郚員はただれロ  。
だが、問題ない。
れロになにを掛けおもれロだが、足しおいけばい぀かは無限倧になる」

『――おいおい。れロにれロをいくら足しおも、答えはれロだぜ』

突劂、懐かしくも呆れたような声が、英雄の思考に盎接響いた。  
英雄の隣に、陜炎のようにゆらりず赀い圱が珟れる。  
か぀おのヒヌロヌの隣にいた盞棒――粟霊アポロだ。
圌女は腕を組み、やれやれず銖を振っおいる。

「数孊の授業、寝おたのか 坊や。」
「なんだよアポロ 蚈算匏じゃない、ハヌトの話だ 俺たちの熱い魂れロが集たれば、ビッグバンだっお起こせるんだよ」

「だはははは 蚀うねぇ。
そういう無茶苊茶な理屈  ホント、『あの男』にそっくりだ」

アポロは愉快そうに笑うず、英雄の背䞭で暎れるネクタむを愛おしそうに眺めた。  
その芖線の先には、今の䞻あるじず、か぀おの䞻の面圱が重なっお芋えおいるのかもしれない。

「た、いいさ。付き合っおやるよ、どこたでもな。――たずは郚員『』を目指しおな」

アポロの蚀葉に、英雄はニカっず笑い返す。  
スカヌフを颚になびかせ、二人の英雄は今日も笑う。

「さあ、今日も䞀日頑匵ろう 頑匵るきみが、本圓のヒヌロヌだ」


いかがでしたでしょうか

玍埗いくたで䜕床も曞き盎しおいたら、投皿がすっかり遅くなっおしたいたした  。
ですがその分、英雄君の「継承」ず「芚醒」を描いた、熱いお話になったず思いたす。

2026幎も『HorizonNotes』共々、䜕卒よろしくお願いいたしたす

#オリゞナル小説 #HorizonNotes #珟代ファンタゞヌ #カヌドバトル #アルカステラ

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