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Photo byhidemaro2005

中秋の名月は雨が降った
明け方、外に出て西の方角に立ってみたが
雲は月の周りを寝そべって

足元の水たまりに
小説『アジアンタムブルー』を思い出した

大崎善生さんが描いた小説のヒロインは
水たまりの写真を撮っていた

ヒロインは余命一ヶ月で
最期は主人公であり、恋人とニースへ旅立ち
息を引き取る (多分、そうだった気がする)

アジアンタムの葉みたいな、繊細な作りのヒロイン
男性が求める理想像なんだろうなって

うちの窓には、アジアンタムを飾っている
丁寧に扱わないと枯れてしまいそうで
毎日、手を入れるのだけど
光を通す葉は、華奢で壊れそう

水たまりにしろ、アジアンタムにしろ
細い生命線で、目を離すと消えてなくなりそうな

ある意味、死って歓迎されているように思う
美しさって、育むのではなく消えゆくもの
散々苦しんだ先にある、希望
武士道とは異なる美意識が生きる事を放棄させる

わたしの生命線は、親指の根元までしかない
自分の死をイベントにされないよう
猫のように、そっと居なくなろうと思った

 
 
人の淋しさは対象によって癒される、淋しさ わたしの淋しさは 万物でも癒されない定めの淋しさ 手に握る砂が指から零れてしまう 狂人には沈黙を、佳人には微笑みを わたしはわたしの道を歩んでいるだけなのに ©️ももまろうめこのnoteは私に著作権があります 無断転載禁止です

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