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若き日の、母が塗るネイルがとても綺麗で
元々、爪の形が整っている人だから
どんなネイルの色も映えた

小さなわたしは母のネイルに憧れ
油性マジックで、爪を黒く塗ると
母は肩を震わせながら笑いをこらえ
除光液で透明な爪に戻してくれた

母の大らかさは、誰にも敵わないと思っている

幼稚園が夏休みに入った、ある日
庭からわたしを呼ぶ声がする

声がする方へ、掃き出し窓から走って出ると
母はしゃがんで『ホウセンカ』の前にいた

ふんわりカールした長い髪
細い指先にホウセンカの花をのせる仕草が
今でも記憶にある

母はわたしの手を取り
片手でホウセンカの花を摘み、揉む
そして、捏ねた花びらをわたしの爪にのせ

ふぅ ふぅ、と息を吹きかける母 

わたしの爪にのせた花びらを除けると
ちっちゃな爪は
ホウセンカのキナクリドンスカーレットが染色され
急にお姉さんになれた気がした

夏の1ページ、現代の方が暑く感じる

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#ひと色展
#イシノアサミさん


 
 
人の淋しさは対象によって癒される、淋しさ わたしの淋しさは 万物でも癒されない定めの淋しさ 手に握る砂が指から零れてしまう 狂人には沈黙を、佳人には微笑みを わたしはわたしの道を歩んでいるだけなのに ©️ももまろうめこのnoteは私に著作権があります 無断転載禁止です

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